記述問題の『答え方』

期末考査も終わった。
今回君たちの答案を採点していて気になったことがいくつかあったので、試験返却の時に「記述問題に対する『答え方』」の話をいくつかしたけれども、ここに改めてまとめてみようと思う。

1、出題者が求めていることを正確に理解する。

まず、問題に答える前の基本的な姿勢についてだ。
試験を解く時に忘れてはいけないのは、試験には出題者および採点者がいるということだ。(多くの場合、出題する側と採点する側はイコールである)
問題というのは自然発生的にその辺から湧いてくるものではない。出題者の「こういうことを聞きたいな」「こういう所が分かっているかな」というような意図がそこに必ずある。だから、その出題者が解答者に何をして欲しいと思っているかを正確に読み取ることが重要だ。
理由を説明して欲しいのか? 指示語の指すものを答えて欲しいのか?
口語訳をして欲しいのか? 書き下し文を書いて欲しいのか?
そういったことをしっかりと理解できていなければ、全く見当違いの答えを書いてしまう可能性が出てきてしまう。現に、今回の問題でも出題者(つまり僕だけど)の求めていること、あるいは指示(単語で答えるのか、記号で答えるのか、抜き出して答えるのか など)を無視した解答が散見された。それでは、たとえ頭で分かっていたとしても、仮に正しいことを書いていたとしてたって得点にはならないのだ。出題者が求めていることを正確に理解した上で解答するように心がけよう。

2、解答者に伝わる解答を作成する。

特に現代文の記述問題の解答にありがちなのだが、まるで「自己満足」に陥っているかのような解答が散見される。自分の頭の中では分かっているのだけれど、それが上手く伝わらないパターンだ。原因はいくつかあるだろうが、以下に例を挙げてみると、
・解答の中に「指示語」が、指示内容が示されないままに残っている。
・自分の言葉で説明せずに、筆者の表現の引き写しになっている。
・字が無用に小さかったり、粗雑だったり誤字が多かったりする。

などだろう。具体的な文章が無いので分かりにくいかもしれないが、例えば解答内に指示語が入ってしまう場合は、それが指すものを明示してやる必要がある
例えば、「本文の内容を説明せよ」という問題なのに筆者の独特な表現をそのまま用いてしまうと、説明したことにはならない。(言い方がとても難しいのだが、「本文の中で、筆者が独特の表現を用いて具体的に説明しているものを、解答では誰が読んでも分かるように抽象化(一般化)してやる必要がある」のだ。どうだ、わかりにくいだろう。)
例えば、どれだけ正しいことを書こうとしても漢字を書き間違ったり、助詞の使い方がおかしかったり、字が読めなかったりすれば、それは全く伝わらないのである。

3、自分で書いた解答が、自分で理解できるか確認をする。

おそらく小学校段階から、先生たちから「自分で書いた答えの見直しをしなさい」と言われてきていると思う。ところが、記述の解答を見ると、とてもじゃないけど「日本語として…」と閉口してしまうような解答がたくさんある。特に、古典を口語訳する問題などでは異様なまでに日本語が成立していない解答が多い。そういう解答は、だいたい一度自分で読めばわかると思う。国語のテストっていうのは、概して時間が足りないことが多いけれど、一度でいいから冷静な目で、ひいき目なしに、出来れば第三者になったつもりで自分の解答をきちんと見直して欲しい。それによって、「自分の言いたいことが上手く伝わらない」というような状況はかなり軽減されると思う。

以上、簡単ではあるが、僕なりの記述問題の『答え方』に関する3か条である。日頃の問題演習の時から、少しずつ実践して欲しいと思う。


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