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弱さを愛する、その先に。2


〜2020年秋〜

お店のオープンも間近。
休みが取れなくても、残業がたくさんあっても、
何とかやれていました。

だって、そのお店をオープンさせる、
その目標達成まであと少しだったから。

オープン日、たくさんの人がお店に来てくれました。
色とりどりの鮮やかなお祝いのお花に言葉。

地元密着型のオーガニック食材を取り扱うお店だったので、近所のお店の方や顔見知りのお客さんも、沢山足を運んでくれて、その日はゆるやかながらにも忙しく
とても充実した1日でした。

そこからはどうやって過ごしていたのか、今となってはあまり記憶がありません。笑

自分以外の人がお店に立つときに、誰でも運営ができるよう
マニュアルを作成したり、レイアウトを日々研究し商品の見せ方を工夫したり
SNS運用、ブログ更新、新商品の開発・・・

山ほど仕事は残っていてそれを一つずつこなす。
でも、こなしているのに、もっとしなければいけないことに出くわす、、、

そのうち集中力が切れ、思考が停止し
「あれ、私どこまで手をつけてたっけ?」

本当にギリギリの生活をしていました。
それでも生きれていたのは、間違いなく家族の支えがあったから。

今振り返ると、もう完全に自分の感覚がマヒしていたと思います。
出来ないと言えない状況。
頼れる人がいない状況。
それでもこなさないといけないプレッシャー。

出来ない自分が悪いのだと勝手に思い込み
自分を責め、自分の弱さを認められる訳もなく、負のループ。
仕事のことを考えるとパニックになる程、追い詰めていたんです。

そんな時に誰にも見える形で、「涙」が頬を伝い
私を助けてくれました。


もう限界だから、離れて。逃げて。
自分のために。

その時、改めて自分の状況を会社の人に説明し
病院に行くため、療養するため1週間程のお休みをもらいました。

結果、物理的にストレスとなる要因から距離を置くようにと診断を受け
しばらく仕事をお休みすることになりました。

そして今。←やっと現時点。

この感覚がマヒしていた期間、大丈夫だよ、とか。
よくここまで頑張ったね、とか。
声をかけてもらったのですが、

誰に何を言われようと正直ちっとも慰めにも励みにもならなくて、、、笑

私のこと何にも知らないくせに、、、と。
それはそれは高くて、固いバリアを作って誰とも話せなくなりました。

生きている心地がしなかったんです。

だけど

良いこともありました。

それは”逃げても良いのだということ”を知れたこと。

出来ないことがあっても良いということ。
弱い自分でも性格を変える必要はないということ。
もっと人に頼って良いということ。

それらを身を持って知れたことで

出来ないことは協力してもらう。
相手に弱さも見せてしまう。
信頼して任せてみる。

変換していく術を知りました。

今まで、自分が我慢すればどうにかなるなら
周りに迷惑がられるより「我慢」する方を選びがちでした。

だけどそうすることで
勝手にしんどくなって、辛くなって。
「自分はどうしたいか」
心の声を聞いてあげれていなかったんです。

どうして、人には体に気をつけて。ご自愛くださいね。
心配りするのに「自分」にはしてこなかったんだろう。

すごく不思議になって、「自己肯定」に関する本や映画、記事を読みました。
自分とは何者??
向き合う時間をたっぷりと取ってみました。

その時に初めて「あ、自分は他人軸で物事を受け入れる、考える癖がある」と気づきました。

例えば、何かを発言する時
(これを言えば相手の人どう思うかな?)
(私はこう思うけど、この人はこんな言葉をかけて欲しそうだから、こっちの言葉をかけよう)

考えるときに相手ベースで行動しちゃうんです。

つまりは「相手に嫌われないよう」
細心の注意をいつも払っていた。

それはもう心の消耗が激しいったらありゃしない。
そして、いつも何も考えずに自分の言いたいことが言える人が羨ましい、と思っていました。

こう考えると前者の特徴はすごくマイナスにも聞こえますが
客観的に自分の特徴、性格を捉えてみたんです。

そうしたら、良い面もあるなって
いつも〇〇さん、仕事丁寧だね!
よく気がつくね!っていってもらえること多かったり
相談されることが多かったり

誰にだって得意なこと苦手なことはあって
それが個性で、その人の魅力であって。

ただ、それだけ。

そのことに良いも悪いも何にもない。


そう考えられるようになってから、少しバリアが緩くなって
なーんだ。自分にも良いとこあるじゃん。
誰かのために行動できるなんてちょっと素敵じゃない??なんて(笑)

かなり大袈裟ですが、自分の弱さも何だか不器用で可愛く思えてきちゃったんです。

そこから自分に対して「何だかほっとけないやつ」だなぁっと思えるようになり

「あ、今これ食べたいと思ってる!」
「あ、こんなことしてみたいと思ってる!」
「あ、ちょっと休んだほうが良さそう」とか

マヒしていた感覚が徐々に戻ってくるようになりました。

そうやって今は前よりも心穏やかな日々を過ごせるようになって
考えもスッキリして
何よりこれまでの自分が、自分の人生がすごく愛おしくなりました。

今まで色んなこと頑張ってくれて今日まで繋げてくれてありがとうって。

そして自分の周りにいる人たちにも、感謝の気持ちが溢れたり
こんな時期だからこそ、簡単には会えないけど無償に会いたくなったり

恵まれた環境にいるなと改めて感じました。

自分に優しくできることは、自分以外の誰かにも優しくできること。

自分の弱さを愛することは、誰かの弱さも許し、愛せること。


このタイミングで大切なことに気づけて本当によかった。

〜2021年冬〜

どんな自分も愛せる人に。





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