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やっちゃったときは口に出す

広島・尾道へプチツアーをしたあと、2日間の休みを計画していた。週末イベントをやったあと、そのまま東京に戻って仕事ウィークに突入すると、2週間休みなしとかになってしまうから、最近は気をつけて休みを差し挟むようにしているのです。

まずは、私が下積み時代にめっちゃお世話になったねえさんを米子に訪ね、魚市場でランチをし、食材とお酒を買い込んで、一晩ダラダラし、翌日は、彼女とともに、大山の麓の林の中に、住居とアトリエとショップ(のようなもの)「ヒュッテ」を建てて暮らしているOlaibi Aiちゃんを訪ねた。

Aiちゃんとは、何年か前に共通の知り合いの紹介でニューヨークで知り合い、それから交流が続いていて、彼女の「みみはわす」というソロアルバムに文章を寄せたりもした。彼女が暮らす場所に、前からずっと行きたい、行きたいと思いながら、なかなかそちらの方面に行くチャンスがなく、ついに実現したのである。

途中、温泉に立ち寄ってから到着したら、Aiちゃんが、おかずいっぱいの「手巻き寿司」ならぬ「生春巻きパーティ」セットを用意してくれていた。陽が少しずつ暮れるのを楽しみながら、この場所に暮らしていることについて聞きたかったことを、時間をかけて聞いた。自分の周りの時間の流れ方が変わるのがわかる。

Aiちゃんたちが建てた小さな小屋で夜を過ごした。大山には、見たことのない虫がたくさんいた。夜中オーケストラのように鳴き続けるのだが、これが時間帯によって変わるのである。その様子があまりに美しくて、眠るのが悔しいくらいだった。

あまりにリラックスしすぎて、自分のネジが緩んだのか、途中、wifi端末の姿が見えなくなって、それを何分もかけて探したと思ったら、出発したあとに、レンタカーの鍵の姿が見えなくて、とはいえ車は動くので、車中をくまなく探すのにまた何分も費やした。

自分はいつも探しものをしている。持っているものの管理が悪いのである。せっかくの素晴らしい旅の最中に探しものをする羽目になるとは、と自分を呪いつつ、最後は見つかったので結果オーライ。

ところが。

リラックスついでに、東京に戻る途上で、なんとバックパックをモノレールに忘れてきた。すぐに電話をしたのだが、タッチの差で、忘れ物係の営業時間が終わっていた。おまけにバックパックの中には、パスポートが入っている。出てこなかったら、いろいろ面倒なことになる展開である。再び「こんな人生もうやめたい!」と自分を呪いながら、一晩を過ごし、翌日、営業開始の9時きっかりに電話をしたら、羽田にあるという。

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