消せないもの

胸がチクチク

魚の骨が引っかかったみたいに、激痛ではないけれど、小さな痛みが私の中にいつまでもある。

もう、自分の一部のようになっている。日々の暮らしに忙殺され、忘れたようでも、それは消えずに残っている。

それはずっと前の自分のせい。

若くて、未熟で、今だったら出来ることが出来なくて逃げていた。

今だったら見えるものが、近すぎて見えなかった。

今だったらわかることがわからなかった。

もうそろそろ、自分を許してあげたい。頭ではとっくに許しているのかもしれない。

それでも　小さくて、鋭い何かが胸の奥にずっと残ったまま。

私の一部ならば、消せないならば、そのまましまっておこう。

この痛みは私が生きてきた証なのだから。