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【京都大学2021年度前期入試数学(文系)第5問】簡単?難しい?整数問題

すでに YouTube でも話題になっている整数問題です。

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京都大学 百周年時計台記念館
2015年5月5日、Soraie8288撮影、Wikipediaより

問題

p が素数ならば (p^4) + 14 は素数でないことを示せ.

解答解説

強烈に短い問題文ですが、短いがゆえにどうしていいか困ったかもしれません。

しかし、実際には難しくはないと思います。というか、難しく考えない方がいいです。

p は素数であるので、p = 3 もしくは p ≡ ±1 (mod 3) である。ただし、

p = 3 のとき、 (p^4) + 14 = 84 + 14 = 95 = 5 × 19 より、(p^4) + 14 は素数ではない。

p ≡ ±1 (mod 3) であるとき、(p^2) ≡ 1 (mod 3) であり、(p^4) = (p^2)^2 ≡ 1 (mod 3) であるので、(p^4) + 14 ≡ 15 ≡ 0 (mod 3) となり、(p^4) + 14 は 3 で割り切れる。(p^4) + 14 > 14 であるので、(p^4) + 14 は素数ではない。

以上のことから、p が素数ならば (p^4) + 14 は素数でない。

感想

証明を見て分かる通り、実は p が素数でなくても (p^4) + 14 が素数にならない場合がたくさんあります。実際、p が 3 の倍数でないならば (p^4) + 14 は素数になりません。

また、p が 5 の倍数でないときにも、p^2 ≡ 1, 4 (mod 5) より p^4 ≡ 1 (mod 5) であることから、(p^4) + 14 ≡ 15 ≡ 0 (mod 5) となって、(p^4) + 14 が素数でないことが言えます。

そのように言われれば簡単に証明できるのですが、条件を「p が 素数」とすることで、こういう方針を気が付きにくくさせています。

そこにだまされるかだまされないかが今回の問題のカギを握っていたと思います。あなたはだまされませんでしたか?

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