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佐久間裕美子のMyLittleNewYorkTimes

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書籍化したMy Little New York Timesから1年前の今日の日記と今年の日記を対にして不定期にお届けします。
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2020年4月の記事一覧

4月29日 アメリカ政府から中小企業への補償

アンクル・サムから2度目の振り込みがあった。1度目は、個人の口座に1200ドルの現金が。今日あった2度目の振り込みは、会社の口座に。3月、4月の仕事がなくなった時点で、中小企業が申請できる支援に申し込んでおいたのが、最初の予算があっという間になくなり、さらに先日の法案通過で、資金が注入されたことで、振り込まれたらしい。今回、中小企業が申請できる補償のタイプは2つある。ひとつめは、今日うちの会社が受け取ったEconomic Injury Disaster Loanと呼ばれるもの

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4月28日 コロナ時代の労働運動

ニューヨークでは自分の周りにいわゆる会社員という人たちがほとんど存在しないので、初期のパニック症状みたいなものは、失業保険やらなにやらで一応落ち着いた感があったのだが、トレーナーの友人と話していたら「ついに会社務めのクライアントたちが焦り始めたみたい」というので調べてみると、早速、レイオフやらペイカットやらが始まっている。このフェーズはしばらく続くだろう。 今、仕事に出ている人たちが、5月1日にストライキを計画しているのだという。Amazon やWalmart、Fedexな

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4月27日 ニューヨークの未来を想像する

この7週間、山の中で隔離しながら、自分が21年住んだニューヨークの様子をデジタル回線を通じて知る、という生活をしてきたが、諸事情あって、急にブルックリンに一瞬戻ることになった。 ちょうど連絡を取っていた近所の住人ジュディにそれを告げると、「ソーシャル・ディスタンシング・デートしよう!」と返事があった。 マンハッタンを通過して、ブルックリンに入る。天気の悪い平日の朝、街は完全に死んでいる、仕事場とアパートでそれぞれ用事を済ませ、車に荷物を積み込んだ。外に出ているのは、買い物

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4月26日 ニューヨークの愛すべきレストランたちのこと

*過去2日間、日付が1日ずつずれていたので修正しました。 今回の数あるハートブレイクの中で、とても胸が痛むことのひとつに、ニューヨークの外食業界というものが、今、先が見えないまま完全に一時停止している、ということがある。コロナウィルスのトンネルを抜けたとき、ニューヨーカーたちが愛してやまないレストランたちが、コロナ以前と同じように、そこに私たちを待っていてくれるかどうかはわからない。 多くのレストランが、従業員をレイオフして、扉を閉めた。永久に閉じる店もある。Lucky

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4月25日 コロナ時代の孤独問題

ポッドキャスト「こんにちは未来」で、たびたび話題にしてきた問題のひとつに、これからの大きな社会課題となるであろう、現代人の孤独の問題がある。特に欧米では、若者からお年寄りまで、シングル人口が増えるとともに、孤独が都会人たちのメンタルヘルスの負荷になっていることを示す研究結果が様々な形で発表されており、「これからは、都会に暮らす人たちの孤独とメンタルヘルスが行政の問題になる」と話題にしてきたのである。 孤独は、人間の精神にストレスをかけ、睡眠や食欲を不安定にしたりすることによ

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4月24日

今日は、インスタグラム・ライブを2つやった。朝(日本時間夜)は上海に暮らす日本人男性3人(山田明宏さん、佐々木真弥さん、梅田将明さん)と、そして夜(日本時間朝)はニュージーランドに暮らす四角大輔さんと。 いろんな場所で暮らしている人たちからリアルなコロナ生活について聞く、という企画であるが、「上海におもしろい男がいる」とtoeの山嵜廣和さん(やまちゃん)が紹介してくれたのが、梅田さんで、彼がお友達に声をかけてくれて初めて集団ライブというものをやることになった。 ちなみに中

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4月23日 NY州の抗体検査

ニューヨーク州で始まった抗体検査の結果が話題になっている。 第一弾の3000人の検査は、スーパーマーケットや小売の外で、ニューヨーク市を含む、62郡あるうちの19郡で行われたという。3000人のうち、抗体が確認されたのは、約14%であるという。 この数字は、「かかっていたけれど気が付かなかった」という人たちの数がこれまで信じられていたより多かった、ということを示している。ところが、抗体検査、というものにまつわるわかりづらさと、読解力のない人たちのおかげで、14%もいる!と

