見出し画像

見た目も中身も美しい

山の雑誌『ヒュッテ』(山と渓谷社発行)がすごく好きだったのに、休刊しちゃって残念だ、と私が言った時、本当にやりたいことは『ミューレン』(元・山と渓谷社所属の若菜晃子さん発行のzine)みたいに、zineという形でやるしかないんじゃないかな、と、どちらの発行者とも親交のある方に言われた。

この独立系旅雑誌『LOCKET』を読むと、言われていたのは、こういうことだなと強く納得する。

発行人の内田洋介さんが、デザイン以外の編集・文・写真全て1人で手がけられていて、私は3年前に発行された2号を読んで、若者が1人で作ったなんて、すごい!と感動したのだけど、これは次号の第3号。

2号を読んだあと、山の雑誌で内田さんのお名前を見つけて、進むべくしてそちらの世界に行かれたんだなと思っていたのだけど、巻頭のマニフェストを読むと、とても大変だったみたい。でも、だからこそ、こんなに凝ったブックデザインで、充実の内容が詰まった一冊が生まれたんだなと思う。

万人ウケするように、濃度が薄められたものより、ごく個人的な体験が綴られた方が、胸に響く。

巻頭で書いておられるように、旅は「行かないとわからない」ことがいっぱいで、私もそんなことに触れられた時に、うれしくなるほうなので、この一冊に掲載されたなかなか体験できないような旅行記も、興味津々で読んだ。

オランダで新婚旅行というと、素敵だけど意外と普通?となるけど、なんと自転車とテント泊の旅で、見事に期待を裏切って、いや応えてくれている。

緩急のバランスが抜群によくて、1人で作られているからこそのよさがあるので、このまま突き進んでほしい。

いろいろな生き方があって、自分に合うのはどんな風なのか、旅でいろいろな人に会って話をして、を繰り返しながら、見つけていく。そんなプロセスを追体験させてもらうような感覚もあるから。

#locketmag #zine #リトルプレス #雑誌 #読書


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?