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Web編集者の読書癖

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本がないと生きていけない。
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#おすすめの本

2021年マイベスト本【エッセイ・対談・小説・歌集】

エッセイが好きだ。対談が好きだ。小説と歌集は、文章の仕事でありながら、文章の仕事から離れさせてくれる文章として好きだ。 2021年は特に多くのエッセイを読んだ年だった。コロナ禍で自粛ばかりで、自分の心に向き合いたかったから。他者の雑談に触れないと、自分について気付く機会がとても減るのだと知ったから。 ということで、2021年読んだ中でも特に面白かった本をまとめて書き記そうと思う。今回はエッセイ、対談・往復書簡、小説、歌集。 ↓ビジネス・自己啓発はこちら。 2022年も

美しい女とはどういう存在か。『あちらにいる鬼』を読んで

GW中、見事に梅雨入りしたので朝から晩までずっと本を読んでいた。 読んだのは小説5冊。 知識を得る読書も計画していたけれど、泣いたり笑ったり温かくなったり考え込んだりするうちに、気付けば物語の世界にどっぷりと漬かっていた。(とくに『朝が来る』で嗚咽号泣しすぎて、もはや外出不可能な顔面になったよ) どれも素晴らしい本ばかりだったのだけれど、なかでも1冊、心が深くえぐられるような衝撃的な小説に出合ってしまった。 『あちらにいる鬼』 書店で出合い、表紙とタイトルに妙に惹

ローランドがローランドであるために

※この記事は2020年4月の記事をリライトしたものです。 最近「言語化」とか「語彙力」という言葉をよく耳にします。 私も職業柄、言葉選びには毎日頭を悩ませているのだけれど、ローランドのあるツイートを見てからというもの、気付けばローランド語録の沼にはまっていました。 そのツイートはこちら。 一見下世話な2文字だし、完全なる大喜利なんですが、ローランドが「ローランド」であるために考え抜かれていることに感動しました。セルフブランディングってこういうことだなと。 少し話

勉強は身に着けないと意味がない

こんにちは。新型コロナウイルスが蔓延してからというもの、読書量が圧倒的に増えた三好です。 特にコロナがたちまち日本に広まり始めた1年前くらいにハマっていたのが樺沢紫苑先生シリーズ。1冊読んで良かったら、その人の本をシリーズ買いしたくなるのが読書家のサガ。 前回の記事でご紹介した「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」を皮切りに、樺沢先生の本を何冊も買いました。 コロナ禍前のわたしは、フリーランスになって間もなくて、必死に目の前の仕事をこなす日々が続い

平成を代表する歌姫は「悲しいことのすべてが、自分と向き合うためのきっかけだった」と言った

ときどき見かける「新型コロナから学ぶ」とか「新型コロナが気付かせてくれた◯◯」みたいな表現に違和感を感じている。 そういう表現に至るのはなんとなくわかる。わたし自身、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛や「これまで普通にできていたこと」ができなくなったことで人に感謝したり、「普通」のありがたみに気付くことはあったから。 だけどこれは、普段当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなったことで、有難さに気付いただけだ。わたしは突発性難聴を患ったことがあるが、耳が不自由にな

好きなことで生きていくより、嫌いなことを全部やめて生きる方が楽しいかもしれない

最近まで読書術についての本を読んでいたけれど、実はわたしにはちょっと変わった独自の読書習慣がある。 それは「昨日まで読んでいた本の著者が、絶対に読まなさそうな本を読む」というもの。 わたしは最近まで3冊続けて樺沢紫苑さんの読書術や時間術を読んでいたのだが、間髪容れずプロ奢ラレヤーさんの「嫌なこと、全部やめても生きられる」を読み始めた。つまり頑張る方法をひととおり学んだ後に、頑張らない生き方を学ぼうとしている。 無駄が大嫌いで、ゲームやテレビの時間がもったいないと書く樺沢