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久しぶりの都内散歩

先日、久しぶりに都内を歩きました。駒込と池袋にちょっと用事があって、その度ごとに少しの時間、気の向くまま歩いてみました。

駒込霜降り辺り

図面の仕事をやり始めた当初、私は文京区の本駒込というところに住んでいました。古いアパートの六畳一間。しかしそれでも四畳半からの転居では、さすがに六畳だ、広い!と感じたものです。

ターミナルでは地下鉄の白山が近かったのですが、私は気まぐれにJR駒込駅までブラブラ歩いて納品に出かけていました。今は駒込にも地下鉄が通じているようです。都営南北線とあります。これはどこまで通じているのでしょうか。調べてみると南は目黒、北は赤羽まで、途中四谷や六本木を通過して続いているようです。本駒込にも駅ができています。ビックリ。隔世の感ありです。

納品先の会社は代々木にありまして、最も楽なのは代々木から水道橋へ行って都営三田線に乗り換えて白山まで帰るルートでした。しかし私はしばしば駒込からわざわざ時間をかけて自宅のアパートまで歩きました。当時は本当にややこしいことや心配事や辛いことが多くて、あれこれ考えるために歩いたのでした。


霜降り商店街入り口

駒込周辺は割と賑やかで商店も沢山あって、食事のための買い物をして帰るのが楽しみでした。買い物って男女問わず楽しいのですよね。それが精々日常の小物であっても。揚げ物の摘まみをいくつか買ってビールを飲んで転がるのが細やかな楽しみでした。血糖値の高い今では考えられないですが、当時は何も心配していませんでした。


霜降り商店街は駒込駅のメイン口からやや北に歩いたところにあります。ほんの少し狭い路地のような部分があります。少し陽がずれると急に影ができる程狭いです。当時の住まいからは逆方向なのですが、割とよく立ち寄りました。狭い商店街ってなんだか好きなのですね。外れからずっと歩けば都電の滝乃川まで到達します。今回は池袋にも用事があったので適当にしか立ち寄れませんでしたが。

昔はこの辺りに第一勧銀の駒込支店があったように思うのですが、見当たりません。銀行の支店の統廃合はすさまじくて、街はドンドン変わって行きます。


狭い雰囲気がとってもいいです。もう少し時間が経つと買い物客でいっぱいになるのでしょうね。下町ってほんとにいいのですよ。ブラッと買い物も楽しいしどこでも一杯飲める。たまりませんね。


おや、ジーンズショップがありますね。そう言えば昔はジーンズ一本やりだったのにいつの間にか穿かなくなりました。どうしてでしょうね。今ジーンズを穿いている人って見ないですね。私は好きなのですが…。と言っても家にあるジーンズはこっちのお腹が出てしまったのでとっくに穿けませんけど。


昔の霜降り商店街

その当時の霜降り商店街のカットを一枚だけ見つけました。大沢のレンズのテストのために歩きました。当時ですからネガフィルム。安物のサービスプリントの複写です。夕陽を背に受けてカメラを構えているシルエットが私です。場所は商店街の途中で二股に分かれている辺りですが、すっかり景色は違っています。レンガだけがそのままです。東から歩いてきて振り返って撮影しているのですね。


駒込駅への上り坂

霜降り商店街の東の口から駒込駅に向かいますが、やや斜面になっています。この通りは本郷通りというのですね。私は車に乗らない暮らしをしてきたので通りの名前を殆ど記憶することがありませんでした。


車がひっきりなしに通るので隠れてしまいましたが半ほどに中古カメラ屋さんがあります。私はこの店で三台のカメラを買っています。何人かの経営でやっている気配でしたが、あまり愛想のよいカメラ屋さんではなかった記憶があります。いわゆる頑固おやじ系でそのスタイルで雑誌にも紹介されたりしていたのですが、私自身はあまり好きにはなれませんでした。元々それ系は嫌いなのです。頑固ラーメンなんてのも食べたことないです。

もっとも、それから30年経っているので代替わりしているでしょうが。今回も覗くことなくそのまま通り過ぎました。今はもうスマホしかいじらないですし。

まあそれでも、三台も買ったのです。どこへ行ったのか、今はなくなってしまいました。他人に譲った記憶もないのだけど、不思議なことです。

池袋の見知らぬところを歩いてみた

散歩と言っても本来の目的があるので駒込ではそれ程ゆっくりはできませんでした。池袋で用事を済ませた後の夕方、周辺を少しうろつきました。駒込には6年住んだのですが、後に一旦西巣鴨に転居しまして、しかしこれがややこしいところで、多分言っても誰も信じないような事柄に遭遇しました。それで半年持たずに、今度は小石川に転居したのです。今度は地下鉄丸ノ内線。ターミナルが池袋に移動したのです。


