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第14回 小麦の落とし穴

2024年4月1日

健康と美容、栄養、ウェルエイジングを専門としている内科美容皮膚科医 中島由美です。

早いもので4月に入りました。
お花見シーズンとなりますが、気温の変化が激しいので体調管理に気をつけてくださいね。

食事に対する記事が続きますが、食事・栄養は私の診察でとても大切にしていることで、内科・皮膚科・アレルギー科に来られている患者さんほぼ全員に栄養カウンセリングを無料でしています。

皆さまは普段どのような食生活をされていますか?
朝、昼、晩の食事の内容と量は?
間食は?
飲み物は?

この質問を必ず初診に患者さんに聞きますが、ほとんどの方が適当な食生活を送られています。朝はパンやコーンフレークの牛乳かけ。
昼はハンバーガー、ラーメン、うどん。
夜はピザ、パスタ、カレー。

もう小麦のオンパレードです。
そう、小麦は簡単にお腹を満たしてくれるし、もちもち弾力があっておいしい。
でも私たちのほとんどは遅延型アレルギー(第9回参照)に小麦があり、小麦は腸粘膜に負担をかけてリーキーガット症候群(第12回参照)から様々な不調を引き起こします。

コーヒーとドーナツで有名なお店で働いている20代の患者さんが診察に来られました。
「いつも疲れている、気分が落ち込み全くやる気が出ない、不安感があり落ち着かない、夜も眠れない」と訴えがあり精神科に行こうか迷っていると相談がありました。食生活を聞くと、朝昼晩、毎食お店のコーヒーとドーナツしか食べていなかったそうです。数ヶ月前までは元気で、コーヒー屋さんに転職してから徐々に体調がおかしくなったとのことでした。精神科に行く前に、「食生活を改善しましょう。ドーナツや小麦製品はしっかり抜いて肉・魚・豆類のタンパク質をしっかり摂ってください。朝から飲むコーヒーも交感神経を1日刺激するのでやめましょう。」と伝えました。
2週間後、「今までの不調が嘘みたいに体調が良くなりました。疲れや不眠もなくなり、不安感も消えました。」と笑顔で報告してくれました。

この方のように、小麦を食べ過ぎている方は一度しっかり2~3週間ほど小麦を抜いてあげることがとても大事です。小麦は中毒性があるので普段から食べていると、もっともっと欲しくなります。
自分でこのサイクルを切らないとなかなか小麦中毒から抜け出せません。

かくいう私も以前は小麦中毒で、何も考えず美味しいからという理由だけで毎日、ほぼ毎食小麦を食べていました。ずっと食べている時は何も不都合はないように感じていましたが、今思えば体重が10kg増えたり、いつも疲れて薬ばかり飲んでいました。ある時小麦の害を知り2週間小麦を抜いてみました。すると、今まで気がつかなかった頭のモヤ、視界のモヤがスッキリ晴れて、体が軽いのです。体重も減りましたが、体重だけではない動きやすい軽やかな体になったのです。気持ちも晴れやか、気分まで軽やかになりました。ここまでデトックスできると、小麦をまた食べて元に戻りたくないな、と思ってきます。実は小麦を抜いて1ヶ月後、以前から予約してあった小麦メインの料理教室に行きました。パン、パスタ、ケーキ全て自分で作って食べるコースです。先生の前で残すのも悪いので、恐る恐る全部食べました。その帰り道、目はチカチカ、頭はぼーっとして、体はちくちく痒く、一気に体がむくんだ感じがしました。この症状が完全に取れるまで3日はかかったと思います。今まで小麦中心の生活をしていたのに何も感じていなかったのも、また怖いと思いました。

自分で色々試してみるのは、自分の体を知るということにつながります。
小麦を抜いた生活、試してみてはいかがでしょうか。
今までの不調がスッキリ解決!となるかもしれません。


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