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明日は面接です。

 すっかり夏のような暑さですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は汗をかきながら前へ前へと歩いています。

 今日は1日予定がなかったので、大学の応募書類を集中して作成しようかと思っていました。しかし、あえて予定を変更して何もしないことにしたのです。理由は明日いよいよ今回の大学応募で初めての面接があるからです。特に何らかの対策を考えているわけではないのですが、体調を万全にしようと思って細かい作業が多い応募書類の作成はかえって体に悪影響を与えると考え、思い切って書類作成を取りやめにしたのです。これも今までの私ではできなかったことです。これまでの私であれば常に不安な気持ちに駆られていたので、もっと応募する大学を増やして応募母数を増加させることに必死になっていたと思います。大学にいた時も常に得体の知れない不安に心が覆われていて、何かしていないとその不安に襲われてしまうのが怖くて必死でもがいていたような気がします。その結果、今回の心身の破綻を招いてしまったのだと分析しています。

 そこで、今回は敢えて明日の面接に備えるために何もしないという選択をしました。そして、いつものように朝ドラの総集編を見て涙を流していると、その後に「新プロジェクトX」が再放送されていました。今回は隠岐諸島の海士町が舞台だったので思わず見入ってしまいました。実は海士町に以前私の知っている人が住んでいました。海士町には隠岐島前高校という高校があるのですが、そこで働いていた先生なのですが、私の授業にオンラインゲストとして話をしてもらったことがあったのです。その時もとてもユニークな高校だなと思って話を聞いていたのですが、その授業後、とある学生が「今日の高校の先生の話がとても感動した。」という感想をわざわざ私に伝えにきてくれたのです。

 実はその学生はいつもハスに構えて授業を受けていたので、他の学生の意見には常に批判するような意見ばかり言ってました。そのため他の学生からあまりいい印象を持たれていませんでした。なので教室の中でいつも孤立していたので、私は時々声をかけて研究室に呼んだりしましたが、結局そこでも他の学生とあまり交流することはありませんでした。いつもそんな感じだったので、彼は一体何に関心があるのか掴めずにいたのですが、その彼がわざわざ授業後に私のところに感動したと伝えてくれたことにびっくりしたのです。そして、興奮気味で話す彼に私は「じゃ先生に会いに行ってきたら?」と提案しました。最初は戸惑っていましたが、やがてどうやって行けるかをスマホで調べ始めたのです。私が勤めていた大学から海士町はかなりの距離があります。彼は今まで一度も県外に出たことがなかったので、その彼にしてみれば大冒険のように感じたのではないかと思います。

 結果的に彼は学生の間に2回も海士町に行くことになりました。ちなみ海士町にはコンビニがないそうです。なので、みんな夕方に家に帰って早々に寝るそうです。もちろん家には鍵がかかっておらず、その学生もいきなり先生の家に入って先生が学校から帰ってくるまで待っていたそうです。そんな素敵な島の生活が、彼の考えを大きく変えてくれました。今まで人を見下していた態度が島から戻ってくるとすこし変わっていました。もちろん劇的な変化ではなかったですが、それでも彼にとっては学生時代の貴重な経験になったのだと思います。卒業して保育士になるという夢を見つけて大学を卒業していきましたが、その後、彼がどのような人生を歩んでいるのか、今の私には知る手段を持ち合わせていませんので、ただただ幸せな人生を歩んでいてほしいと願うばかりです。

 今回の新プロジェクトXの海士町の取り組みを見て、やっぱり日本中、いや世界中から人が集う大学を作りたいと改めて思いました。日本には学生が学べるフィールドがいっぱいあるんですよね。日本全体を巨大なキャンパスに見立てて、そこでお互いに切磋琢磨する環境を整えることができたとしたら、どんなにすごい化学反応が起きるのかと一人ワクワクしています。明日の面接は、この勢いそのままにド派手に行こうと思います。単なる妄想で終わるのか、妄想が実現していく第一歩になるのかわかりませんが、もしその一歩を踏み出せたらきっとシン・新プロジェクトXぐらいで取り上げてもらえるかもしれませんね。みなさんどうか明日の面接が良い結果につながるように祈っててください。そして、みなさんに吉報を持たらせる機会がつかめるように応援しててください。

 これから大学教員になる人には、諦めずに目の前の人の成長を信じ続ける人になってほしいと思います。そして、自分自身の成長にもとことん信じ切ることができて、自分の成長を止めない人にみなさんがなれることを心から願います。

 (水瓶座の動画を見すぎて、とうとう中国語の動画が出てきた元准教授でした。中国語でわかるのは「我爱你」だけです。)




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