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【スイスにあるイギリス!?】スイス・ジュネーヴにあるヴィクトリアホールとは

今回は、スイスのジュネーヴにある、イギリスの女王の名前を取った”ヴィクトリアホール”というコンサートホールについて取り上げる。

前回の記事で、イギリスで開催される世界最大級の音楽祭・BBCプロムスロイヤル・アルバート・ホールについて取り上げたが、ホールの名前の由来となったアルバートは、ヴィクトリア女王の夫であった。

また、筆者が実際に訪れたコンサートで使用されたピアノは、ヴィクトリア女王が使用していたとされる「黄金のピアノ」であったことから、今回スイス・ジュネーヴで見つけたこの”ヴィクトリアホール”について、書かない訳にはいかなかったのである。

ジュネーヴの街についてや他の劇場についても少し触れながら、現地からのレポート形式でお届けする。


ジュネーヴの街

スイス西部の都市・ジュネーヴは、チューリヒに次ぎスイス第二の都市。
スイス国内では、公用語としてドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語が話されるが、ジュネーヴはフランス語圏である。


国連や世界保健機関、赤十字国際委員会などの国際機関や金融業が発達している面がある一方、

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歴史ある街並みと中心地にある広大なレマン湖という美しい湖が印象的な街である。

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スイス最大規模のジュネーヴ大劇場

ジュネーヴには、ジュネーヴ大劇場という、スイスで一番広い舞台を持つオペラハウスがある。

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1876年に開館され、1951年には一度火災が起こったそうだが、1962年に再開館された。以前に記事で取り上げたイタリア・ヴェネツィアのフェニーチェ劇場も、度重なる火災を乗り越えたそうなので、劇場は火災に見舞われる運命なのだろうか…。


筆者が訪れたのは週末の午前中で、オペラ公演もない日だったので、残念ながら中に入ることはできなかったが、外観を見て楽しむことができた。

こちらが劇場の正面。歴史を感じるエレガントな建築である。

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少し近づいて見てみると、左側に"Tragedie"、右側に"Comédie"と書いてある。それぞれ"悲劇"、"喜劇"の意味なのだが、

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さらに近づいてみると、"Tragedie(悲劇)"と、"Comédie(喜劇)"で建物の装飾の顔に違いがあることに気づいた。

"Tragedie(悲劇)"は悲しい顔、

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"Comédie(喜劇)"は笑っている顔である。

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もし、劇場の中に入っていたならば、こんなにも外観をよく見なかったかもしれないが、思いがけない発見であった。


劇場の脇には、公演ポスターが貼ってあった。筆者が住んでいるイタリアの劇場と比べると、デザインがかなり現代的で、その違いを見るのはとても興味深かった。

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(ジュネーヴ大劇場のポスター)

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(イタリア・ミラノ・スカラ座の公演ミニポスター)


イギリス女王の名前を取ったヴィクトリアホール

次にご紹介するのは、オペラではなくコンサートを中心に公演が行われることが多いヴィクトリアホール。筆者がジュネーヴを訪れた際に、コンサートを鑑賞することができたので、当日の様子をレポートしつつ、ご紹介していこうと思う。

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1894年に建てられたこのコンサートホールは、当時の在ジュネーヴ英国領事官であったDaniel Fitzgerald Packenham Bartonが、ホールの名前にもなった当時のイギリスのヴィクトリア女王とジュネーヴの街へ贈ったものであった。正面入り口から入ってすぐのロビーには、ヴィクトリア女王の肖像画が飾ってある。

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コンサートは、ヴァイオリンのソリストとL'Orchestre de Chambre de Genève (略称L'OCG、ジュネーヴ室内管弦楽団)の演奏。当初は、ヴァイオリンのソリストではなく、合唱団が出演する予定であったそうだが、新型コロナの影響で出演者が変更になった。急遽の決定であったようだが、とても洗練されたデザインのプログラムが用意されていた。

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こちらは、今シーズンのコンサート一覧の冊子。

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ヴィクトリアホールを本拠地とするオーケストラは、このL'OCGのほかに、Orchestre de la Suisse Romande(略称OSR、スイス・ロマンド管弦楽団)があり、2012年から日本人指揮者の山田和樹氏が首席客演指揮者となっている。



階段をのぼり、

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中へ入ってみると、

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なんとも美しいコンサートホール内!

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会場の前方にはイギリスの国章、

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後方にはジュネーヴの街の紋章があった。

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なんとこの劇場も1984年に火災に見舞われたというから驚きである。言われなければわからないほど、修復がしっかりされていて、その技術に感動した。

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コンサートは、約1時間40分ほどのプログラムで、前半はヴァイオリンのソリストとオーケストラ、後半はオーケストラのみの演奏であった。新型コロナの影響で、客席は間隔を空けてまばらではあったものの、観客からの反応がとても良く、会場全体でとても一体感があった。

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終演後に会場の後方から。

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終わりに

いかがだっただろうか?
今回は、現地からのレポート形式という形で、”ヴィクトリアホール”をご紹介した。筆者がこのコンサートホールを見つけたのは偶然であったが、思いがけずイギリス王室との関わりや前回の記事との関わりもあり、興味深かった。

コンサートを訪れる際、演奏を楽しむことはもちろんなのだが、コンサートホールの歴史なども少し頭に入れておくと、より一層楽しめるのかもしれない。


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イタリア・ミラノ在住/ソプラノ歌手/三重県桑名市出身/国立音楽大学声楽科卒業/ミラノ市立音楽院・ミラノ大学在学中/毎月20日にイタリアでの生活やヨーロッパでの音楽・文化の情報を配信します! https://www.yumishimizu.com