被害妄想の線引き
最近の僕は、引きこもっている。
外出すると「見られている感覚」に襲われる。なぜだろうか、ある日から急にそうなった。
人の話している内容が耳から頭に入ってきて、視線が重く肩に乗る。背中に冷たい感触がして、緊張していく。
今は外出していると人の顔を見たり、咄嗟に話すことが難しい。
「他人にどう見られているのか?」ということが気になる。
帽子を深く被り、周りを見ないようにしている僕のことを「変な人だな」と思っているんじゃないかとか、客観的に考えて自分の様子はおかしいだろうとか考えてしまう。
どうしても「世界にとっての異質が自分なのだ」という考えが離れない。
この世の全ての中で自分だけがおかしい。他の人たちとは違う、浮いている。
世の中の全てが白なのに、僕だけ明らかに黒い。それくらいの違いがある。
そう思ってしまう。
少しずつ変化はあっても、周りの目が気になることに変わりはなく、自分がおかしいことにも変わりはない。
こう書いてあるのを読むと「考え過ぎてるだけで、そんなことないよ」と思うかもしれない。しかし、あらゆることにあらゆる可能性がある。
主観でしか世界を見ることができないのに、「自分はおかしくない」「周りから浮いてない」と、どうして断定できるのか。他人の目を借りることはできない、自分の客観的な姿さえ、僕たちは見ることができない。
だから、僕がどう見られているのかということに関しても、あらゆる可能性がある。なんでもないかもしれないし、本当におかしいかもしれない。
今は「自分はおかしい」という方に気を取られているだけで、すぐに「なんでもないかも」と思うようになれるかもしれない。それさえ分からない。
「お前はおかしい」と言われたことがあるから、こういった考えになっている可能性もある。
全て可能性のはなしだ。
どこからを「被害妄想」とするのかも、人によって違う。主観で見れば、自分の言ってることが被害妄想であるなんて思わないかもしれない。
僕はまだ大丈夫。
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