それが切っ掛けとなって、池袋の酒場--ふくろ--で独り飲みをする習慣ができました。池袋から小石川は終電を逃しても歩いて何とか帰れる距離で、池袋駅とその周辺の狭い部分に限っては庭のように思っていたのですが、転居して30年近くになり、今は近頃の池袋のほとんどを知りません。

アニメイトもここにありますね。白状しますとアニメ人形幾つか持っています。ムフフ。


昔の豊島区役所があった辺りはあまり賑やかな印象はありませんでした。私もそもそもこの辺りをうろつく用事そのものがありませんでしたから夜になれば薄暗い公園があったなという程度の記憶しかありません。しかしその場所が、ハレザなる名前でとっくに再開発されて、以前のちょっと田舎臭い池袋のイメージと様変わりした印象があります。


と言っても私が長い間何も知らなかっただけです。ビルの中まで立ち寄れなかったけれど、充分な時間を取って徘徊してみたいところですね。

そうそう、思い出しましたが、昔この辺りにも中古カメラ屋さんがあったのですよ。西口にもカメラのキタムラがあったはずですが、それとは別のカメラ屋さんがあったように記憶しています。名前はもう忘れました。街はドンドン変わっていますね。


賑わう夕方の街を眺めていると、江戸川乱歩の何の小説だったか思い出せませんが、夕暮れ時に空のブルーが濃くなって街の明かりが灯り始める。その瞬間の幻想的な----。


これから始まる宴もあるし、恋人とどこかで待ち合わせだってあるでしょう。それらがこれから始まる。そんなウキウキした瞬間を思ってしまいます。最も楽しい瞬間でしょうね。私もついどこの店にでも入って一杯やりたくなります。もちろん後で飲むのですが。


そうそう、こんな入り口をみるとつい吸い込まれそうです。好みで言えばもっと狭い方が良いけどね。


中華料理幸楽

昭和な雰囲気の中華料理屋さんがありました。ここはまた違った通りです。通りの名前を確認し忘れましたが東通りでしょうか。なにやら昔は見たことのないタワーのようなビルが見えるので行ってみようと歩き始めたのです。私はこんな感じの斜めに切ったようなところが大好きなのでちょっと目に止まってしまいました。


振り返って見ました。オレンジ色のドアも何とも言えません。親しみ深い池袋と言っても実はこの通りは初めて歩きました。それこそ大昔に鬼子母神雑司ヶ谷辺りを徘徊したことがあるので、もしかしたら歩いているかも知れません。

それにしてもこんな感じの中華飯店のミニチュアを作ってみたい気に駆られますね。血糖値の関係で麺類やご飯ものは敬遠しているのですが、今度通ったら軽いものでも食べてみようかな。池袋に出たら必ず居酒屋へも寄るので難しいところです。


通りをずっと進むと大きなビルが見えてきました。こんなのがいつの間にできたのかと、本当にまるで私はお上りさんになってしまった感じです。高層マンションであろうことは想像が着くのですがこれだけ大きいと色んなマーケットなどが併設されているはずです。そういうのが割と好きなのですよね。


グッと近寄りました。なにやらSF映画に出てきそうな感じじゃないですか。どういうものなのでしょうねこれは。

ああしかし、なんとこれが新しい豊島区役所じゃないですか。ここへ移っていたのか。

ちょっと調べてみると役所の他にも色んなものが併設されていて空中庭園みたいのまであるようですね。バビロンを連想するじゃないですか。一度早い時間に訪れてみたいですね。なかにシャレた喫茶店なんかないでしょうかね。

私は朝起きるのが遅いし家を出るのも遅いので池袋に着いたら夕方というのが基本です。難しいところです。夜でも入れるのかな。


その周辺ですが、見たことのない風景です。この辺りも古い民家がチラホラと残っていたように思うのですが、再開発の途中なのですね。どんなに変わって行くのでしょうか。すっかり変わったら、いつかまた歩いてみたい気がしますね。

私は実は東京タワーにも行ったことがありません。子供の頃に見た映画の、あのモスラによってへし折られて以後東京タワーは憧れでした。しかし上京すると有難みがなくなって、いつでも行ける感のまま、また田舎に転居してしまいました。都内をゆっくり歩こうと思ったら泊りがけです。でも、いつかそんな機会を持ちたいです。昔住んだ街や、歩きたいところが一杯あります。

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