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「リスト読書」のススメ

「三行で撃つ」の続編として出版された1冊。なんやろう、グッサグサに突き刺されつつ快感。穏やかなちゃぶ台返しって感じで、これまでの読み方を喝破してもらえる。読んでいない人はぜひとも読んでほしい。特にライターは。

140ページからの「B面 先人が選ぶ」の章は、これまで好きな本や興味を持てる本を読んでいた私にとって大衝撃。愛読家であり、偏書家だったヒトラーを例に挙げ、好きな本ばかりを読む危険性を指摘する。

つまり、読書そのものは、人格を育てない。劇薬だ。興味の赴くままただ読むのは、有害でさえある。ヒトラーのように、人類の災厄とすらなる。

生涯を濫読で終わってはいけない。人生のある時期だけでもいい。リストに沿ってカノン(正典)を読む。

リスト読書を通過したのちには、あとはなにを読んだって構わない。劇薬であろうとなんであろうと、咀嚼するあごの力が備わっているのだから。

近藤康太郎さん著「百冊で耕す」より

この文章に触れ、私はすぐリスト読書を始めた。まずは、近藤先生のやり方を真似して1日15分ずつ1時間、複数の本を並行読みしている。20代で手を出して全く意味が分からなかった国内・国外の古典文学も、リストに沿って再挑戦しようと思う。

✳︎

先日の「三行塾」で、先生は腐葉土の話をしてくださった。土を耕して腐葉土にするのがリサーチ。その上に咲いた花の部分を書くのだ、と。

読むと書くはセット。

朝1時間早く起きて、妄想を吐き出し、15分ずつの読書で養分をたくわえる。書けるようになりたいなら、書くしかないんや。

あーだこーだと理由をつけるのはやめた。注文がなくたって、だれも見ていなくたって、ええやん。

「書いた」事実は消えない。文章は残る。

近藤先生のおっしゃるように、自分全集の草稿(はじめに)に載っければいい。

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