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5分でわかる!会社四季報の読み方 株式数・財務編

こんにちは。株好きFPのりえです。

会社四季報の株式数や財務の欄がイマイチ理解できないと言う友人からのお悩みにお答えします。確かにいろいろ書いていてわかりづらいですよね。まず押さえておきたいところは、時価総額、自己資本比率、有利子負債、ROE、キャッシュフローです。数字が苦手でも大丈夫ですよ。気になる箇所だけ読んでも理解できるように、順番に解説していきます。

時価総額

時価総額とは、企業価値や会社の規模を評価する指標です。

株価×発行株式数

で算出することができます。時価総額が、1000億円以上になると、機関投資家などの大口投資家の資金も入ってくると言われています。大口投資家は情報量が多いため、個人投資家は負けてしまいます。そのため、時価総額が500億円以下の小型株は個人投資家が勝負しやすいと言われています。

1.自己資本比率


自己資本比率とは、上の貸借対照表の負債と純資産を合わせた総資産に対して返済不要の自己資本(純資産)がどのくらいの割合かを表したものです。計算式は、

純資産÷総資産× 100

です。一般的に30から40%以上あると安全と言われています。

資産には、株主から調達したような返済しなくていい「資産」と、銀行などから借り入れし返済しなければいけない資産、「負債」があります。その合計が総資産であり、総資産から負債を引いたものが純資産になります。総資産に対する純資産の割合が、自己資本比率になります。

2.有利子負債

有利子負債とは字の通り、利子が有る負債のことです。先程の図の負債の欄にある、短期借入金や長期借入金が有利子負債です。一般的に、純利益の10倍以内なら安全と言われていて、10倍を超えると有利子負債が多いと判断されます。

3.ROE(Return On Equity)

ROEとは、自己資本純利益率のことです。自己資本を使ってどれだけの利益を出すことができたかを表す指標で、少ない資本でたくさん稼げたほうが効率的な経営をしている会社と判断できます。

純利益÷自己資本× 100

で計算することができます。

一般的に10%以上あると良いと言われています自己資本比率とは相反する指標ですが、自己資本比率も良く、ROEも高い会社もたくさんあります。現時点で、ROEが低くても毎年改善している会社であれば、会社の価値が上がっていく可能性が高いと考えてもよいでしょう。会社IR資料に、ROEの目標が記載されていると好印象です。

4.キャッシュフロー(CF)

キャッシュフローとは現金の流れのことです。現金の流れが滞ると、黒字でも倒産する可能性があります。これを見抜くことができるのが、キャッシュフローです。営業CF、投資CF、財務CFの3つがあります。順番に解説します。

営業CF

営業キャッシュフローは、プラスが望ましいです。
まず、税引き前当期純利益から始まります。営業キャッシュフローでは、実際に支払っていない費用である減価償却費が足し戻されたり、在庫や売掛金が増加すると、マイナスされたりして営業キャッシュフローが増減します。


上の表は、ライザップ(2928)の2018年3月期の決算短信から引用した、営業キャッシュフローです。
先程の解説の通り、減価償却費はプラスされています。棚卸資産とは、在庫のことです。2017年度より大幅にマイナス、つまり在庫が増えています。売れなくて増えているのか、売れているから増やしているのか確認しましょう。

営業債権及びその他の債権も、前年度より大きくマイナスとなっています。これは、売り上げは立っているけど現金はまだ入っていない状態といえます。売り上げがよくても、現金が入って来なければ資金繰りが悪化する原因なので、キャッシュフローを見ることはとても大事です。前年度より大きく増えていると言うのは、理由を探る必要があります。決算書のページなどを見て確認してみましょう。

投資CF


投資キャッシュフローはマイナスが望ましいです。
投資キャッシュフローは、固定資産の増減に伴う現金の収支をチェックします。有形固定資産(土地や建物など)を取得したら、支払った金額がマイナスとして計上されます。反対に売却したらプラスとなります。業績が悪化して事業再編などで、売却が多いとプラスになります。また、この頃のライザップは、多くの会社を買収していた時期なので、子会社取得の費用も計上されています。

財務CF



財務キャッシュフローは、マイナスでもプラスでもどちらでも大丈夫です。
財務キャッシュフローは、社債や借入金が多いとプラスになります。返済が進むとマイナスになります。有利子負債の項目でお伝えしたように純利益の10倍以内であれば問題ないので、財務CFがプラスというだけで悪いという判断にはなりません。また、配当の支払いも財務キャッシュフローの項目に計上されます。ここにはありませんが、自社株買いはマイナスに計上されます。

まとめ

会社四季報の財務・株式欄で、最低限チェックしておきたい項目を解説しました。
気になる企業の決算書を使いながら見ると理解が進みます。
ぜひやってみてくださいね。

*参考資料 ライザップ201803決算短信

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