ドラフト候補分析~吉田輝星~

2回目は今年の夏の甲子園でおそらく最も評価を上げたであろう、金足農業の吉田輝星投手について分析します。

甲子園前までは全国大会経験はなく、隠し玉的なドラフト上位候補という位置付けだったみたいですが(間違ってたらすみません)、この甲子園での熱投で評価を上げたことによりプロ志望届を出せばドラフト1位はほぼ確実な情勢です。

〇成績

そんな吉田の甲子園での成績は上記表のとおりとなります。

成績から見える特徴としては、奪三振奪取能力の高さと四死球の少なさでしょうか。

この辺りの数字が良ければプロでも活躍しやすいとの傾向が出ているみたいなので、これは好材料でしょう。

打者のレベルの違いとストライクゾーンの広さの違いを考えたら当然ですよね。

被安打は少し多めですが、走者の有無でギアチェンジをしているのでやむを得ないところではあります。

〇投球

続いて実際に投じられるボールから分析していきます。

上記リンクの動画は、吉田がおそらく最も体のコンディションの良かったであろう初戦の鹿児島実業戦のものです。

三振に取ったシーンをまとめたものですが、決め球がストレートばかりでいかに吉田のストレートが高校レベルで抜けているかが分かりますね。

・ストレート

一番のウリは何といってもミットを突き刺していくようなノビのあるストレートでしょう。

この記事によると秋田県の高校野球強化プロジェクトにて球質測定が毎年行われているそうですが、そこに吉田が参加していたそうです。

そこで測定された吉田のストレートの質がプロと比べてもシュート成分が少なく、ホップ成分が非常に強い、いわゆるノビのあるストレートになっていたそうです。

映像を見ていても明らかに他の投手と違い、ホップ感の強いボールでしたが、科学的な裏付けもなされているわけですね。

またスピードの観点から見ると、走者無時は球速は140キロ前後と明らかに抜いたようなストレートを投げ込みますが、走者有時、とりわけ得点圏に走者が行くとギアが上がり、140キロ後半のうなりを上げるようなストレートを投げ込みます。

単にホップ成分が高いだけでなく、スピードもきっちりついてきているので、プロレベルでも武器となっていくボールとなるでしょう。

ここからはストレート以外の持ち球についても見ていきます。

ストレート以外の持ち球としては、スライダー・カーブ・スプリット・ツーシームがあります。

三振動画しか見れてないため、変化球はかなり雑な分析になっていることはご承知おきください。

・スライダー

スライダーは変化球の中でも最も割合多く投げるボールでスラーブ気味のボールです。

120キロ台中盤くらいの球速帯で横変化が強くまずまずのキレはありますが、プロレベルだとどうかな?というところです。

もっとスピードと縦変化があれば良いのかなという感想です。

・カーブ

カーブはスローカーブ気味で相手打者のタイミングを大きく外すボールです。

現状はカウント球程度の扱いです。

・スプリット

130キロ前後のボールでそれなりの落差はあります。

あまり数は見れていませんが、これもプロレベルだと?マークものですかね。

・ツーシーム

130キロ前後のシンカーのようなボールで、おそらくほとんど投げてなく、スプリットと球速差もないためおそらく機能していないはずです。

数日前の記事に今まではシンカー気味だったのを、右打者の内側に食い込ませる軌道のボールも取得しているみたいで、投球の幅を広げようとしているみたいです。

総評するとストレートは素晴らしいものがあるが、変化球はまだまだ改善の余地ありといったところでしょうか。

〇その他

意図的にギアを入れ替えてくるなど、非常にクレバーな投手だなという印象を受けます。

横浜高校戦では8回に逆転してもらった直後の9回に自己最速の150キロを記録するなど、スタミナもそうですが得点圏に走者を置いた時に限らず勝負所と見たところでは一つギアを上げてくるあたりに特にクレバーさを感じました。

またフィールディングも良く、打撃もチームで3番を任されて甲子園でホームランを放つなど野球センスに優れているような印象です。

あれだけの球数を放っても肩肘ではなく、股関節に疲労がきていることから、フォームも肩肘に負担のかかりにくいものなのでしょう。

ただ股関節も故障してまうと致命傷になりかねないので、やはり投げすぎには注意といったところでしょうが。

〇総評

変化球はどれもまだまだですが、一級品のストレートに野球センス・IQの高さを随所に感じさせ、甲子園準優勝による人気も相まってドラフト1位は確実でしょう。

この夏は明らかに投げすぎているので、人気が先行はするでしょうが、体のケアや体づくりをきちんと行ってから1軍の舞台に登場してもらいたいものです。

将来像的には、スライダー・スプリットをモノにして現LADの前田健太のような投手になるのがMAX値かなと思っています。

体格や野球センスに溢れているところもそっくりですし、とにかく故障さえしなければ全くの期待外れで終わることはないと思います。

#野球 #高校野球 #金足農業 #吉田輝星 #ドラフト

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