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「生み出す力」超少子高齢社会の日本で生きるのに何よりも大切なこと

ぼくらはみんな消費者。この社会に生きている限りそこから必ず何らかの恩恵を受けてる。赤ちゃんならミルクを飲むし、おむつも付ける。ご飯を食べられるのなんて当たり前だし電気を使えば遥か遠くの人とも繋がることができる。

それらを一つ一つ数えていくと、知らぬ間に大量消費していることに気づく。自分がそうやって消費しながら生きていけるのはもちろん両親や保護者がお金を使ってモノを買ってくれるからだ。でももっと大切なことは、そのお金の先には、モノを生み出してくれる人がいること。その人達がいることでぼくらは大量消費ができる身分へとなった。

「支え合いながら生きる」の真意

これが学校でも言われている「ぼくらは支え合いながら生きている」ということ。この表現に対して「誰がどのように」というのは今説明した通りだけど、ぼくは学校でこの本質部分を教わらなかった。ただ「支え合って生きている」という箇所だけが伝えられ、その根っこにある重要な「誰がどのように」というのは、おそらく「分かっているだろう」ということで省かれてしまっていたんだ。

でも、ぼくはそんなに頭が回る方ではなかったから、支えられて生きているってどういうこと?という風に疑問に思いながらも深くは考えていなかった。だから学校を卒業した後にその真意を感じることで理解できるようになった。

思い返してみれば、先生たちもよく分かっていなかったのかもしれない。みんながそう言うから、繰り返していただけなのかも。彼らは大学へ行って会社で働くことなく学校に戻って教えている人も多いから、社会経験があるとは言えない人も多いことだと思う。それが影響していないとも明言できない。別に先生たちを攻めるわけではないけど、これから社会で生きる子どもたちにとっては、ものすごい影響を持つ考え方であることには違いないだろうから、しっかりと教えて欲しかった。

ぼくらは生産の連鎖の頂点しか知らない

さて、ぼくたちは社会で消費することによって生活を支えられているということだけれど、忘れちゃいけないのがその反対側にある「生産」だ。何でもそうだけど、何もないところから突然湧いて出てくるモノはない。

例えば、スーパーで売られている肉だって、動物を健康的に懇切丁寧に育てる人たちがいて、それを捌く人たちがいて、細かくした肉が腐らないようにしっかりと管理してパッケージングする人たちがいて、パックに入った肉を運ぶ人たちがいて、肉をスーパーで販売する人たちがいて、ようやくぼくらの目につくことになる。この「肉の生産」の過程の中で完全消費者であるぼくらが出てくるのは、スーパーの部分だけだ。目には見えないけど、そこには数え切れないほどの技術と人が関わっていることが分かる。

その人たちこそが「生産」をしている人たち。そして、大量消費をしてこれまで生きてきたぼくたちは、彼らと同じ立場に回ることになる。つまり「生産者」になるということ。

誰でもすぐに生み出せる

生産者になるというと、なんだか難しそうに聞こえるけどそんなことはなくて、ただ生み出せばいい。そこで必要な考え方が、誰かの価値になるものを生み出すということ。仕事をしてお金になることは、基本的にすべて誰かに価値を与えてる。だから、価値の化身である「お金」がぐるぐる回ってる。

じゃあ、消費者であるぼくらは仕事を始めるまで生産者になれないのかというと、そんなことはない。誰でも子供のころにおにぎりを作ったことがあるんじゃないかと思う。日本の代表的なご飯。これだって立派な生産だ。「おにぎりを作る」と言われると、あまりにも簡単なこと過ぎて「生産」とはかけ離れているように思えるけどそんなことはない。その消費者が目の前にいるんだから。

家族だ。

ただおにぎりを作るだけでも、家族にとっては喜びを生み出すことができる。子供がおにぎりを作ってくれて喜ばない親はいないだろう。いたとしたらその親は心が病んでる。作ったおにぎりで親の心に喜びが生まれる。そうすると、おにぎりを作ってもらうという些細なことからでさえ、彼らの心は癒やされて仕事を頑張ろうと思えるんだ。すると会社での仕事スピードが上がるし、ツライことが起こっても頑張ろうと思える。だから、たとえまだ学校で勉強するばかりで仕事についていなかったとしても生産者になれる。

生み出すこと=ぼくらの生活そのもの

どんな形でもいいから誰かに価値を与えられる生産者になれば、消費者としての社会還元ができる。これから超少子高齢社会へと進んでいく日本では、この生み出す力が圧倒的に必要とされるようになる。1人が1人分の価値を生み出すのでは足りない。10人分でも100人分でも生み出せるのが望ましい。そのためには、まずその一歩として社会に価値を生み出すということがどういうことなのか、おにぎりの例のように子供の頃から肌で感じ取り、社会で実践することが大切となる。

これからの時代を生き抜くためにも、積極的に生産してたくさんの人を喜ばせていこう。それこそが消費者として社会に支えられてきたぼくらの恩返しだし、その先にはきっとぼくらの笑い合ってる世界が広がってるはずだから。

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