『優しい誘い』
再婚同士の私達夫婦の間には子供がいない。
結婚3年目に1歳になるパグの男の子を
迎え入れた。
『どんべえ』とパパが名付けた。
その頃、お家には黒出目金が居て
その子が『くろべえ』だったので
その弟だから、どんべえになったらしい。
本当の子供のように
人間の子供のように
ペットとしてみた事なんてなくて
本当に本当に愛していた。
くっつき虫で
甘えん坊で
抱っこが大好きで
いつもどこか体の一部が
触れていたい子で
どこにでも付いてきて
トイレやお風呂場のドアを
よくドンドンたたいて
待ってくれてた。
いつまでもそんな当たり前の毎日が
続くと思っていた。
2021年2月16日 AM5:45
寂しがり屋のどんはたった1人
虹🌈の橋を渡り
天国へと旅立った。
毎年、パパとママの誕生日にはここ数年
旅行に行く事がプレゼントになっていた。
3月末、ママの誕生日。
どんが天国🌈に旅立ってから
1ヶ月と少しで旅行に行く事に
ママは少し躊躇していた。
お家にはどんの遺骨もある。
どん1人でお留守番
寂しがるんじゃないかな
そう思う気持ちと
いつまでもクヨクヨしてたら
どんが心配する。
パパには口には出さずにいた。
旅行の出発時間
パパが一言。
『どん、行くぞー❗️』
そっか、そうだ
一緒に行くんだ!
「行ってきます」じゃなく
『行くぞ』
こんな優しい誘い
嬉しくて
出発なのに泣きそうになった。
パパのこの言葉で
「千の風になって」を思い出した。
千の風になったり
光や小鳥、星や雪になったりしながら
どんはパパとママを見守って
いつでもそばにいてるんだ。
だから悲しむ事はないんだ。
どんが居なくなって
15年ぶりに2人っきりの生活。
前よりもより一層、
パパと仲良く暮らせて
絆が強くなったのは
どんのおかげだ。
ママ『新婚生活に戻ったね』
パパ『ほんまやで』
大切な人を失う悲しさを
どんが教えてくれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?