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クリエイティブってなんだろう

ちょっと前に聞かれた質問で、ずっと考えているものがある。
「クリエティブってどういうことでしょう?」
そのときは、「オリジナルであること」と答えた。

その日のトークには、「クリエイティブマインドとビジネス」というタイトルがついていた。NUMEROに出た編集長の田中杏子さんとの対談を見て、資金調達や組織づくりを主なテーマとするイベント#meetalkから、杏子さん一緒に公開トークに招待されたのだった。他の内容やスピーカー陣の顔ぶれを見ると、確かに少なくとも杏子さんは、クリエティブとビジネスというテーマを語るには最適な人であるが、果たして自分に、クリエイティブを語る資格があるのだろうか。

私に、クリエイティブについて資格があるかの答えがイエスだとしたら、その理由は、自分がクリエイティブだからではなく、デザイン、ファッション、アート、シネマといったたくさんの「クリエイティブ」な分野の人たちと共作したり、彼らを取材してきたから、ということにほかならない。

世の中、クリエイティブと呼ばれる職業の人たちがたくさんいる。デザイン、ファッション、アートといったガチにクリエイティブな業界で、ガチに表現の仕事をしている人もいれば、コマーシャルの世界にクリエイティビティをもたらす職業の人もいる。そしてその他、クリエイティブという形容詞がふわっとついてる人もいる。けれど真の意味で、クリエイティブという人は実はとても少ない。

クリエイティブという言葉は日本語にすると「独創的である」「創造力がある」ということになる。ところが、クリエイティブを自認する人たちが作っている物がクリエイティブとは限らないのだ。

それで、改めて、「クリエイティブとはどういうことか」を考えた。

私にとってクリエイティブであるということは、まだ誰もやっていないことをやること、そして、時代や世の中に対する反応という要素を持っているか、ということである。

自分が職業人になる前に、自分のことを「クリエイティブだ」と思ったことはなかったし、そこを目指そうという意識もそれほどなかったと思う。ただ、雑誌の世界に入って、自分の仕事の軸のひとつが「イケてるものを発見して、紹介する」ということに(ほとんど偶発的に)なったために、クリエイティブな物を見分けるスキルを身に着けなければならなくなった。

これはなかなかシビアな問題である。自分が紹介したものや人、ストーリーが偽物であることがあとでわかったる、というようなことは、できれば避けたい。だから、今、紹介しようと考えている事象には、それだけの力があるだろうかと、毎回真剣に考えなければならないのだ。

生まれつきクリエイティブでないタイプの人間が、どうやってこうしたスキルを身につけることができたのかを思い出してみると、そこにはいくつかの教訓があった。それを思い出してみた。

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