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日記4月16日 団結から分断へ

まあ最初から完全に団結していたわけではないのはわかっていたが、コロナウィルスを抑え込むためにできていた団結のムードの背後から、分断のマグマが流れ出てきました。Stay-home-orderを敷いたミシガン州では、州都ランシングに、外出禁止に抗議する人たちが集まり、救急車の通行や病院の入口を妨げる展開になっていた。ここのところ、ティーパーティ系のみなさんが「自由を侵害されている!」とフガフガ怒っている。そして、そこにプラウド・ボーイズ(テロ組織指定された極右の白人プライド集団)の武装した若者の姿なども見えたりして、いつものことだとはいえ、マスクや手袋をせずに銃を構える姿に、バカか、という言葉しか思いつかない。

わりと早い段階で危機的な状況に陥りそうになったのに、民主党の知事が強いリーダーシップを発揮して、状況を好転させたオハイオ州では、5月1日に経済の再開を開始するという。カリフォルニアも、段階的な再開に向けて青写真を描き始めている。ニューヨークは、今日「少なくとも5月15日までは現状維持」と発表があった。

トランプは、自分が責任を追求されるようになると、その矛先を次々とシフトさせていく。しばらく中国だった怒りの矛先は、今WHOに向いている。

米中関係はこれまでになく悪くなっている。タイムスやウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなどのジャーナリストたちが国外退去を命じられて、アメリカ人は現地から報道することが難しくなる。

中国政府による「ウィルスは実は海外から来たのではないか」というプロパガンダ作戦が本当にうまくいっているのだとすると、中国政府は求心力を強める。そうなれば、中国と他国、特にアメリカとの関係は、もう元には戻らないだろう。


グローバルのパンデミックでありながら、多くの国は、自国の国民を守るので精一杯で、今、3Mの商品が中国で足止めを食らっていることなどを見ても、不可欠な物資はそれぞれが自国で調達できる状況に近づけることが理想なのだと痛感する。

アパレルから機械まで、私たちの世界に存在するものの大半が中国製になって久しい。「メイド・イン・チャイナは悪なのか」というテーマは、自分が考え続けてきたことでもあるし、自分の生活からは中国製のものを排除しようと努力してきたが、近年、それもどんどん難しくなってきていた。きっとこの状況も、これから抜本的に変わるのだろう。中国の製造業に依存してきたことのツケが回ってきたことは明らかだけれど、一度進んだ時計の針を戻すのは簡単なことではない。


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