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時短勤務への嫌がらせ

 私は仕事が好きだ。
 時代錯誤ではあるが「24時間働けますか?」と聞かれれば「はい」と言えるくらい、忍耐も体力もそれなりにあり、睡眠時間が多少削られても大丈夫である。
 ありがたいことに仕事も働いたら働いただけ給料も貰えるし、貢献度が高ければ昇進もする。

 逆に、夫は仕事が大嫌いだ。
 体もあまり強くなく、残業が続くと目眩や頭痛に見舞われ、土日は昼まで起きてこない。睡眠時間が削られることがものすごいストレスだという。
 さらに夫の職場は、残業をしても給料が貰えない事もあるブラックな職場。夫曰く、「ボロ雑巾のようにこき使われる仕事」らしい。

 そんな我々のもとに、子供が産まれ、仕事大好き人間だった私は産育休を取ることとなり、今も絶賛休職中である。

 今後の課題となるのは、「どちらが時短勤務をするのか?」である。

 世間では妻の方が時短勤務をする事が多いと思うが、我々夫婦は先述の通り、私の方がフルで働いた方が良いのは明白である。

 妊娠中も「私がフルで働いた方がお金も入るし、互いの精神的にも良いと思う」という話をしていて、仕事嫌いな夫も「そうしてくれると助かる」と言った。夫は仕事嫌いでも家事は好きであり、家のことを頑張ってくれる気配はある。

 しかし、子供が産まれてから急に夫の意見が変わった。

「俺は時短勤務ができない。時短勤務をしている人がどんな目に合ってるか知ったら時短勤務をしたくなくなった。」

 夫の職場では、時短勤務をしている人に明らかに終わらない量の仕事を押し付けているのだという。案の定、時短勤務なので仕事が終わらないか、仕事のクオリティが下がり、どんどん評価を落としていくのだという。

  なんなんだそれは。

 なぜそんな事が起きているのか。夫の職場の人達は黙ってそれを見ているのか?ブラックにも程がある。

 結局、夫の時短勤務は不可能に近くなり、私が復職したら時短勤務をする事になりそうだ。私はそれがすごくもどかしい。

 私だって、妊娠がわかって外された仕事もあるし、任されそうだった大きな仕事も時期が産休中とかぶる事がわかったら消えてしまった。
もちろん妊娠はすごく嬉しかったが、消えてゆく仕事がある事も悔しくて仕方なかった。だからこそ復職したらフルスロットルで働いて仕事を取り戻したかった。

 なぜ、夫のブラックな職場環境に、働く力がある私まで合わせなくてはならないのか。

 夫には転職も勧めたが、年齢的に厳しいからと取り合ってくれない。そもそも働く事が向いていない性分なのかもしれない。
 
 だが、この世にあるブラックな職場環境が我々のような負の連鎖を産んでいる事を自覚して欲しい。

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