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4月22日 経済再開への道2

同居人が、電話で「あいつら、経済を再開するつもりだ」と怒っているのが聞こえる。あいつら、というのは、ジョージア州やラスベガス市の話だ。 「俺たちがこうやって、仕事に行かずに我慢していることが、無意味になる」 ここ数日、各地で開かれたロックダウンに対する抗議集会の映像を見て、ソーシャルディスタンシングも、マスクもしていない群衆が「経済を再開しろ!」とがなり立ているのを見てぞぞーっと背筋を凍らせていたわけであるが(↓この記事に写真がたくさん出ています)、 その裏では、トラン

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4月21日 コロナ時代とグリーンカード

今日の最大のニュースは、「トランプ大統領が移民法の実施を停止」だった。ブレイキングニュースには、"suspend immigration"という文言がおもに使われていたが、その後、コロナ以降、人の移動ができなくなったことで人手不足に苦しむ業界から強い抗議を受けて、要はグリーンカードの給付を一時停止する、ということに落ち着きそうなのだが、大統領にこの措置を取る法的権限があるのかどうかを、これから司法省が検討するのだという。多くの人が影響を受けることなだけに、普通だったら、合憲か

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日記:4月20日 経済再開の形

州ごとの自治性と地域性が強いアメリカでは、各州が、そろそろとロックダウン以降のシナリオを描き始めているのだが、外出と移動が許可された武漢の様子などからだんだん見えてきたのは、ある日突然、もとの生活に戻るという可能性はほぼ皆無で、段階的にそろりそろりと少しずつ、外に出る人の数が増えていく、という未来予想図である。 コロナウィルスの初期から、ニューヨーク・タイムズ紙ドナルド・マクニールというサイエンス・リポーターの記事をずっと読んできたのだが、最近の記事を読んでいたら、再開の形

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日記:4月19日

朝からインスタライブを2本やりました。 一本目は、イギリスのクラーク志織さんに、ロックダウンが始まってから皮肉にも天気がいいというロンドンの様子を伺いました。 元首がコロナウィルスに感染した国第一号になったイギリスだが、ボリス・ジョンソンの感染演説には、この人、こういうのできるんだ、と感心した気持ちになったが、回復した今になって、1月2月にコロナを真剣に受け止めずに会議に出なかったことなどが問題になっている。 このあとどう舵取りをするのかが気になるところです。 2本目

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日記:4月18日 コロナ時代の動物の話題

連邦政府と州政府、ホワイトハウスと議会のゴタゴタについてのニュース、マスクも着用せず、ソーシャルディスタンスもせずに外出自粛に抗議する集会をやっている人たちの姿を見てやきもきした以外はいたって平和な1日だった。 起きて、Blockfesを堪能し、 One Worldを堪能し、 今、隔離生活を送っている人々のために多くのフリーコンテンツが充実しすぎて、時間が足りない。うっ。 ところで、コロナウィルスによって経済活動が大幅に縮小されてから、環境に対する負担が減り、動物たち

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4月17日 最近のジャパンの評判

そういえば2,3日前に、連邦政府からの援助金が無事に振り込まれておりました。自動車の保険も、20%還元してくれるらしい。交通量が減って、事故も減っているから。資本主義がうまく機能したなという数少ない例である。 ところで、数日前に、安倍首相が「わが国の支援は世界で最も手厚い」と発言しているのを見て、側近たちは、海外のニュースをブリーフィングしたりしないのだろうかと絶句したのは私だけではないはずだ。 そういえば、コロナウィルスはグローバルな問題という空気感が強いなか、まったく

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日記4月16日 団結から分断へ

まあ最初から完全に団結していたわけではないのはわかっていたが、コロナウィルスを抑え込むためにできていた団結のムードの背後から、分断のマグマが流れ出てきました。Stay-home-orderを敷いたミシガン州では、州都ランシングに、外出禁止に抗議する人たちが集まり、救急車の通行や病院の入口を妨げる展開になっていた。ここのところ、ティーパーティ系のみなさんが「自由を侵害されている!」とフガフガ怒っている。そして、そこにプラウド・ボーイズ(テロ組織指定された極右の白人プライド集団)

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