見出し画像

好きなことで生きていくより、嫌いなことを全部やめて生きる方が楽しいかもしれない

最近まで読書術についての本を読んでいたけれど、実はわたしにはちょっと変わった独自の読書習慣がある。

それは「昨日まで読んでいた本の著者が、絶対に読まなさそうな本を読む」というもの。

わたしは最近まで3冊続けて樺沢紫苑さんの読書術や時間術を読んでいたのだが、間髪容れずプロ奢ラレヤーさんの「嫌なこと、全部やめても生きられる」を読み始めた。つまり頑張る方法をひととおり学んだ後に、頑張らない生き方を学ぼうとしている。

無駄が大嫌いで、ゲームやテレビの時間がもったいないと書く樺沢先生とは正反対に「なにも生み出さない時間を大事にするのも贅沢な生き方だ」とささやくプロ奢ラレヤー。

そのギャップだけでもう面白い。著名であり成功者であることは間違いないふたりが、まったく異なる考え方で人生を豊かにしている。言語ではなく事実として認識することで「正解はない」「自分がどう生きたいかを考える時間は惜しんではいけない」と気づかされる。

というわけでこの本を手に取ったわけなのだが、まず一番に言いたいことがある。それは

わたしはこの本を読んで、メルカリをダウンロードした。


は?と思うかもしれないが、わたしはここ2年くらい「メルカリやってないの?」「メルカリで売れば?」という言葉をことごとく無視してきた。単純に工数と得るお金を考えると、メルカリやってる時間を仕事にあてた方が稼げると思ったからだった。

のだけれど。本の中にあった「お金の価値」についてを読み、2年間のメルカリ拒絶をあっさりと終わらせた。わたしが影響を受けた文はこちら。

昔は通貨の代わりがお米だった。なぜお米が好感されていたかというと単純に「一般的に考えて価値があるもの」だったから。お米から通貨に変わった理由は、軽くて持ち運びができる上、ほとんどのものと交換できるからという理由に過ぎない。だがお金のやりとりが通用しない物々交換が成り立ったら、お金の価値は下がるのでは。たとえばメルカリとか

※わたしの要約なので実際の文章とは異なります。

こんな感じで、とくにメルカリを勧めているわけではなかったが、これを読んで「メルカリ=物を売るツール」から「メルカリ=お互いの価値をトレードする場所」に認識が変わった。

たとえばパラッと読んだけど全然面白くなくて読まなかった新品同様の本とか、買ってみたけど着てみたらイマイチだった洋服とか、自分にとって数秒で「(今の自分には)価値がない」と思ったものも、どこかの誰かにとっては価値があるものなのだ。転売ツールのように考えるのではなく、モノを回す(循環させる)ツールだと考えるとサスティナブルな上に、モノの価値について考えるいい機会になりそうだと思った。儲けとは違った喜びがありそうだとも思った。

今は「この本をこの価格で売るにはどうすれば良いか」とか考えるのが楽しくて、わりとハマっている。あと、欲しかったけど買えなかった限定品のマスキングテープを手に入れてうれしかった。(←)

実験もたくさんできる場であることを知り、一時メルカリ実験にはまった。

何事もやってみると楽しかったりするんだけど、なんとなくやってもつまらないので目線を提供してくれるプロ奢ラレヤーみたいな人が好きで、つまりこの本は面白い。

画像1

実はわたしは、プロ奢ラレヤーの言葉に影響されて行動を起こしたのは2度目だ。1度目の行動は、前職を退職し、フリーランスとして独立したこと。

ネチネチと悩み苦しみ、こじらせたわたしを行動させたのは、たった140文字以下のツイートだった。

詳細を書いたブログもあるので、よければ。

わたしは、この世で一番素晴らしい表現者は、人に行動する勇気だったり新しい考えを与える人だと思っている。人間は自分が思っているよりも、人や本、新しい地域に触れていかないと視野が狭くなっていく生き物だと思う。海外旅行などで考え方が変わったという人は多いが、わたしは人や本との出会いが自分に豊かさを与えてくれたと思っている。

なので書くことを生業としている身として、ずっと変わらずそういう文章を目指してきた。目指している。だからこそ自分が行動に及ぶ本や文章に出会うと猛烈に感動するし、憧れるし、俄然モチベーションが湧き上がってくる。

そこでわたしはまた、頑張ってみたりするのだけれど。だけどだけど、人を動かす文章が書けてしまう彼がやってきたことは「行動してきた」というよりも一貫して「嫌なことを選択せずに生きてきた」なのだった。

ハッとした。これがすべてなのかもしれない。たぶんきっと、そういうものなんだと思った。結局、お金を稼ぎたいとか出世したいとか、物理的な成長でない限り、精神的な成長はそこにとことん集中できるほどの余白が必要なのだ。やらなくていいことをぎゅうぎゅう詰めにしていては、いつまで経ってもたどり着けない。

この本を一言で表現するならば「漠然とした不安や日常的なストレスを感じている人が出会うと、なにかが変わりそうな本」だった。なにかの解決策というよりも「その悩みそもそも悩む必要ある?」って所々で問いかけてくれる本。

「好きなことで生きていく」系のコンテンツはこれまでたくさんあったけど、個人的には好きなことで生きていこうとするよりも、嫌なことを全部やめて生きようとするほうが楽だ。

そして嫌なことぜんぶやめても生きられるのだ。そう思って嫌なことを断ち切っていった方が、好きなことを限定して生きようとするよりもきっと人生は豊かだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?