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ふゆ。それはとうめいな季節。
こんばんは。
ここ数日で気温がぐんと低くなりましたが、みなさま、体調を崩されていませんでしょうか?
私は、朝が起きるのが辛いですが、なんとか元気にやっております。
朝起きて、自然光を浴びようとカーテンを開けたら、まっしろな雪がふわふわと舞っていました。
夢から醒めやらぬまま、ガラス越しに見る純白の景色。私はまるでスノードームの中にいるみたいだな、と思いました。時間がゆっくりと流れていくようで、ときめきが止まりませんでした。
雪が好きなのって、子どもだけだよね。
以前、そんな事を人と話したことがあります。
寒くって、移動にも気をつかう、という話をしたのですが、いざ、雪が降るとやっぱり瞳をきらきらとさせてしまう自分がいます。
文豪たちは、雪をどんな風に表現しているのか知りたくなって、青空文庫をのぞいてみました。
見渡すかぎり地は銀沙を敷きて、舞ふや蝴蝶の羽そで軽く、枯木も春の六花の眺めを、世にある人は歌にも詠み詩にも作り、月花に並べて称ゆらん浦山しさよ、あはれ忘れがたき昔しを思へば、降りに降る雪くちをしく悲しく、悔の八千度その甲斐もなけれど、勿躰なや父祖累代墳墓みはかの地を捨てゝ、養育の恩ふかき伯母君にも背き、我が名の珠に恥かしき今日けふ、親は瑕なかれとこそ名づけ給ひけめ、瓦に劣る世を経よとは思しも置かじを、そもや谷川の水おちて流がれて、清からぬ身に成り終りし、其あやまちは幼気おさなぎの、迷ひは我れか、媒は過ぎし雪の日ぞかし。
わたしは雪が大好きで、雪がふってくるとおもてにとび出し、あたまから雪を白くかぶるのがおもしろくてたまらない。
わたしの小屋は村の人たちのすんでいるところから四百メートルほど山の方にはなれていて、まわりに一けんも家はなく、林や野はらや、少しばかりの畑などがあるだけで、雪がつもるとどちらを見てもまっしろな雪ばかりになり、人っこひとり見えない。むろん人のこえもきこえず、あるく音もきこえない。小屋の中にすわっていると、雪のふるのは雨のように音をたてないから、世界じゅうがしずかにしんとしてしまって、つんぼになったような気がするくらいだが、いろりでもえる薪がときどきぱちぱちいったり、やかんの湯のわく音がかすかにきこえてくる。そういう日が三ヶ月もつづく。
こういう作品を読んでいるとあらためて冬は静かで、繊細な季節だと思います。そして、今も昔も、同じような感覚を持って過ごす人がいることに心が温まってきます。
そうそう。宮沢賢治の「ひかりの素足」も冬にぴったりな作品で、幻想的な世界が広がっていてほんとうにおすすめです。青空文庫でもよめます。
コミック版もあるみたいなので是非チェックしてみてください。
冬は透きとおっていて、空気が透明になっていくように思えます。
鼻先がつめたくって、指先がかじかむ。
だけれど、冬は鉱石のように美しいから、やっぱりなくてはならないな、と思うのです。
大学からの帰り道、下校する小学生とすれ違ったのだけれど、口を開けて上を向いて、雪を食べようとしていました。
冬をからだじゅうで受け取ろうとしていて、憧れるな、と思いました。
終業式、まだかなぁ。クリスマス、なにもらえるかな。冬休み、楽しみだね。
心の中で昔の私と話したのでした。
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