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料理の美味しい温泉(女将さんの手料理限定)12

私は、鄙びた温泉が好きなので、泊まる旅館はどうしてもご夫婦や親子で家族経営されているような小さな旅館になります。そのような旅館だと、基本的に食事は女将さん、たまーにご主人や息子さん、娘さんが食事を作ります。
立派な板長さんが作る豪華な懐石料理にも憧れますが、私は郷土料理が好きなので、その土地の旬な物や名産を使った家庭料理がうれしいです。初めて見るもの、食べるものはワクワクします。

私の独断と偏見による温泉もよくて、女将さんの手料理が美味しい温泉を紹介します。

11はこちら。


長野 霊泉寺温泉 遊楽

2021年6月1人旅で訪問。霊泉寺温泉は長野県の丸子温泉郷の中にある、現在は旅館が4軒の鄙びた温泉街です。
遊楽さんは女将さんが1人で切り盛りされている小さな旅館。かつてご主人が廃業されたこの旅館を買い取り、ご夫婦で始めたそうですが、そのご主人が3年前(宿泊当時)に亡くなり、今は女将さんがお1人で営んでいます。

チェックイン後に早速お風呂へ

タイルがいい味出してるー♡

基本的に貸切で利用します。アルカリ性単純泉、源泉掛け流しです。源泉36度。加温されてました。優しいお湯。
夏になったら加温しないのかな?

湯口、最初はカバだと思ったけどどうやら龍みたい。笑
長野でよく見かけるサイフォン式の排湯

霊泉寺温泉共同浴場

夕食前に歩いてすぐの共同浴場へ。霊泉寺温泉の旅館の宿泊者は各旅館で無料券がもらえます。
単純泉の源泉43.6度、掛け流し。熱めでした。

夕食

山の幸が並ぶ。ごはんはお赤飯でした。季節によっていろんな炊き込みご飯が出されるようです。女将さん曰く、秋が一番おすすめとのこと。なんと松茸ご飯だそうです!

お赤飯は定番らしい。長野と言えば野沢菜


ローストビーフなんかあっておしゃれ。西洋わさびも添えられてました。

私「すごい!女将さん、ローストビーフなんて作れるんですか?」
私の耳元で女将さんが小声で
「買ってきたの」って舌をペロっと。

思わず笑ってしまった。こちらの女将さん、本当にかわいいんです♡買ったっていいんです。お一人で食事の支度は大変です。確かに美味しいし。

他に常連の方お2人(1人泊が2組)いらしたのですが、こんなご時世でそれぞれ離れた席。
私は別部屋くらい離れていて、女将さんとずっと喋ってました。少し前に豪雨があって、他の宿の皆さんと比較的大きな和泉屋旅館さんに避難されたとか。裏が川なので、氾濫こそしなかったけど怖かったとおっしゃってました。

デザートに、常連さんが差し入れてくれたケーキをいただきました。女将さんにその日の宿泊人数を聞いて、人数分買ってきてくれたそうです。
「アットホーム」ってこういうのを言うんだな。

女将さんは足を悪くされてるので、片付けを手伝おうとしたら「みんなそう言ってくれるんだけど、自分のペースでゆっくりやるから大丈夫。ありがとう」と言われた。確かにそうだよな。
指示するのって案外面倒だし。よくわかる。

食事したところの棚にあった昭和の絵葉書セット

寝る前に小さい方のお風呂へ。

こちらも源泉は同じです。

やはりサイフォン式の排湯


翌朝、朝風呂は大きなお風呂へ。その後に朝ごはん!

定番のおかずが並ぶ

とにかく野菜が美味しい。デザートにメロン。

きゃらぶき大好き♡おみやげ屋でよく見かけるけど、私は手作りしか勝たんと思ってます。
たまご焼きもお漬けものもいい塩梅。

また女将さんとおしゃべり。笑
女将さんは東京からお嫁に来たそうで、最初は田舎ならではのしきたりに戸惑ったそうです。お盆とお正月、冠婚葬祭の際は女性は立ちっぱなしで支度や給仕をしなければならず、ご近所の冠婚葬祭もお手伝いに行く。お盆とお正月が来るのがとにかく嫌だったそうです。

私「でも長野県て移住したい県全国ランキング1位」ですよね?」

女将さん「らしいねぇ、今は昔とだいぶ変わったし。でも移住しても2年位で帰る人多いわよ」

私「えー、そうなんですか!」

女将さん「人が少ないから近所の監視がすごいのよ。〇〇さん、〇時ごろに〇色の服着て出かけてったよー。とか。都会は人が多いからそんなことないでしょ?」

私「そうですね、他人のことは全然気にしない」

確かにこれじゃあ都会育ちの人は息がつまるな。若い人は無理かも。町おこしでカフェやレストランをやりたいとなっても、人がいないし、現地の人達との温度差もあるみたいだ。理想と現実は違うらしい。

と、またまた話が盛り上がり、気付くと9時過ぎてる。8時から朝ごはん食べ始めたから1時間過ぎた。笑
なのでチェックアウトは10時ギリギリ。

霊泉寺温泉のパンフレットより

右端が遊楽の女将さん。やっぱりかわいい♡
亡くなったご主人が隣にいらっしゃいます。小さな温泉街、和気藹々なのが伝わるいい写真。

遊楽さんについて。
素朴な家庭料理なんで、好みが分かれるところです。私は飾らない地元食材を使ったお料理が大好きなので、大満足です。季節の食材を使った炊き込みごはんもサプライズ的な楽しみなんじゃないでしょうか?
また、女将さんが本当にかわいくて、おしゃべりが楽しくて、ポイント増し増しになってる^_^
実家に帰ってきたような…ってまさにこの旅館のこと。常連さんが多いのも頷けます。

一人旅大好き女子、annaさんの記事にも度々登場する一人旅に優しい旅館です。

一泊2食7800円(税込)Wi-Fiなし。



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