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文章を書くことは自分の人生を歩むことにつながる #読みたいことを書けばいい

『読みたいことを書けばいい。』は、「シンプルな文章術」という副題だが、具体的な文章術というよりもむしろ、自分の人生を生きるための術を与える1冊だ。

裏切られた。大きく裏切られ、心を動かされた。

友人との付き合いや、ビジネスをうまく進めていくために、「文章術」に具体的な課題があった。
だから僕は、話題のこの1冊を手に取った。

人を動かすには、うまく伝えるには、嫌われないためには、不快な思いをさせないためには、どういう文章を書くといいのか。
ブログやTwitterでどんな文章が人を惹きつけるのか。
そういった身近で具体的な課題感で読み始めた。

しかし、内容は、具体的な文章の書き方や、「○○映えする文章の書き方」というものではなかった。
そもそも文章とはなにか、文章を書くという行為はどういうことか。
そういう問いから始まる。

そして、文章を書く行為は、「自分の人生を生きる」ことにつながるという。

非常に驚いた。

具体的な課題解決を求めていたのだが、「文章を書く」行為の新しい意味を与えられたからだ。

その結果、目の前の具体的な課題感の根底にある、潜在的な課題感、言葉にできていなかった考えや思いを発見した。

誰にも嫌われたくないという思いが先行している。
目標達成より自分が不快になるかどうかで行動を決めている。
他者の決定を待っている。
自分自身は、いったいなにが好きなのだろうか。
日々のもやもや、無力感の根本に、「自分で選んでいない」ことに原因があったのではないか。

具体的な課題感から読み始めたが、
読むうちに、結果的に、根本にある潜在的課題に気づかせてくれる。
まさに、「視点を変える」ように作られた1冊であると感じた。

そして、本書は、その視点が変わったタイミングで、文章を書くときに大切にすべきポイントを提示する。

サクッと読めるが、自分の考え方や生き方に自信を持ち、自分の人生を楽しむ勇気をもつ、きっかけを与えてくれる読書体験だった。



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