13年前ホテルの清掃員だった私は、3.11がきっかけでイラストレーターを目指した
今日はポートフォリオの整理をしておりました。
夢山紗也佳（夢山イラスト/yumeyamaillust） - foriio
現在、私はイラストレーター13年目になりますが、あいにく正式発注の手持ちのお仕事はゼロで、何件か担当漫画家の候補に挙がっている程度です。
13年前はちょうど二十歳で、おめでたい時期かと思いきや、18歳で結婚して子供を産んだ私は19歳で離婚しており、シングルマザーでした。実家に帰ってきて、成人式の日も式に出ず内職仕事をしていました。息子が幼稚園に入ったのをきっかけに、ホテルの清掃のバイトをはじめました。
結婚して子供を産むために高校を中退してしまったので、「高卒以上」というアルバイトができず、近所にあるバイトは清掃のバイトしかありませんでした。
1日3～4時間、当時時給は830円だったような気がします。
月5～6万程度にしかならず、こんなことでどうやって子供を育てていけばよいか、不安に押しつぶされそうでした。高校へ復学しようにも、卒業までの間仕事ができなくなる。どうするのか？
いろいろ考えているある日、3.11は起きました。
職場の休憩室で、津波の映像をみていて、
とんでもないことになったと予感したのを覚えています。
もし、自分が同じめにあったら？
やり残したことはなんだろうかと。
小学四年生のとき、イラストレーターを目指して
こつこつ絵の練習を頑張ってきたのに、恋愛に転び、人生が狂った。
もう一度、イラストレーターを目指したい。
その日から夜、息子が寝ると自分はほとんど寝ずに朝方まで絵の練習をしました。イラストの現場ではAdobeのソフトが使われていることを知り、貯金で購入し（当時はパッケージ版でした）図書館の本で使い方を学びました。
AIやPSDのデータが作れるようになってからは、ランサーズのコンペに応募して、少しずつ仕事を獲得していきました。
3月からこの活動をはじめ、7月にはバイト収入をイラストの収入が超え始めたため、8月1日開業届を出しに行ってそのままフリーランスのイラストレーターになりました。
当時は勢いに乗って仕事に恵まれて、何年も忙しい環境で働いてきました。
仕事が落ち込んだとき、新しい技術を身につけようとFLASH（現アニメイトCC）の勉強をして、フリーでアニメーターをやっている先輩のお手伝いをはじめました。その流れでアニメスタッフや、動画制作も経験できました。
その頃広告漫画が増えて来た頃で、イラストレーター募集で検索すると漫画家登録というのをできる事務所が増えてきました。
多数の広告漫画事務所に持ち込みをして、おおくの広告漫画案件を獲得していきました。
10年で3000万円は働いたと思います。
その後、仕事の合間を縫って通信制高校に復学し、単位を修得。無事に高卒の仕事もとれました。
6～7年、仕事に勉強に子育てに、忙しい時期が続いたせいか、私は心身を壊してしまいました。脳の障害です。
三ヶ月入院し、退院。その一ヶ月後に様子がおかしくなり、また半年間入院。この間に家族に見切りをつけられ、実家を追い出されてしまいました。母と姉に、小学五年生の息子は私たちが育てると言われてしまい、何もできない私は実家にこれまでの貯金数百万円を渡し、息子を頼み、私は一人暮らしで病気の療養に専念することになりました。
こうして、複数の会社で仕事を案件の途中でキャンセルしたこともあり、長年の連載はほかのイラストレーターさん持って行かれ、仕事を失いました。
ほとんどの貯金を実家に預けてきたので、自分の貯金はろくにありません。
それでも頑張るしかありませんでした。
3年かけて療養して、やっとばりばり絵を描いても頭痛がしないほどに回復しました。でも、仕事がありません。
わたしはもう一度、絵の仕事を頑張りたいです。
もし、この記事をみて興味をもってくださる人がいたら、
どうかイラストのお仕事をください。
よろしくおねがいいたします。
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