母とおじと幻のおじと

ついさっきまで、母の兄弟と会ってきた。
母には二人の弟がいて、ひとり(長男)は北海道、もうひとり(次男)は都内に住んでいる。ちなみに母、というか私の実家は北関東。
姉弟仲はとても良く、昔から3人で楽しそうに円になって喋っていた。私はひとりっ子なので兄弟の仲というのがよくわからないが、おじのお嫁さんから見ると異様に仲が良い、ということらしい。おばは姉弟3人揃って話している姿を見ると圧倒されてしまう、と言っていた。
今日は母に早急に渡すものがあり、そのついでに「もし良ければ、一緒に夕食を」と誘われて会うことになった。予約した店が狭いので息子と夫はお留守番で、ふたりは夫の実家と外食だった。ありがたい。
 
母実家は老老暮らしをしていた祖父母がそれぞれ別の理由でそれぞれ入院し、とりあえず一段落、そしてこれから介護サービスをどうするか、という課題に直面している。
北海道のおじは少し長めに滞在できるよう、都合をつけて、祖父母の面会と兄弟間での相談をしにきた。
そんな中で私が行って良いものなのかと思ったが、私もおじ二人に会いたかったのではるばる都内まで出た。

やはり姉弟三人が顔を突き合わすと、とにかく喋る喋る喋る。おばが圧倒されたのもわかる。
私も割りと喋る方だが、その私が話せなくなるくらいには3人はエンドレスで話していた。
祖父母のこと、いとこの子供のこと、北海道のこと、昔話、、、とにかく止まらない。
母と北海道のおじは昨日も夜1時までずっと話していたそうだ。

北海道のおじは、私が小学生の頃に会ったっきりで、あとは冬になるとカニを送ってくれたり、じゃがいもを送ってくれたり、姿は分からないが母の弟だ、ということをよく聞いていた。はっきりいってツチノコレベルの幻のおじだった。
それがいとこの結婚式を期に、私の結婚式だったり旅行だったり、色々と用事が重なり2年に1度くらいは会うようになった。 
年々、母と北海道のおじが似てくる。姉弟なんだな、と思う。ふたりは祖父に似てきた。
都内のおじは小さい頃からたくさん面倒を見てもらった。おじというよりうんと年の離れた兄のような人だ。このおじは祖母に似ている。背の高いところは祖父ゆずり。血縁をひしひしと感じる。

3人を見ていると、姉弟(兄弟でも姉妹でも)が羨ましい。私はひとりなので、いつか決断するときは私ひとりだな、と常々感じている。なるべくそのときには夫がいてほしいと思ってしまう。決断するのは私、でもやっぱり相談したいし、拠り所はほしい。
とはいえ、ひとりであるがゆえによかったところは数え切れないくらいある。
なのでひとりっ子できょうだいがいなくてさみしいかと言われれば、確かに羨ましいが、それを苦に思ったことは一度もない。

帰宅した連絡を母にしたら、「結局末弟はこのまま泊まることになりました」と返ってきた。きっと今日も夜遅くまで3人で話し倒すんだろう。





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