【別枠】 死刑囚表現展2021へ行ってきた件

正直こういう内容は不快に思う人もいるだろうしTwitterではなんだか記載しにくかったのでこちらに記載します。わたし自身が感じたことなので考えを押し付けるつもりはまったくないです。去ってしまうフォロワーさんもいるかもしれないなと思いながらも。ごめんなさい。

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今日「死刑囚表現展2021」というものに行ってきた。行って良かったのか悪かったのかなんとも言えないが会場を出た時にかなしくてやるせ無くて、なんだか気持ち悪いなと思った。

有名な死刑囚もいれば全く知らない名前も。どんな悪行をもって死刑囚に成り果てたのか、一人ひとりスマホで検索しながら観て回った。

凶悪な殺人を起こしながらも、こんなにやさしい絵を描くんだなとか驚くほどの芸術的才能だなと思う人もいれば、自らの作品の中に冤罪や死刑廃止などのメッセージを連ねている人もいて、本当にさまざまだった。

〈簡単な鑑賞メモ〉
◆堀慶末死刑囚
女性の鉛筆画(雑誌の模写?)がとても美しい

◆長谷川静央死刑囚(ペンネーム露雲宇流布)
ローンウルフ・・・
80代とは思えぬ創作の熱量!
ピカソ的な作品や見たことのある作風多い
女性に対しての執着がすごい
「美しい過去と忌々しい現状を私はいかに
 処すべきか」の表現に驚き、贖罪の念とは、、

◆原正志死刑囚
女性の裸体(うまい)の周りに
日本核武装、原発、天皇制粉砕、狭山闘争等の
文字がびっちり その間にEカップ・Disney等突拍子もない単語も出現
全体的にPOPでとてもシュール
※検索すると過去の作品が見れます

◆ペンネーム麻酔切れ
あわくてやさしい

◆加藤智大死刑囚
白黒のアニメ風イラストが上手、構図が独特
「八甲田山」という余白の多い大きな作品が圧巻

◆山田浩二死刑囚
鬼滅のイラストの横に英語ハングル日本語で
助けて、死刑廃止などのメッセージ多数
刑務官?に対しての文句を書き連ねた便箋も有
全体的に気持ち悪く見ていられず

◆林真須美死刑囚
赤黒白メインの抽象画
4作品中3作品に太い曲線が描かれている
絞首縄の下部分(首に接する部分)なのでは?
悲観・絶望という印象

◆植松聖死刑囚
「死刑彼女」挿絵の女性の優しい微笑が印象的
「死刑は必然」とだけ書かれた封筒が
あの会場の中でただただ異質

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獄中で後悔や懺悔の気持ちを持って作品に昇華させているのか、ただの娯楽としてなのか、創作の目的は様々だろうし、パッとわたしが観て作品に込められた想いもわからない。(明らかに反省をしていない人の作品はわかった)ただなんとなく、林真須美死刑囚の絵は反省や悔いというより悲観・絶望という凄まじいネガティヴな印象を受けたし、創作に対しての熱量が高い死刑囚がいることも感じた。

わたしは冤罪でないことを前提に死刑はあるべきと考えている人間なんだけど、世の中の廃止論者の考えを否定はしない。それに何人にも表現の自由があって良いと思っている。獄中で描きたいものを描きたい時に描けばいいし、それを展示するのも自由だと思う。(遺族がそれを観て救われることはないだろうけど)

わたしが今回の展示を観に行って違和感を感じていたのは主催者が「死刑廃止のための基金・フォーラム」ということだった。死刑囚の作品をもって、「こんなに美しい絵を描ける人だよ、反省してるよ、死刑囚だってこんな感性をもっている人間だよ、死刑なんて非人道的なことはやめよう」と訴えることへの嫌悪感。

「死刑囚が生み出す芸術作品」と「彼らの犯した罪とその裁き(死刑)」は一緒に語るべきではない全く位相が違う話。
死刑囚も残された命で好きに表現したら良い、それだけだと思う。

(そもそもこの主催者は、優生思想をもち自らの死刑を望む植松聖死刑囚の「死刑は必然」という作品をどう捉えて展示しているのか。そこに大きな矛盾はないのか。。。)

なんだか、会場を出た後にモヤモヤして一言で言うと気持ち悪かったという話でした。

不快に感じた方がいたら本当にごめんなさい。

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