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ついさっき電車で見た女の子の話。


比較的空いている車内、22時。

視界の端から足元だけ、ぴっちり締められた編み上げブーツが見えた。梅雨入りしたとはいえ、今日は日差しも強くて結構暑かったのに。と、思ってさりげなく右隣を見ると少し前に流行ったバケットハットをかぶった女の子。

ただそれだけなら、ファッションにこだわりのある芯の強い女の子という印象なのだけど、それだけじゃなかった。その子の左手の甲にはおそらく油性ペンで書かれたであろうメモがびっしり。

内容までは流石によく読めなかったけど、字は見た目通りの可愛らしい文字だった。

そんなことを考えていたら降りる駅に着いたらしく、その子は立ち上がって私の前を通過してドアの方へ向かった。そこで私はまた驚いた。彼女の右手には缶チューハイが握られていたのだ。

たまに電車で缶ビール持ったおじさんとかなら見かけるけど、缶チューハイ持った若い女の子は初見だった。何か嫌なことでもあったのかな。お家まで我慢できないくらい、飲まなきゃやってられん!みたいな心境だったんかな、とか。

色々考えられるけど、自分のしたい事は周囲に振り回されることなく続ける、そんな強い心を彼女からは感じた。そのファッションと手からの情報しかないが、彼女と仲良くなってみたい気がした。

そんな彼女のことを我が強いとか、自己中心的だとか、マナーが悪いという人ももしかしたらいるかもしれない。でも、周りに流されて自分の意思で動けない人より、ずっっとカッコいい生き方だよな。

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