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定年退職後にひとり旅を楽しむなら!

家族や友だちと行く旅行は行き先を問わず楽しい。
道中も話し相手がいるからだ。
しかし一人旅は孤独だ。
孤独なのに一人旅に憧れる人は多い。
誰にも気を遣わず自由気ままに旅ができるからだ。


楽しいと思えるひとり旅の条件!

海外旅を少ししてから車中泊ひとり旅をして気付いたことがある。
ひとり旅を楽しむためには普通の旅では満足できないということだ。
ソロキャンプの楽しさと一人旅は違う。
例えば自動車道を一人で何時間もドライブしても楽しいことなど何ひとつない。

旅なら何でも楽しいと思っていたが

定年退職したらひとり旅をしたいと思っている人は多い。
私もそのひとりだった。
私の旅のテーマは「アジアを歩く」だった。
入念に計画を立て、できる限り予算を抑えた貧乏旅をコンセプトにした。

ほどなくコロナ禍で海外に行けなくなり、車中泊で国内を廻るひとり旅に変更した。

海外か国内という違いはあったができる限り予算を抑えた貧乏旅というコンセプトは同じだった。

それなのにこの二つは大きく違っていた。
明らかに楽しくなかった。

海外旅は計画段階からウキウキワクワクした。
旅先でも思い出に残る楽しいことは多かった。

一方国内一人車旅は何か期待はずれが多かった。
なぜそんなに違うのかを想像して理由を探すと少しずつ答えが見えてきた。

旅なら何でも楽しいと思っていたのは間違いだったようだ。
そしてひとり旅を楽しむ要素は一つではなかった。

人と関わることで旅は数倍楽しくなる

海外旅から国内旅に切り替えた時の理由がコロナ禍ということもあり、国内旅ではできる限り人との接触を控えた。
特に車旅は人と接触することがなくても旅をすることができる。
車中泊なら尚更だ。

ナビに頼れば迷うこともない。
コンビニやスーパーで食料品を仕入れ車内で食べるから人との接触はレジくらいだ。
当時は温泉も人数制限されていたから混み合うこともなく、誰とも喋らないように心掛けていた。

しかし人と関わらないことが、これほど旅がつまらなくなるとは思ってもいなかった。
思い出せば海外旅は色んなところで多くの人と関わっていた。
空港で分からないことを職員に聞いたり、ホテルでもスタッフに色んなことを聞くのは当然だ。

飛行機に乗って隣の席の人と話すこともある。
観光地でも同じことだ。
これまでは、このような人とのかかわりが旅を楽しくしているという認識もなかった。
海外旅ではごくありふれたことだったからだ。

コロナ禍が明け、国内の車中泊旅のスタイルを少し変えてみた。
人と関わる機会を敢えて作るように心掛けたのだ。

例えば温泉地に行く時はあらかじめその地のB級グルメや食堂を調べた。
スーパーで食料品を買って車で食べる方が低予算というコンセプトには合致するが、敢えて食堂で食事をすることで人との関わりを作ろうとした。

海外旅では予算を抑えた貧乏旅ほど人とのかかわりが増えることは明らかだ。

ハードルを上げると旅は数倍楽しくなる

車旅のメリットは気軽に旅ができることだ。
大した準備も必要なく、いつでもどこにでも行くことができるのは車中泊旅の最大のメリットだ。
しかしその気軽さが旅の楽しさを削っているということにも繋がっている。

海外個人旅行では時間をかけて準備をした。
思いついてから実行するまでに1ヶ月以上準備に充てたことも稀ではない。
その期間は旅行の実行期間よりも楽しかった。
旅行に行くまでの期間はずっとウキウキワクワクすることができた。

旅行を想像している時は、旅行中よりも楽しいということを実感できた。
それは個人旅行だったから全て自己責任で企画しなければならなかったからだ。
旅行会社でお金を払えば簡単にできることも全て自分で行った。

つまり初めての経験を増やしたのだ。

そこで私は車旅だけで完結しない旅も計画した。
港の駐車場に車を置いて瀬戸内海の島にフェリーで渡り、公共のバスで島を巡ったりもした。
車の便利さから敢えて離れることで旅のハードルを上げようとした。
車以外の乗り物で旅をするというだけで荷物の量や持ち物にも気を使い、フェリーやバスの時刻表を調べ計画を立てることで旅のハードルは少し上がった。

登山者が危険を犯してまでハードルを上げ冬山などに挑戦するのと同じ理由だ。

旅の価値は行ったという実績ではない

一度は行ってみたいという目的で旅をすることもよくあることだ。
しかしそこへ行ったとしてもただ行ったという実績が増えただけだ。
それが悪いのではなく、それが楽しいかどうかということだ。

私も最初は行ったことがないところを探し、そこへ行くのが目的で車旅をした。
しかし残ったのは「行ったことがある」という実績だけだった。

楽しかったと思えるのは目的地へ行くための手段や動機だと思った。
そのどちらもハードルが高いほど楽しさは倍増する。
車より自転車、自転車よりも徒歩の方が時間がかかり苦労する。

鳥取砂丘は行ったことがないからという動機より、鳥取砂丘の美しい夕日を撮影したいという動機の方が何倍もハードルが高くなるが達成感は高くなる。
鳥取砂丘で美しい夕日を撮影するためには梅雨時期の夏至に近い日と時期も限定され、天気や時間も限られる。
よほどよく調査して計画しなければ無駄足になるから、撮れた時の達成感も楽しさも倍増するということだ。

海外個人旅行も、目的地へ行くまでの道中に何度も小さなアクシデントに遭遇するが、そのアクシデントを乗り越えながら目的地にたどり着くから忘れない旅になると言ってもいい。
バスに乗り遅れたり予約しているホテルに辿りつけないといったことだ。

そんな苦労をした旅ほど思い出にも残り、楽しかったということになる。

定年退職後に楽しいひとり旅をする心構えのまとめ

定年退職したら日本一周したいという人もいる。
そんな時にこのようなことを考えると旅を楽しくすることができるだろう。

「人と関わる努力を怠らない旅」「ハードルを上げる旅」「実績作りではなく動機をよく考えて旅を計画する」といったことだ。

車中泊旅を繰り返していた頃、YouTube動画で旅動画を発信していた。
どこへ行っても感動することはないといった、車旅への違和感をそのまま発信したことがある。
その動画の反響はそこそこ大きく概ね共感して頂けたが、言語表現の下手さもあり反感もあった。

今日書いたことも絶対ではない。
私の主観に過ぎない。
しかし同じように感じている人の動画やブログを拝見することも稀ではない。

バイクで日本一周していたが移動時間ばかりが多く楽しくなくなって途中でやめたという方や、ひとり車中泊で日本中を旅したが想像とは違っていたという人もいる。

自由気ままに旅ができる、行きたい時にすぐに旅立てる、誰にも気を遣わず旅ができるといったひとり旅の魅力はそのままひとり旅のデメリットでもあるということだ。

アクシデントも一期一会もない安全安心な旅は私には向いていないと今更ながらに悟ったのだ。

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