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佐々岡新政権初対外試合 簡易レポート

今季は東京オリンピックの影響で開幕が3/20と早いことから、既に各チーム実戦モードに入り、広島もこの週末にかけてロッテ、阪神、中日とそれぞれ練習試合を行いました。

結果は3連勝と、佐々岡新政権の幕開けとしてはこれ以上ものとなりました。とりわけ好調なのが打線で、どの選手も振りが鋭く二軍に落とす選手の選抜に苦労するほどです。

そんな実りたっぷりの練習試合3連戦について、個人成績と私個人の雑感を加えて振り返っていこうと思います。

1.2/14 対ロッテ戦

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試合概観

四死球による押し出しで4得点を挙げるなど、相手に助けられた感の強い試合で苦しい試合となりました。がその中でも佐々岡新政権の船出を勝利で飾れたことは、評価すべきでしょう。

野手ではいきなり本塁打を放った鈴木誠也以外で目ぼしい活躍をした選手はおらず、3Bとして期待されるピレラはいきなりタイムリーエラーを犯すなど目に見えた収穫に乏しい結果となりました。

投手では先発ローテ入りを目指す遠藤淳志が先発登板。フォームを元に戻し、紅白戦時よりは内容は良化したようですが、まだまだ先発ローテ入りは心許ない状況です。その後を受けた若手3投手は紅白戦に続いて上々の内容で、期待が高まるところです。

Pick up Player

鈴木誠也

対外試合初打席でいきなり豪快な一発を放ち、日本の4番としての存在感を見せつけました。まだ本格的な実戦への入りたてですが、プレミア12を経験して更に風格が漂ってきたように感じます。ヘッドをしならせて飛ばす新打法がハマっており、昨年は思いのほか伸び悩んだ本塁打数も、今季は40本台はおろかチーム記録の44本すら狙えるのではでしょうか。

高橋樹也

150㎞を超えるストレートが持ち味の左腕が多い中で、キャンプから一際存在感を光らせているのが高橋樹也です。この試合も2回を3奪三振無失点と、紅白戦に引き続き好投を見せました。球速こそ決して速くありませんが、非常にコマンド能力が高く、コーナーにきっちり投げ分けることが出来ます。パワー型左腕の多いチームにおいては良いアクセントとなる可能性を秘めていますし、今後の投球も非常に楽しみです。

フランスア

1点リードの9回と、典型的なクローザーの登板シチュエーションで初登板を迎えましたが、3連打を浴びるなどして2失点と振るわない結果に終わりました。球速もストレートながら130㎞台後半を記録するボールもあり、まだまだ調整不足感は否めず、DJジョンソンやスコットの状態次第では二軍スタートも有り得るかもしれません。

2.2/15 対阪神戦

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試合概観

序盤から効果的に得点を積み重ね、14安打7得点を記録。かつ6回以降は阪神打線を無安打に封じ込める投打のかみ合う展開となり、対外試合2連勝となりました。

野手では一軍枠を争う堂林翔太が3安打4出塁と躍動し、高橋大樹も今キャンプ3本目となる本塁打を含む2安打4打点と大活躍。激しい捕手争いの中でも石原貴規が2安打1盗塁刺と猛アピールし、野手陣の底上げを見せつける一日となりました。

投手では先発ローテ候補のアドゥワ誠が3回無失点の好投。薮田和樹が失点を喫したものの、そこからは主力リリーバーが連続して登場し、阪神打線をきっちり料理する貫禄の投球を見せつけました。

Pick up Player

高橋大樹

この日負傷した鈴木誠也に代わってスタメンに抜擢され、2安打4打点に全打席出塁を果たしました。昨年今永昇太の速球を捉えてスタンドまで運んだようにストレートには強く、この日捉えたように緩いスライダーくらいであれば難なく対応は可能です。また打撃フォームも昨年くらいから余計な捻りが抑えられ、早めにトップの位置にバットを持っていくことでストレートにも差されない形になっています。場数さえ踏めば間違いなく戦力になる選手ですし、LFのレギュラー本命不在の中、高橋大樹がその座を掴む可能性は十二分にあるのではないでしょうか。

石原貴規

坂倉将吾、磯村嘉孝、中村奨成らの争いと思われていた一軍捕手枠争いに、殴り込みをかけてきたのが、ルーキーの石原貴規です。元々評価の高かったスローイングでは前年盗塁王の近本光司を刺し、打撃でも2安打を放つなど、見栄えのするタイプではありませんが、実戦で確実に結果を残しています。チームのコアとなる可能性も秘める坂倉や中村奨成と違うタイプの二番手捕手として、力を存分に発揮してくれそうなタイプです。

アドゥワ誠

先発枠を争う選手たちが、軒並み結果を残せない中、このアドゥワ誠は3回無失点ときっちり結果を残して見せました。ゆったり足を下すフォームに変更したためか、140㎞台中盤の球速を多く記録しスライダーも130㎞台(2019年平均126㎞)を記録するなど、課題であった出力の向上が図られていたように感じました。ただ本人もボール先行となってカウントを苦しくしてしまったことを反省しており、投球内容自体はそこまで誇れるものではありませんでした。もっと楽にピッチングするために、頼れる変化球が一つ欲しいところですが…

3.2/16 対中日戦

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試合概観

風の強い悪天候のためか、両軍合わせて8本塁打が乱れ飛ぶ乱打戦となりましたが、序盤で大量リードを奪った広島が中日を下し、3連勝を飾りました。

野手ではチーム全体で23安打放ったように、多くの選手が結果を残しましたが、中でも4安打の野間峻祥や途中出場で4打点を挙げた上本崇司のバットが特に光りました。

投手は登板投手全員失点と、いずれの投手も満足のいく結果を残せませんでした。中でも3失点ずつ喫した山口翔とケムナ誠は、この試合後に二軍降格を通達され、いよいよふるい落としが始まりました。

Pick up Player

西川龍馬

前日の本塁打に続く2試合連続弾を放ち、貫禄すら感じさせるのが西川龍馬です。昨年後半からボールの下にバットを潜り込ませるようになった印象で、かつスイングもより力強くなり持ち前のコンタクト能力にパワーが加わってきました。それに体重を5kg増量したようで、その成果もこの2試合連続弾には表れているのかもしれません。昨年のAS後1番に座って以降OPS.893を記録し、シーズン27本塁打ペースで本塁打を量産した姿は今季も期待できそうで、鈴木誠也に次ぐ打撃陣の柱として機能してくれるはずです。

野間峻祥

外野の一角確保を目指す野間峻祥は、この日チーム最多の4安打を放ち、その存在感を大きくアピールしました。バットを寝かせて構える新打法によって、ボールの軌道にバットを入れられるようになったことで、フライやライナー性の打球が明らかに増加しています。前年まで2年連続ゴロ率NPB1位ということを考えると、大きな進歩を遂げていると言えましょう。あとはロッテ戦でセルフジャッジをしてアウトになるボーンヘッドをかますような、目を覆いたくなるような凡ミスを無くし、一気にレギュラー定着といきたいところです。

床田寛樹

登板投手全員失点と、天候の問題こそあれ度投手陣は揃って不甲斐ない結果に終わってしまいましたが、中でも心配なのが先発ローテの一角として期待される床田寛樹です。ボールは走らず、空振りも奪えない苦しい出来で、自身でも「イメージとボールが一致しない。大きくなった体を使えてない」と語るなど、成長した体と自身のメカニクスがまだ一致していない状態のようです。先発ローテ候補が潤沢ではないチーム状況において、実績のある床田の存在は貴重なだけに一刻も早い復調が待たれます。

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