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CSファイナルステージ私的振り返り

昨日のセリーグCSファイナルで広島が5-1で巨人を下し、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めました。

前回のnoteにも書いたように、どう見ても広島が圧倒的優位な状況でしたが、ここまであっさり終わるのは少し予想外でした。(菅野登板回避等の事情はありますが)

そんなCSファイナルでしたが、個人的注目ポイントは2点ありました。

1点目が、丸と鈴木誠也がシーズン最終盤の不振から脱し、きっちりチームの得点源として機能しているかという点と、2点目は、リリーフ陣の運用という点です。

1点目は、昨年のCSファイナル敗退の大きな要因となった得点力不足が今年はどうかという点から着目したのと、2点目は、一昨年の日本シリーズ敗退の大きな要因として特定投手の酷使が挙げられるという点から着目しました。

要するにここ2年のポストシーズン敗退の要因はきっちりと反省され、改善へと向かっているのかを確認したいということです。

では実際どうだったのか。

①丸、鈴木の復調

わずか3試合ですが上記成績面から見ると、丸は復調し鈴木は復調したとは言えないという結論となるでしょう。

その詳細を探ってみると、丸の4安打は、それぞれメルセデスの141㎞ストレートを捉えた安打、上原の131㎞スライダーを捉えた本塁打、田口のストレートを捉えた安打、今村の119㎞スライダーを捉えた本塁打です。

一方の鈴木は、メルセデスの115㎞カーブを捉えた本塁打の一本だけです。

今回登板したの巨人投手陣の中で、150㎞近い速球で押してくるパワーピッチャーは吉川光と畠と澤村くらいで、その他の投手はどちらかと言うと軟投派の部類に入る投手だったように思います。

ここから何が言いたいかというと、パリーグの方がセリーグに比べ、速球の速い投手が多いため、そのスピードに対応できるほど復調しているかは未知数ということです。

実際、上記にて挙げたパワーピッチャーの3投手と両者は対戦していますが、1本も安打は出ていません。

丸は結果が出ているため、対戦を重ねれば当たりが出てくる可能性は高いですが、鈴木に関してはフォーム変更の影響か、立ち遅れて速球に差されるようになっている可能性はあります。(Twitterにてがっきーさんが仰っておられましたが)

ここから、丸は復調傾向にあることが分かりますが、鈴木に関してはまだまだ復調途上ではないかと考えられます。

西武投手陣ならまだしも、ソフトバンク投手陣はチーム平均で12球団1のスピードを誇りますし、このままだとこの両名の当たりがパタッと止まってしまう可能性が大いにあります。

そうなると、このCSファイナルでもそれほど得点できていたわけではないのが、より得点力が落ち、かなり苦しい戦いになってしまうのではないでしょうか。

何とか日本シリーズまでの完全復調を期待したいところですが…

②リリーフ陣の運用

シーズン中もその起用法は疑問視されていましたが、シーズンの長期戦だけでなく、ポストシーズンのような短期決戦でも当然リリーフ運用は重要になってきます。

それを証明したのが一昨年の日本シリーズで、当時勝ちパターンを担っていた今村とジャクソンが全試合に登板するという運用も糞もない起用法で、最後はジャクソンが力尽き、結局日本シリーズで敗退する事態となりました。

そんな中で、目下最大の目標である日本一へ向けて、特定投手へ依存することなく、また切り札的存在であるフランスアや、先発からリリーフに回った岡田や、勝ちパターン以外の投手の起用法に着目してみました。

まず初戦は大瀬良が6回まできっちり試合を作った後、継投に入りますが、シーズン後半に確立した勝ちパターンの一岡・フランスア・中崎と繋いで逃げ切る形を取りました。

フランスアと中崎は4点差以上の差がついた状況での登板で、その点に不満を覚える方もおられるかもしれませんが、私は全く問題なかったように思っています。

なぜかというと、シーズン最終試合から10日空いた中で、何より優先すべきなのは実戦感覚を取り戻すことだと考えるからです。

その試運転において、いきなり1点差の接戦で登板するよりは、多少楽な場面で慣らしておいた方がすんなりとシリーズに入っていけるはずです。

といった所から、初戦は盤石の継投であったと言えるのではないでしょうか。

2戦目は先発のジョンソンが8回まで投げ切るナイスピッチングで、8回裏の逆転劇によりリードを奪ったことで、セーブシチュエーションになったことから自然と中崎の登板となりました。

この継投自体は何ら問題ないように思いますが、肝心の中崎の投球が初戦と比較してもイマイチで、阿部にライトフェンスギリギリまで運ばれるなど、無失点ながらかなり危ない投球でした。

そして3戦目ですが、先発の九里が5回までノーヒットピッチングと圧巻の投球を見せますが、初安打から失点を許し、なおもピンチを招いたところでマウンドに送り込まれたのが、シーズン終盤より先発からリリーフへ転向した岡田でした。

このような場面で起用されるということは、勝ちパターンの投手より一つ序列を落とした、試合中盤で先発がマウンドを降りた際や、試合終盤の1,2点負けてる場面や、4,5点リードしている場面で起用されることを示唆しているように思います。

もしくは、先発が早々に崩れそうな時のロングリリーフとしても考えられているのではないでしょうか。

起用法としては昨年までのリリーフをこなしていた九里と同様の起用になると思われます。

個人的には、こんな所で投げる投手ではないと思っているので、このリリーフの経験を機に一皮むけてほしいのですがね…

その後一岡につないで、その後4点差の8回に登場したのがジャクソンでした。

おそらくシーズン通りなら、フランスア・中崎と繋いでいたでしょうから、この起用には驚かされました。

既に王手をかけているという余裕もあったのでしょうが、シーズン中にはなかった柔軟な起用法ですからね笑

ただそのジャクソンが2アウトからピンチを招き、4番の岡本を迎えたところでフランスアが投入されます。

以前から申し上げている通り、フランスアは普通にセットアッパーで起用するよりも、相手の攻勢をせき止めてそのまま自軍へと流れを引き寄せるようなストッパー起用が可能な投手ですから、ここでの起用は非常にピンポイントでしょう。

そしてそのまま9回まで投げ切るという、まさにストッパーという役目を果たし、試合をきっちりと締めました。

本来ならば中崎が9回のマウンドにも登ったはずでしょうが、3連投となってしまうことや、前日に不安定な投球を見せたこともあり、このような起用になったのでしょう。

この後の日本シリーズでも同様の場面が起きることも考えられますから、いい予行演習になったのではないでしょうか。

以上のように、3試合の継投を振り返っていきましたが、シーズン中からはあまり考えられないような柔軟性に富んだ継投を行っていたことが分かります。

ただ今回は先勝の余裕という面が大きく影響したでしょうから、日本シリーズで万が一負けが先行したり、優勢の状態から追い付かれた時にどうなるのかと言う面は少し気がかりですが…

CSファイナルを全体的に見て、今年はこれまで以上に日本一を取りに行っているように見えますし、戦力的にも頂上を迎えて今後はおそらく下り坂ですし、若手の底上げによる戦力増強もあまり期待できそうにもないので、不安要素もまだありますが、今年こそは日本一を掴みとっていただきたいものです。

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