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人事のことが知り「対話」

今度の勤評、異動希望書いた?
どうせ叶わないから書かないよ
人事課はきっと読んでもいないだろうから
読まないし叶わないなら
どうして希望を書かせるのかしら
#ジブリで学ぶ自治体財政
 
前回の投稿から1か月以上インターバルが開いてしまいましたが、別に記事内容にクレームがついたわけでも、創作意欲が尽きて筆を折ったわけでもありません。単なる執筆時間不足ですのでご心配なく(笑)
 
3月から4月にかけて人事異動や評価に関するテーマでいくつか書きました。
それって「自治体財政よもやま話」じゃねえじゃん、というツッコミがあろうかと思いますが、さにあらず。
実は私がこんなに人事系のことに一家言あるのは私が財政課長だったという経歴にその所以があるのです。
財政課の仕事は、限られた財源を市民の求める施策事業に適切に配分すること。
あれもこれもやらなければいけないという中でその取り組みに配分できる財源(=収入)は限られていますから、配分できる金額を絞ったうえで「あとはやり方を工夫してください」と現場にお任せすることも多々ありました。
また、大枚をはたいて施策事業で市民の満足を買うばかりが公務員の仕事ではないともかつて書きました。

最終的に市民から預かったお金で最大のパフォーマンスを発揮するためには、配分された財源を最大に活かせる組織、活かせる職員が不可欠なのです。
しかし、組織をどう動かすか、職員をどう育て、どのようなモチベーションを与えて最大の成果を目指すか、ということについては残念ながら財政課の所管する範疇ではなく、多くの自治体でそれは人事部門が担っています。
なので、私は、お金の配分ではコントロールできない、組織マネジメントや人事マネジメントに興味を持ち、もっとこうすればいいのに、どうしてこんな風にできないのかと岡目八目の素人評論家を気取り、あれやこれやと言いたい放題言わせてもらっているわけですが、きっと、人事部門の方から言わせれば、人事の現場がわかっていないやつが何を偉そうにと思っていることと思います(笑)。
別に人事系の皆さんを敵に回すつもりはなく、人材育成や人事異動・評価、組織マネジメントや組織風土改革など、人事系の職場が抱える課題やその対処方策について一緒に議論しましょうよ、いやその前に、互いの見えている事実を共有する「対話」をしましょうよ、と言いたいだけなんですけどね。
 
かつて私が財政課長だった時代に職員向けに財政出前講座を始めたのは、財政健全化の取り組みを進めるうえでは財政課が担う全体調整だけでは如何ともし難く、自治体財政の構造や状況、将来見通しなどの客観的な事実を知り、財政が厳しいとはどういうことか、財政健全化とはどういう状態を目指すことなのか、を職員一人ひとりが理解し、それぞれの職場で財政健全化のために必要な取り組みを自律的に進めることができるように、という趣旨でした。
財政課長である自分ひとりではこの難局を乗り切ることができないということを認め、すべての職場に自発的な協力をお願いして回るのが職員向け出前講座だったのです。
 
うれしかったのは、私が財政出前講座を職員向けに初めてからしばらくして、人事課が真似をして人事課として職員向けの出前講座「人事のことが知り『対話』」を始めてくれたこと。
人事課に対する不満や疑問がいつも心の中にあり人事異動や評価のたびにモヤモヤしている職員の求めに応じて職場に出向き、人事課が勤務評定調書のどこを読んでいるのか、それは異動や評価にどう反映しているのか、そもそもなぜ人事異動を行うのか、などを人事課長や係長自らが説明し、質疑応答に応じてくれるとてもアットホームな取り組みでした。
今はもう、私も当時の人事課長もそれぞれの職場を離れ、福岡市役所では現在、財政も人事も職員向け出前講座をやらなくなってしまいましたが、人事系職場が自らの置かれた状況や課題認識を職員と共有し、ともに対処方策を考える、あるいは人事課の考える方策について共通理解を持つ、という取り組みは、他の自治体ではどんな感じなのでしょうか。
職員組合と人事課、労務課などとのやりとりがそういう機能を果たしていたりするのかもしれませんね。
 
自治体職員の多くは人事系の話になるとそれぞれの経験から不満や不信を表し、それが高じて全国共通の話題として盛り上がりますが、それが単なる愚痴に終わらずより建設的な議論へと深まっていくためには、この不平不満に対して「いやいや、ほんとはね…」と私たちの与太話に入ってきて「対話」に参加していただける人事系の方々がいてくれればいいなと思います。
「人事の話はいろいろあってね…」とだけ言って、その後の言葉を濁す方が多い印象がありますが、最近は人事系の現役公務員が人事のことを本にしてくれたりしていますので、そういった情報共有、立場の共有をベースに、各自治体での人事系職員と非人事系職員との対話も少しずつ進めばいいなと思います。
 
★自治体財政に関する講演、出張財政出前講座、『「対話」で変える公務員の仕事』に関する講演、その他講演・対談・執筆等(テーマは応相談)、個別相談・各種プロジェクトへの助言・参画等(テーマ、方法は応相談)について随時ご相談に応じています。
https://note.com/yumifumi69/n/ndcb55df1912a
★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/
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