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第29回東九条마당(マダン) への展示設営を通してー第15回 関西クィア映画祭2022ー

みなさん、こんばんは。今回はわたしが実行委員をやっている「第15回 関西クィア映画祭2022」に関する記事です。映画祭が展示で参加している「第29回東九条마당(マダン)」に設営しに行ったことから考えたことや設営風景などを紹介します。


東九条마당(マダン)とは

“マダン”とは“広場”の意味です。「東九条で、韓国・朝鮮人と日本人がひとつのマダンに集い一つになって、みんなのまつりを実現したい」--このような思いをこめて名付けられました。

https://www.h-madang.com/

上記の引用のように、韓国・朝鮮人と日本人がひとつになって実現するみんなのまつりである東九条マダン。ホームページの「東九条マダンのあゆみ」によると、1983年10月に行われた第一回生野民族文化祭がきっかけで始動し、1992年6月に実行委員が行われ、1993年1月24日に第一回 東九条マダン実行委員会が結成され、東九条マダンが始まります。

東九条というのは場所の名前です。京都の地名なのですが、この場所についても公式ホームページから引用したいと思います。

東九条は、JR京都駅の南、鴨川より西に位置し、京都で在日朝鮮人がもっとも多く住んでいるところです。ここに朝鮮人が住むようになったのは、1920年代、当時国鉄の東海道線の工事や、東山トンネル工事、鴨川の護岸工事、九条通りの拡幅工事などの大規模な土木工事や、京都の地場産業のひとつである友禅染め関係の染色工場が多くあり、その末端の仕事に従事する者が多かったからです。東九条の朝鮮人人口が著しく増えたのは、解放直後(1945年8月)八条通り一帯(現在のJR新幹線京都駅八条口)に登場した大闇市の頃です。祖国に帰るまで一時的に京都駅に立ち寄った一世も多くいました。また、小さな改札口が一つしかない京都駅南口は、大勢のオモニたちの「闇米」買い出しで、いつも混雑していました。

https://www.h-madang.com/

上記の引用からわかるように在日朝鮮人と呼ばれる人たちが多い場所です。その後、高度経済成長を終わりと共に若い世代が東九条から離れ、高齢者が多く残されました。被差別地域であり、今でも「行かないほうがいい」などと聞くことがあります。

次に紹介したいのは、東九条マダンでの呼びかけです。

東九条マダン(広場)成功のために
1 韓国・朝鮮人、日本人がともに主体的にまつりに参加し、そのことを通して、それぞれの自己解放と、真の交流の場をつくっていきたいと思います。
2 在日韓国・朝鮮人すべてが、一つの踊りの輪に参加できる世代交流の場とし、そのことを通して、三、四世の子ども達の生きた民族教育の場を創り出したいと考えます。
3 朝鮮民族の願いである民族統一に寄与するために、生活の場である地域から、南・北和解と統一へつながるマダンをつくっていきたいと思います。
4 東九条で生活するさまざまな立場の人々が、ともに生き、人と人が真に触れあえる、そのようなマダン(広場)にしたいと考えます。

https://www.h-madang.com/

この呼びかけは東九条マダンを開催するために大事な文章ではないかと思います。なぜなら、東九条マダンを開催していくうえで何かに躓いたとき、関わっている人たちみんなで、そこに立ち返れるからです。そして、日本人である自分を意識させてくれるからです。この国で日本人であるということはマジョリティであるということ。それは簡単なことなのに、つい忘れてしまいがちなことです。

今年はWEB配信と展示での開催ですが、コロナ禍以前は地域のお祭りのような感じで、出店や出し物などがたくさん並んでいた記憶があります。前のような賑わいはないかもしれないけれど、関西クィア映画祭でというかたちで参加できてよかったと思います。

関西クィア映画祭の展示設営

わたしは12月3日に関西クィア映画祭の実行委員として、東九条マダンが開催される「京都市地域・多文化交流ネットワークサロン」へ行きました。関西クィア映画祭は展示での参加となります。

展示のために作業中の一花

パートナーである一花に手伝いをお願いし、一緒に行きました。大きなパネルにラミネートを貼っていきます。そして、それを壁に展示するという作業としては単純でわかりやすい作業でした。

関西クィア映画祭の展示

2人でのんびりやって、1時間くらいで終わりました。わたしたち以外にも設営に来ている人たちがいて、挨拶などもしつつ少し見て回って帰りました。

実感を持って知るということ

いろんな展示を見たりして思ったのは、知らないものが日本にあるということです。言われれば当たり前かもしれませんが、聞いたこともない料理や見たこともないお面の数々、詳しく知らなかったハンセン病についてなどを見ていくと、「ああ、こういう文化や歴史があったんだ」と素直に思いました。
なんとなく、在日朝鮮人やハンセン病という言葉は聞いたことがあるし知っていたけど、わたしには実感がありませんでした。
展示設営をしながら、いろんなものを見たり、実際に設営している人の話していることなどから少しだけ実感を持てたと感じます。

わたしはよく「知らないものはその人の中には存在しないということ」と書きます。それを、わたしもやっていたのです(まだそうしている部分があると思います)。展示を見て知るだけでも、知らないという状態から脱することができます。それは、自分が差別をしないためにも大事なことだと思います。わたしは自分が無意識のうちに加害者になってしまわないように、知ることから始めたいと考えています。みなさんはどうでしょうか?

実際に文化や歴史に触れて、知ることができる東九条マダンへ、ぜひ、足を運んでみてください。

2021年の東九条マダン

今年の東九条マダンの詳細は以下の通りです。

【WEB開催】
視聴方法はホームページにて公表
【東九条マダンの日】2021年12月19日(日)午後2時~(スタジオから無観客生中継)
【その後】一定期間配信
主 な 内 容:プンムルノリ、マダン劇、和太鼓、サムルノリなど
主 催:東九条마당(マダン) 実行委員会
後 援:京都府・京都市・京都府教育委員会・京都市教育委員会
【展示企画】
場所:京都市地域・多文化交流ネットワークサロン
日時:12月4日(土)~12月26日(日)(5日・19日は休館日)
曜日別時間帯:月火土=10時~17時、水木金=10時~21時、日=12日・26日は10時~17時

関西クィア映画祭は「第15回 関西クィア映画祭2022」として今年は展示企画に参加しています。お時間のある方、ぜひ、東九条マダンに行ってみてください。展示企画のあいだ、わたしも何度か行く予定なので、もしかしたら会えるかもしれません。

さいごに

第15回 関西クィア映画祭2022では、一緒に映画祭を作ってくれる実行委員を募集しています。
気になるなと思った方はぜひ、映画祭のお問い合わせからご連絡ください!

※2023年現在、実行委員ではなくなりました

東九条マダンに参加したように、これから関西クィア映画祭の実行委員としてもいろんなことに関わっていくと思います。そういった機会を大切にしながら、映画祭をがんばっていきたいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

※この記事に書かれていることは、関西クィア映画祭の総意ではなく、わたし個人のものです
※わたしが実行委員をやったのは、第15回のときです(2023年現在はしていません)



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