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モロッコ旅⑭ 〜メルズーガ大砂丘・ノマド編〜

【前回の記事】

12月31日、ついにメルズーガ大砂丘にやってきた!素晴らしい景色をカメラに収めてきたのでぜひ見て頂きたい。

【ショートツアーに出発】

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(ホテルの内庭)

朝10時、それでは早速出発しよう。

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(ホテルの目の前の景色)

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数台の列になって進む。

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まず立ち寄ったのはノマドと呼ばれる人たちの家だ。左奥に小さく砂丘が写っている!

【ノマドの家】

スタバでMacBookを開いて仕事をしている方たちをノマドワーカーと呼ふが、その語源になった方々。

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(ノマドのお母さん。お隣は私たちのドライバー)

 ・キッチン

キッチンを見せてくれた。私たちにお茶を出してくれるそうでお湯を沸かしてくれる。

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日干しレンガの家だ。かまどは粘土で作られている。

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皆さんはOHOLというゲームをご存知だろうか。one hour one life頭文字でOHOLなのだが、とても面白いゲームだった。携帯版の方は今は名前が変わりYou are hope(ゆあほぷ)となった。一時期、私たち夫婦は2人揃ってこのゲームにどハマりし、週末にゲームしまくっていた。

街作り系のこのゲームの最大の特徴は、赤ちゃんとしてまず生まれると1分で1年歳をとり、60歳になると寿命で亡くなるという事。赤ちゃんの頃は他の人に抱っこをしてもらわないと死んでしまう。女性は年頃になると子供が生まれる。男の人はだんだんハゲてくる。そして高齢になると体力が減っていき病気で亡くなるリスクも高くなる。そして60歳を迎えて老衰で亡くなる。

細かいルールは沢山あるのだが、餓死しないように食料を得ながら、1サイクルの1時間の間でみんなで協力をして村を発展させていこうね!というゲームだ。

ノマドの方々の使っているかまどや家がまさに、ゲームそのままだったのでとても興奮した。吹子、石の手斧の道具なども、リアルで見ることになるとは!

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(ドライバーのハッサン、ハイテンション男)

 ・お茶を頂く

お母さんがお茶を入れてくれたのだが、その入れ方がとても独特で興味深い。

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ポットの中には紅茶が入っている。高いところからコップに注ぎ入れ、それをまたポットに戻し、またグラスに注ぎ入れ…5回くらい繰り返していた。

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(コップからポットに戻している様子)

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甘めのお茶、香りが良く美味しかった。ハッサンは朝から何も食べて無かったようで、ナッツをぱくぱく食べていた。

そういえば、ハッサンに車の中でポルトガルのコーヒー飴をあげたら喜んでいた。

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お母さんの爪が可愛くなっていた。ヘマのマニキュア、ヘマとはタトゥーをするための顔料の原材料。肌に塗ると2週間程度、色が残るそうだ。

お茶を頂き、お話しをしてトータル30分程の滞在だったがとても特別な体験だった。

【反省点、後から気付いたこと。】

結論からいうと、この家族はいわゆる観光部族だろう。多分、ここは実際に住む為の家では無いと思う。キッチンには毎日使っているような形跡が無い様に、その他の所にもあまり生活感が無かった。

 ・本物のノマドの人たち

前日にアトラス山脈越えをしている時にもノマド族の生活の様子を見ることができた。その事をnoteの記事にしていないのは写真を撮らなかったからなのだが、チップなどでのトラブルを避けるために写真は撮らなかった。カメラすら出さなかった。

なだらかな渓谷のような地形で小さな川が流れていた。彼らは本当にそこに住んでいる人たちで、その集落には4家族いたと思う。テントは修復が何度もされている形跡があり、色んな素材でつぎはぎされていた。家の周りには工具や調理容器がぶら下がっていて、手押し車が置いてあったり、生活感の塊だった。そして、その辺りには沢山の生活ゴミが捨ててあって、言葉を選ばずに言うととても不潔だった。いつまでも風化しないプラスチックの色鮮やかなこと。

でも、これがリアルなんだと思った。先進国は隅々までインフラが整っていて、ゴミ収集されない場所など無い。生活排水がそのまま川に流される事もほとんど無いだろう。だが発展途上国のリアルはこっちだ。

