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幸せを実感している人にあるモノ

先日、友人同士5〜6人くらいで集まる機会がありました。わたしも含め40代~50代ばかりのせいか、「心身の健康」や「老後のパートナーとの付き合い」といったテーマに割かれる時間が多くありました。この日集まったメンバーは、キャリアコンサルタントの資格試験仲間であり、全員がキャリアに興味を持っているので、特に「人生をどのように過ごすか」について日常的に考えているようにも思います。


この日は笑い話がほとんどではありましたが、そのうちのひとりが、ふと口にしたことがとても印象に残りました。

「ある程度年取ってからも、幸せを実感している人ってどんな人か分かる?」

(なんやろー)

「それはなー、自分を入れて3人以上で構成されるコミュニティを3つ以上持ってる人やねんて。しかも、それぞれのコミュニティでプライベートの話ができてるといいんやって。」

(え?そうなん?)

友人同士の話なので、この話のエビデンスが語られることはありませんでした。しかし、これを聞いた瞬間わたしは妙に納得したのです。


3人以上のコミュニティというと、家族も夫婦二人だけでは足りないし、仕事を辞めたら職場はなくなります。そうなると、趣味やそのほか自分の住む地域、ボランティア活動など、能動的に関わっていくコミュニティが必要なようです。昭和の時代には 地域の活動が自然とそのひとつになっていたのかもしれません。 しかし、時代が進むとともに 地域の関係は希薄になり、能動的に複数のコミュニティに属していかなければ、精神的孤独を感じやすくなる可能性があるように思います。

コロナ禍を経て、コミュニティに属すことの重要性を説く人は増えてきました。社会学の中では、紐帯と言われる「人と人の繋がり」について昔から研究されています。それを踏まえて、ここからはわたしの勝手な推論ですが、3人以上のコミュニティに3つ以上所属している状態は、社会学者であるグラノベッターのいう「強い紐帯と弱い紐帯」がどちらもバランスよく保たれていることのように思います。

※強い紐帯とは、似た価値観を持ち、安心できる存在で家族や仲の良い友人のことを指します。一方の弱い紐帯とは、異なるバックグラウンドの希薄な人間関係であり、共通点より相違点の方が目立っているような関係です。こちらは新しい価値が創造される可能性が高まるそうです。


子どもが巣立つと、必然的に夫婦2人暮らしがスタートする家庭も多いと思います。仕事を続けていたとしても、あと2つ以上のコミュニティを持たなければ、夫婦といったような強い紐帯に依存する傾向が高まるような気がします。リアルかオンラインかに関わらず、心地よくいられるコミュニティは、幸せを実感できるひとつの要素になるとわたしは思います。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

松本由美


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