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学校を、あきらめない。ーーー



『お友達と、
 触れ合わないようにしよう』


2020年、息子が小学校で学んできた。


他にも、たくさん。

・マスク無しで会話をしない
・歌わない
・笛をふかない
・ピアニカをふかない
・校庭で鬼ごっこをしない
・給食は前を向いて静かにたべる


運動会や、音楽会、
プールや、バザーや、夏まつり、
授業参観も、懇談会も、
ほとんどすべてが中止になった。


入学したばかりの1年生が、
お友達と手をつないだ瞬間、

あ!

と、自分で気づいて、
パッと手を離しているのを見て、
なんだか胸が痛くなってしまった。。


でも ーーーーー


でも、と思った。



私が小学生だったころ、
学校の先生は、とても怖くて。
叩かれて、殴られて、
髪をひっぱられて、痛かった。


ーーー そんな時代だった。


なんて言うのは悲しいけれど、、
教師の暴力が当たり前で、
保護者は「もっと厳しくしてください!」
とお願いする人が多かった。


⦅人に触れないように。⦆


そうすることで、
学校での暴力が減るのかもしれない。
そう思った私は ……


⦅人に触れないメリットを、考えていた。⦆


いいことかもしれない。
先生に叩かれないなら、それは、
逆にラッキーなことかもしれない。


ーーー しずかに過ごそう。
ーーー 触れず、話さず、しずかな毎日を。


そう考えていた私は、面食らってしまった。
久しぶりに学校へ行ったら、

先生たちが・・・

以前にも増して、
子ども達をとても明るく、迎えてくださっていた。




手に触れてはいけない ーーーーー

だったら、ひじタッチで挨拶しよう!



大人数にならないように ーーーーー

モニター越しで交流しよう!
オンライン授業をしてみよう!
校長先生の話を校内放送で聞いてみよう!



登下校の密集回避に ーーーーー

日にちや時間を分けて登校しよう!
日傘を使ってみよう!



至近距離での会話を避けるためーーー

遠くから手をふってくれた。
いつまでも手をふってくれた。
大きく、大きく、
たくさんのジェスチャーで話しかけてくれた。




触れ合いがよくないからと・・・




担任の先生が、
少し離れた場所で
息子に見せてくれたその動きは、

まるで・・・

太極拳だった。


( ;∀;) 感謝。。




昔、学校で、怖い場面を見た私。ーーー



となりのクラスの先生が、
忘れ物をする生徒にすごく厳しくて、
怒鳴るとか、
バケツを持って立たせるとか、

それは何度も見てきたけれど・・・

ベランダですごい音がして、
見ると、その先生が、、
首をしめて、ベランダから生徒を落とそうとしていた。

3階の教室だった。

両隣のクラスの先生たちが駆けつけて、
その行為を止めていた。





え、、
死んじゃうよ???ーーーーー





と思った。
そして、私は教員免許をとった。

いろんな学校へ行って、
いろんな先生たちを見た。

そこには、

私が昔感じた恐怖も残っていたけれど、
意外な世界が広がっていた。



私のように、
教師にいじめられたから教師になる。
という人は少ないみたいだった。



昔お世話になった先生や、
憧れた先生の話をする、
明るい先生が、とても多かった。



でも、そんな明るい先生たちが、
いろんな先生たちと一緒になって、
学校をどんどん変えていてーーーーー



先生たちだけじゃ、なかったんです。



先生たちや、
さまざまな企業や、大学や、
学生、地域の方、ボランティア、
土木や建築、医療、ネットワーク、
たくさんの専門家の方たちが、

たくさん、たくさん集まって、ーーー

学校を変えていました。


子どもの心と命を、守るために。




ある人は、
学校の教室のカベを壊しました。

閉ざされた教室。
教師によるいじめを減らしたい。

新しい設計図を描き、
全国にある学校のカベを、
どんどん、無くしていきました。


ある人は、
防犯カメラを設置して、
防犯ブザーや笛を配り、電話をつなぎ、


さすまたや、AEDが置かれ、講習会も開かれて、


学校に、カウンセラーを呼んだ方も。
学校に、図書館司書を呼んだ方も。


担任以外の教員を、
地域の多くの方々を、
教室にどんどん呼び入れた方もいる。


新しい規則を作り、
その規則を、教員が毎日見るよう、
カベに貼った方もいて、


学校に、エアコンや、扇風機を置いた方も。


学校に、パソコンを置いた方も。

教室に、パソコンを置いた方も。


外の支援者と、つないだ方もいた。
いつでも、SOSが、出せるように、と。


保護者だけではなく、
子ども達に向けた手紙も増えた。

心を救う、本の案内。
命を守る、電話番号の案内。
SOSの小さなカードをつくって、配ったり。

暗闇で光る、反射板や反射シールを配ったり。




変えたい、と思って、
変えよう、と動いた人たちが、
新しい学校を、いまも、つくっている。




あきらめない人たちが、たくさんいる。




今、世界がとても
大変な状況だけれども・・・
私もあきらめないで、
子ども達の学校生活を、支えていきたいと思った。



小学6年生のとき、ーーーーー



私は、子ども達をいじめ続ける
先生たちに反抗して、

『自分新聞』という課題が出されたとき、

学校の先生が、
世界で1番きらいです。



と書いたことがある。
小心な私の、精一杯の反抗だった。
学校が、とても怖くて、大嫌いだった。



数十年たって・・・



学校の先生方に、
心から感謝している自分がいます。

私は、学校の先生が好きだ。

こんな気持ちになることを、
まったく、100%、予想していなかった。



確実に、今日現在も、
学校を変えようと、ーーー
たくさんの人たちが、動いている。



この春、私は、
きっと桜がふるだろう校舎に、
そして先生方に、感謝を伝えたい。



この大変な状況のなか・・・



こども達を守ってくださり、ありがとうございます。



子ども達は、
先生と、毎日、ーーーーーーー

太極拳のようなジェスチャーで会話して、
マスクをして、手洗いをして、
遠くまで手を振り合って、笑っています。

あたたかい交流に、毎日心から…
感謝しています。






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