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Web編集者の読書癖

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本がないと生きていけない。
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2021年8月の記事一覧

理想の50歳と光浦靖子さん

私は光浦靖子さんが好きだ。 理由は、母に似ているから。顔も髪型も、眼鏡の形も輪郭も、結構いろいろ似ているのだ。強いていえば、ガテン系の仕事に従事してきた母は、光浦さんよりも少しだけおじさんっぽい。 そんな他人とは思えない光浦靖子さんの書いた本を知ったのは、雑誌ダ・ヴィンチ先月号でのこと。 この号の「女と家族」特集(この特集、ダ・ヴィンチ史上いちばん好き!)に、光浦靖子さんインタビュー記事があり、その中で著書「50歳になりまして」の一部冒頭文が紹介されていた。 それが、

読書=自分とは違う誰かの視点で、この世界を覗きに行くこと

どの雑誌だったのかは忘れてしまったけれど、ここ数日ずっと心に残っていた言葉がある。 それは小説家・朝井リョウさんの「読書」に関するインタビュー記事。朝井さんは小説に必要な情報収集について、必要なものだけネットで検索する...わけではなく、関係する自伝やインタビュー、対談集をそれぞれ1冊ずつ購入すると話している。 自分がもともと知りたいと思っていた情報に巡り合うまでかなりの時間と労力を要するし、確実に効率が悪いと朝井さんは断言する。それでもその方法を貫くのは、小説を書く上で

「心の疲れをとる」という言葉に拒否反応がある人へ

正直にいうと、読む気がしなかった。 この本のタイトルだ。 一ヶ月ほど前まで、私は猛烈に疲れていた。何に疲れていたのかは分からないけど、何かに猛烈に疲れ切っていて、何に対しても喜びを見出すことができない状態が続いていた。 といっても昔から浮き沈みは激しい方だったので「あ、久しぶりにきたのね」「まぁコロナもいよいよ長いし、今はきっとあらゆる人がこういう感じなのだろうな」と放置したのだけれど。 ある日、全然眠れずnoteを読み漁っていた深夜4時のこと。ひとつの記事が目に止ま