あと彼らの家の屋根には太陽光発電のソーラーパネルが設置してあって、すでに携帯電話が普及しているのだ。ちなみに、今日のお母さんも初期のガラケーの様な携帯電話を持っていたのだが、(Pのパカパカみたいな形だった。分かる方いらっしゃいますか?笑)家の屋根にはソーラーパネルがあったのだろうか。

私たちが彼らの家を遠目で見ていると、すぐに数人が近寄ってきてマダム、マダムと言いながら手を出してきた。チップをせがまれているのだが、たまたまその時、ポケットに小銭が無かったため渡せなかった。だから、写真を撮らなかったのだが、きっと少額の(3〜500円程度)チップを渡せば家の中も見せてくれたと思う。しかし私たちはすぐに車に戻った、そんな事があった。

この経験から、今日訪ねたノマドさんは観光部族だろうなと思った。でも、私が言いたい事は観光部族が良いとか悪いとかってことではない。

 ・お母さんの過去

お母さんは子供が4人いらして、もう皆んな成人しているそうだが、息子さんは街で働いているそうだ。旦那さんは早くに亡くなっていると教えてくれた。

イスラム教の国は日本よりも男尊女卑が激しい。西洋の文化を基準として使われる男尊女卑という表現は合っていないのかもしれないが、イスラムの国では基本的に男性が家庭を養い、女性が家庭を守るシステムだ。当然、女性が社会に出ることは難しく、その為にも一夫多妻制(妻は4人まで)が認められている。そのような社会の中で、再婚もせず女手一つで家族を守るのは大変なご苦労だったと思う。

これは完全な想像ではあるのだが、色んな事情を抱えつつ、安定的な仕事に就けない方が観光部族になったりするんだろうなと思っていた。

 ・いつも付きまとうチップ問題

少し話を今日の出来事に戻したい。ここに寄る前にドライバーのハッサンにお茶飲む?お金は要らないよ。と言われて、喜んでお母さんにお茶を頂いた。そもそも日程表にもノマド族の家に寄りお茶を飲むと明記してあった。通常通りのコースなのでこのお茶代は、私たちが既に支払っているツアー代金に含まれている事になっている。

その上でお茶を頂き、お礼を言う際に一応気持ちばかりのチップを渡した。その額は1人10ディルハムずつ30ディルハム(330円)だったのだが、渡した時にお母さんが切ない顔をされた気がした。

私だけかな?と思ったのだが、私たち3人全員が同じ事を思っていたと後々に話してわかった。私たちの結論は100ディルハムくらい渡せば良かったと、今でも後悔している。

 ・結論

私が未熟であったと思う点は、モロッコの観光業システムを理解できておらず、しっかりとおもてなしをしてくれたお母さんにお代を払えなかった事だ。きっとお母さんは観光客からのチップで生活されてる方だったのだろう。

私たちがツアー代として払ったお金のうち、幾らドライバーさんやノマドのお母さんたちに渡っているのか全く分からないが、きちんと分配されてるとは到底思えない。日本のツアー会社、モロッコのツアー会社、車を手配する会社、現地スタッフ…色んな機関が絡んでくるにつれ、(私たちが支払った)お金の流れはなあなあになってしまうのだろう。

今日、ドライバーを務めてくれたハッサンには100 ディルハムのチップを渡した。これはしおりにチップ金額の目安が書いてあって、それに従ってお支払いすれば良い。だが、お母さんのような細かい所までは書いていないので、そもそも相場が分からなかった。

それに最初にハッサンから、お金は要らないよと言われていたので、それに従ったのだが…。うがった見方をすれば、もしかしたらハッサンはより多くのチップを自分がもらう為に、このお母さんには渡さなくて良いと言ったのかもしれない。

本当のところは全く分からないのだが、もし万が一にこのお母さんには私たちが渡した30ディルハムしか支払われていなかったら…?私たちは凄い後悔を感じてしまった。

どこの社会でも末端の人たちが1番苦労をするんだなと嫌気がさしたし、この事を理解していればこんな後悔もしなかったのになと考えている。

金額にして1人あたり400円弱の話だ。渡せば良かった、100 ディルハム札。

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