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埼玉・行田「電車食堂」で絶品の昭和ナポリタンとお子様電車プレートを食べた

「電車乗りたい」「電車乗りたい」「電車乗りたーーい」

休日だ。何の予定も決まっていない休日がやってきた。

近場の電車も乗り飽きてしまったし、毎週遠出というわけにもいかない。なんとなく宙ぶらりんになってしまっていたある日。

「電車レストラン、行く人ー?」
「…?!?!」

電車に乗りたいとは言ったものの、レストランがくっついてくるとは思いもよらなかった子どもたち。驚いた顔の後に、パッと嬉しそうな顔になって目を輝かせる。子どもには“予想外”がとてもよく効く。

“もうすぐ次男の誕生日”という名目でランチを食べに行くことにした。

車を走らせること30分。募る不安。

場所は自宅と同じ埼玉県内。車で子どもたちとしりとりをしながらお店に向かう。

「かい!」「いか」「えー、また『か』なのー?」
まだ幼稚園生なので2-3文字が多く、こんな返しになってしまうが、案外ラリーが続いた。

しかし、段々と不安になってきた。進んでも進んでも景色が変わらない。走ること30分。田んぼばかりで、お店が現れる気配が全くない。一体、どこに電車が? 

と思っていたら、突然大きな建物が現れた。「ものつくり大学」だった。そして電車の車体も突然現れた。

到着、かつての東武線の車両が…

高架のそばに看板を発見
おぉ、いたぞー

伺ったのは、埼玉県行田市「マスタードシード・電車食堂」さん。こちらにあるのは昔の東武線の車体で、30年前に廃車になった車両が使われている。東武5700系と呼ばれるこの車両は1951年(昭和26年)に生まれ、戦後の特急列車として活躍していたそうだ。

ミモザやパンジーなどが咲くお庭を通りぬけていくと、お店の入り口には踏み切りも。吸い込まれていく電車好きさんたち。

てくてく…

いざ、車内(店内)へ

どうやらL字型に2車両が配置されていて、その車内がお店になっているようだった。扉を開けると、右側の車両はカウンター席、左側の車両はテーブル席と分かれているようだ。私たちはテーブル席の方へ案内してもらった。個室のように衝立てで区切られた席へ向かう。

子どもたちは即決で「お子様電車プレート」。大人はピザとパスタを注文することにした。メニューは洋食、イタリアンが中心。

ピザにポテト、うまい棒に電車チョコまでついてきて大満足のお子様プレート。おまけに、ドリンクのファンタがレトロな瓶で、それも楽しいようだった。

夫はナポリタンが美味しくて大興奮。「ナポリタンが有名な店のやつも食べたけど、それよりうまい!」そうだ。

玉ねぎがとろけるスープ
僕はお誕生日だから、デザートにケーキ♡

車窓と車内と

店内には雑貨が色々と飾ってあり、装飾にも目移りしてしまう。そして、車窓を眺めながら食べる食事には、やっぱり心が躍ってしまう。

先頭の方に進むと「乗務員室」も。

帰りには、お会計でキャンディをもらった。帰りの車内でのお楽しみだね。どこまでも子どもに優しく、楽しいお店だった。

ごちそうさまでした。

この車両が現役だった頃、この子たちはまだ生まれていなかった。本当だったら出会うことはなかった。そう考えると、なんだか不思議な気分になる。

次々と現れる新型車両につい目移りしてしまうけれど、こうやって古き良き列車に思いを馳せるのもまた良いものだ。

昭和と令和が交差するあたたかい空間でお腹いっぱい幸せいっぱい。楽しい休日だった。今度はゆっくりカウンター席にも訪れたい。

・・・

2023.03
埼玉 / 行田


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