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「作品」と「商品」と想いと

セクシー田中さんってどんな話なんだろう、と
さっきちょっと読んでみた。

まだ1巻しか読んでないから軽い感想になってしまうけど
「今時の女性の生き方をすごく理解されてるな」と思った。
そして、主人公は23という設定だけど、彼女の考え方は45歳になる私にも共感できるものがあって、作者の芦原先生はそこをとても喉越しよく描いてくださって
本当に上手な作家さんなんだなと思うと同時に
その力量もさることながら、洞察力が優れてるんだろうなと思った。

元々、漫画家になるような人って、リーダータイプではなく
横から静かに観察してるタイプというか
そこでいろんなことを自分なりに想い、反芻するタイプが多いんじゃないだろうかと自分を振り返りながら思う。

私も小さい頃は漫画家を目指してはいたけど、なれなかった人なので。

本当に、先生のご冥福をお祈りします。

そして、この度の脚本家と原作者をめぐる対立について
毎日のように書き込みを見てて、
脚本家のようなアレンジを仕事とする人にとって
原作というのはあくまでも「作品」ではなく
「商品」なんだろうなと。

自分もデザイナーなので、お客様の広報物を作るときには
自分の子を産むような気持ちで向かい合ってます。
褒めてくれる人もいれば、その後平気で
雑に2次使用する人もいて、それを見つけた時は
本当にイラッとします。

でも、2次使用の権利問題は置いといて
お客さんにとってはそれはお金を払った「商品」だから
仕方ないよね、とも思う時もあります。

よく、「デザイナーだから簡単にパッと作ってよ」
みたいなことを言われるのですが、簡単にものを作れるほど
ものづくりって簡単じゃないのです。

でも作らない人にはそれが分からないので
この人なら簡単にできると思われてしまうのですが
はっきりいうとそれは、ものづくりへの軽視で、
非常に偏差値の低い発言だと思っています。
人として、相手に向き合う前に少し調べようよ、みたいな。

で、それは置いといて、
それでも、お金を払って何か作品を買えばそれは商品になります。

きっと原作者の方には
何がしかの対価が支払われていると思うのですが
今回の問題って原作はすでに商品だから何してもいいよね、みたいな考えが
あったんではないかと思うのです。

んで、今回のドラマの関係者はそれをヒットさせることがミッションではあるので
これまでの成功パターンや、フレームに乗せてヒットにする確率を上げる作業をするわけで、でもそのためには「商品」を刻んでみたり、他の具材と炒めてみたりするわけで、それが、私だったら耐えられないなと想いつつ、でも、商品だから仕方ないよねと言い聞かせるしかなくて、切ない行程だなと思うのです。

一番は「悪いようにしない」と言いつつ、それを裏切る行為をされた時。

私も勝手に2次使用しないでと言っても、する人はするのでそれは本当に心を痛めます。

でも、お金をもらったらそれは「商品」だから仕方ないんです。
と、言い聞かせるしかない。

でもね、ものづくりって、
教室の隅で、人を観察してたような子が
大人になってその洞察力を生かして、苦労して生み出してるんです。

だから作品は商品であっても
作り手の想いそのものなんです。

だから、そこをわかって欲しいなと想いつつ、
まぁ、そうじゃない側の人にはわかんないんだろうなと想いながら
これからも生きていくんですけどね。

と、仕事から逃げながら思う今日この頃でした。

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