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支援に役立つ!障害者施設の計画ガイドブック 利用者目線の特性対応とコスト設計
「建築は支援の1つ」と著者の砂山さんは繰り返します。結果としてほどこされた設計上の工夫だけでなく、その過程で施設の職員や利用者の方々と交わされたやり取りの記録も、貴重な資料として参照していただけるはずです。
内容紹介
障害特性に対応した施設をつくるにあたり、事業コストをどうコントロールすればよいか。利用者中心の心地よい住まいを無理なく実現するポイントから、支援する人の働きやすさを両立する工夫まで。新築と改築・改修による実例18件の居室プランや設備コスト検討資料などを公開し、支援する事業者に役立つ計画のアイデアを紹介。
目次
Introduction:施設をとりまく変化
1:施設から住まいへ
2:利用者の建築から利用者+介護者・支援員の建築へ
3:特性対応の多様化──幅広く行われる建築的工夫
4:サービス課題の変化
5:工事費の上昇──重要になる建築的工夫とコストの視点
Section 1:障害特性に対応する建築的工夫とコスト
1|利用者目線で建物を無理なくつくるために
1-1 提示された言葉を理解することがスタート
1-2 行動や支援方法による利用者の分類
1-3 建築的工夫に役立つ新しいグルーピング
1-4 「福祉から見た特性分け」と「建築から見た特性分け」
1-5 建築計画は利用者の特性の標準化から
2|建築コストのコントロールに必要な視点
2-1 建築仕様の適用範囲を検討する
2-2 設備機器の適用範囲を検討する
2-3 障害特性と生活様式に合わせたプランを選択する
2-4 心地よさの工夫にどこまで投資するか見極める
3|シミュレーションしよう──部屋ごとの特性分類別対応とコスト
3-1 居室――強度行動障害に対応する部屋は20%コストが高い
3-2 食堂──生活の仕方・支援の仕方が面積を大きく変える
3-3 日中活動室
3-4 トイレ――失便や洗体への対応によってコストを変える
3-5 浴室・脱衣室――機械浴・リフトの選択がコストを決める
4|モデルプランで比較しよう──グループホームの全体コスト
4-1 グループホームの特性対応とモデルプラン
4-2 モデルプランとコスト比較
5|計画を実現するコストマネジメント
5-1 設計段階で面積を抑えて機能の充足を目指す
5-2 増築・改修によるコスト圧縮と要望を実現
Section 2:事例でみる障害への対応とコストマネジメント
1|少人数に分ける
CASE 1 日中過ごす場所を特性で分ける
CASE 2 自力で暮らせる4人と介助の必要な4人が暮らす2つのグループホーム
CASE 3 18人を6グループに分けて少人数で住む
2|個人単位で支援する
CASE 4 建物が人に合わせる──自閉症の方のための入所施設
CASE 5 個人の心身の状況に合わせた居室・浴室計画
3|重度の障害を支える
CASE 6 重度身体障害者の利用者の増加に対応した改修
CASE 7 重症心身障害者を受け入れる通所施設・生活介護事業所
CASE 8 地域で暮らし続けるために──最重度の人に合わせた活動室の整備
4|高齢化に伴走する
CASE 9 高齢に特化したユニット
CASE 10 人とのつながり 分かちあえる役割のある生活
CASE 11 高齢化に合わせて食堂の運用を見直し日中の居場所を充実
5|障害に合った特性対応をほどこす
CASE 12 障害特性によってユニットを分離した改修
CASE 13 強度行動障害の方の住まいと通所施設を知的重度の方と分ける
CASE 14 特性に対応する居室をもつショートステイ
CASE 15 児童の居場所から就労の場まで幅広い支援を提供する通所施設
6|支援員に配慮する
CASE 16 支援員の働きやすさを重視した総合施設
7|既存建物を別の用途に変える
CASE 17 既存建物をグループホームと生活介護に改修
CASE 18 依存症の回復を支援する──生活訓練・自立訓練宿泊型施設の既存ビル改修
Conclusion:変化する障害者施設の設計
1|障害者施設の建築設計は変わっていく
2|施設側の建築への向き合い方の変化
3|私の障害者建築への向きあい方「建築は支援の1つ」
著者紹介
砂山 憲一(すなやま けんいち)
株式会社ゆう建築設計 代表取締役。1971 年京都大学工学部建築学科卒業。1971年京都大学工学研究科修士課程入学。1972-73 年Institut Superieur d’Architecture Saint-Luc de Tournai(ベルギー)留学。1974 年京都大学工学研究科修士課程修了。
1975-76 年国立明石工業高等専門学校助手。1977-79 年設計事務所勤務。1981 年株式会社ゆう建築設計事務所設立。主な著作に『高齢者の住まい事業 企画の手引き』(学芸出版社)、『高齢者住宅・施設の建築デザイン戦略』(日本医療企画)、『知的障害者施設 計画と改修の手引き』(学芸出版社)がある。
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