私と小鳥と鈴と - 金子みすゞ スペイン語と日本語による詩の朗読 ー在スペイン日本大使館より

2020年の秋、スペインの日本大使館から、金子みすゞさんの詩の朗読「私と小鳥と鈴と」、「草の名」、「不思議」、「日の光」、「小さな朝顔」がスペイン語と日本語で配信されました。

昨年、ロックダウン期間中、スペインの新聞「infoLibre」では、『こだまでしょうか』というコラムが、みすゞさんの詩とともに掲載されています。

とても強いメッセージだったので、一部ですが、日本語に訳してみました。

「感染病によるこの今のスペインの状況は、2011年の東日本大震災とその後の津波による悲劇に通じるものを思わせる。たくさんの人が死に、人々は苦しみ、幸せが壊れた。

2011年の悲劇の中、みすゞのこだまに人々は包まれながら、その国で起きた現実は変わらず、地震はなかったことにはならず、痛みは消えなかった。

「名のない草のお宿をするよ」と謳うみすゞの詩。今、拠り所となるその場所を、私たちは探している。けれど、私たちの現実は変わることはない。死は消えない。失った家族は戻らない。未来への不安も消えることはない。

でもその時、みすゞの言葉は確かに私たちの拠り所となった。そして今日もまた、そうなるにちがいない。詩で、静寂で、笑顔で、音楽で、傷ついた心を癒すのはとても大切なこと。友人がくれたみすゞの詩の言葉。それは沈黙の声だったけれど、今日、こだまになってここへ届いた。」


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金子みすゞさんの詩は、この大変な状況下のスペインの人たちにも、こだまとなって響いているのですね。

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