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ローランドがローランドであるために


※この記事は2020年4月の記事をリライトしたものです。

最近「言語化」とか「語彙力」という言葉をよく耳にします。

 私も職業柄、言葉選びには毎日頭を悩ませているのだけれど、ローランドのあるツイートを見てからというもの、気付けばローランド語録の沼にはまっていました。

そのツイートはこちら。


一見下世話な2文字だし、完全なる大喜利なんですが、ローランドが「ローランド」であるために考え抜かれていることに感動しました。セルフブランディングってこういうことだなと。

 少し話が逸れますが、新型コロナウイルスが蔓延しはじめてからというもの、落ち込んでいる友人や経営難で苦しんでいる知人を見た時に、自分がかけてあげられる言葉のちっぽけさに嫌気がさしました。

そんな切なさを抱えていると、やはりこういう時こそ名言製造機ローランド様のお言葉が必要なんじゃないかと思うようになりました。彼ならこんなとき、どんな言葉で人々に灯りをともし、そして自分自身を励ますのか、とても気になります。

 というわけで前置き長くなりましたが、興味の赴くままに、名言製造機ならぬ伝説のホスト・ローランド様の本を手に取ったわけなのです。

本の構成は、ローランドがこれまで言ってきた様々な名言の中から編集者が特に心に残った名言を掲載+詳細に説明するというもの。

気休め程度というか、コロナで滅入った時にお風呂に浸かりながらさらっと読むイメージで購入しましたが、いやはや思いのほか良かったので、がっつりと紹介させてください。

まず、まずですね、父が面白いんです。普通の両親ではないだろうとは思っていたけれど、それにしても面白すぎる親子エピソードが出るわ出るわ。

舌が肥えていたため、給食が完食できない。見かねた担任が自宅に電話をかけた。(中略)
 「お宅の息子さんは好き嫌いが多いようでして、毎日給食をほとんど残すのですが....」と切り出した担任に、父親はこう答えた。
「好き嫌いが多い?なんでも好きだとか、どっちでもいいって言う人間の好きという言葉に、いったいなんの価値がありますか?嫌いなものを、しっかりと嫌いと言えない男にはなるな。そう教えています。」

担任の先生はたまらなかったと思うけど、こういう人わたしは好きです。

あとですね、やっぱりローランドがローランドであるための心がけが、シンプルだけどこういうことなんだよなって思ったんです。

「ジャージばかり来てたらジャージが似合う人間になる」
「俺はローランドだからね、コンビニには手を染めないよ」

 ローランドじゃなくても、自分が誇れる自分でいるためには「今日これをしない」選択が大事だと思うんです。例えばわたしは最近夜中のアイスをやめてみたり、筋トレを寝る前に5分やったりしていますが、今日やるかやらないかを毎日自分に問いかけることってつまり、「自分自身が自分にとってどんな人間であるか」を刷り込んでいく作業なわけです。有言実行ができる人間、人の見ていないところでサボらない人間、嘘をつかない人間、そういう「自分にどう見られているか」を意識して生きていくことでしか、オーラとか人間性とか自信とかって磨かれないんじゃないかなぁ、なんて最近よく思うんです。

だからローランドになりたい人は、絶対にコンビニには手を染めない方がいいです。

 

次にご紹介するのは、個人的に好きだったエピソード。

よく女性に『あなたのことが好きだよ』と言われて『俺も(ローランドが)好きだよ』と答えていたら怒られた。理由がわからず周りに話すとおかしいのはお前だと言われた。

 

自分が好きすぎて、うけます。w

余談ですが所々に差し込まれる写真も、一切妥協がなくていいんですよね。自分好きすぎるなとは思うけど、それが味。

あと、とても心に残ったエピソードもご紹介します。

 

恥ずかしながら、今まで散々嘘をついてきた。(中略)
だけれども、断言する。自分に嘘をついたことは、一度もない。
ある商品に一目惚れしたとする。だが、値段を見るとびっくりするほど高い。そんなとき、たいていの人は自分を騙そうとする。
「どうせ買っても使うことはないだろう」
「よく見たら、そんなにたいした物じゃないではないか」
「維持費は?」
そんなどうでもいい理屈を並べて自分を丸め込み、あれはいらない、俺は欲しいなんて思っていないと自分に嘘をつき、自分自身を騙す。そんなことを経験したことはないだろうか?
自分の心に嘘をつくことほど、悲しいことはない。
理由を作って自分を騙すより、素直になって、欲しいものはすべて手に入れに行く人生の方が楽しいに決まっている。

これを読んで思い出した本があります。

10年くらい前に、カルーセル麻紀さんの「女は1日にしてならず」という本。自分の感情やコンプレックスに傷つきながらも立ち向かうカルーセル麻紀さんに、当時のわたしは息ができなくなるほど涙を流しました。

タイトルの通り、1日1日とても努力して女になった彼女の努力は、自分が恥ずかしくなるくらいすさまじかったんです。

なりたい人間になるために手を抜かない、これが自分に自信をもつ一番の近道なのかもしれないと思いました。

そんな感じで、まじで今、気が滅入っている人は騙されたと思ってぜひ読んでください。

 浮世離れした彼のポジティブさと欲望の吐き出し方は芸術そのもの。きっと外出できなくとも彼は自分自身を愛しながら、幸せな日々を送っていることでしょう。


 ちなみにローランドはこの本の収益をすべて、カンボジアに寄付するらしい。

「自分の努力が足りず、夢が叶わないことはしょうがない。でもそれが、自分の努力以外の要素で決まってしまうならば、非常に悲しいことだ。(中略)そんなカンボジアの子ども達に、チャンスと選択肢を与えたい」

 最後に書かれたこの文章を読んでわたしは、本を買ってよかったと思いました。あと読み終わったらメルカリで売ろうと思っていたけど、やめた。

少しでも多くの人にこの本が届き、多くの貧しい子ども達に選択の権利が与えられますように。







 
 

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