ナチュラルワインがつくった「なんか美味しい」消費文化
みなさん普段ワインは飲みますか?
ワインにどんなイメージを持っていますか?
奥が深そう、難しそう、みたいなカタいイメージもあったワインだけど、新しく広まりつつ「ナチュラルワイン」なるものが、その敷居の高さをぶち壊しにかかっています。
ナチュラルワインの肩の力を抜いた楽しみ方がとっても良いなーと思うので、いつもはコーヒーの話をしているけど、今日はワインの話をしてみます。
ナチュラルワインとは
ざっくり定義すると「自然に作ったワイン」。
大量生産されるワインは、簡単にいうと整えているワイン。
- 化学肥料を使ってぶどうを育てる
- 培養した酵母で発酵
- 酸や糖やアルコールを人工的に加える
- 濾過して安定した味に
- 酸化防止剤の二酸化硫黄を添加する
みたいなことがある。
そして、歴史のあるワインは、銘柄や熟成によって違いが出て美味しさが深まる。
そんな大きいロットのワインは個性少ないし、もっと気軽に行こうぜ!っていう動きで、ナチュラルワインは、
- ぶどうそのままの美味しさを楽しむコンセプト
- 有機栽培
- 自然由来の酵母を使って発酵
- 酸化防止剤を極力使わない
- 濾過せず澱が入っていたり濁っていたり
- 人工的な酸や糖を加えない
みたいな感じで、ぶどうそのままの個性や生産者の意志を尖らせたワイン。
自然由来とか、化学系を使わないとか、そんなところから「意識高い系」と思われるかもしれないけど、実はその逆。
「そのまま素直に楽しもうよ」っていう考えでつくられている、「よくわからんけど美味しい」が成り立つ、ゆるーく楽しめる「なんか美味しい」ワインなんです。
味も、パイナップルジュースみたいなのもあれば、イチゴの香りがしたり、オレンジやリンゴみたいに爽やかだったり、いろんなフルーツの香りがして飲みやすくて美味しいよ!(特に白ワインが飲みやすくて楽しい)
▲もう気軽すぎて公園で飲んじゃう。
いいものを気張らずに楽しむということ
バリスタ界隈でも、飲食好きの人の中でも、若い人たちに人気のナチュラルワイン。
今までのクラシックなワインって、品種とか作り方とかヴィンテージとか、難しそうな情報を理解して楽しめる世界。飲み方に作法がありそうだったり、なんならジャケットを来て飲みにいくようなイメージ。もちろんそれもわかればすごく楽しい。
でも、わかると楽しいよりも、「わからなくても楽しい」ナチュラルワインは、ワインバーなんかにふらっとパーカーで行って楽しめる。
考えて頭で理解して楽しむのって、肩凝っちゃう時もあるよね。
趣味、嗜好品だから、好きな人が好きになればいいのかも知れないけど、せっかくこんな楽しい飲み物があるなら、気軽にみんなが楽しめたらもっといい。そんな第一歩目をナチュラルワインが広げているような気がする。
僕がよく行く下北沢のナチュラルワインバーのKomorebiさんは、「これはオレンジみたいな感じ、これは甘くて、これは酸っぱいよ」みたいな感じでゆるくワインを選ばせてくれて、とってもいい。おいしい。
僕は、コーヒーを飲んでもらったお客様に、「詳しくないですけど、なんか美味しかったです」って言われるととっても嬉しい。
頭で理解する必要なんてない。説明できる必要なんてない。味の違いや情報なんて、もし好きになって知りたくなったら知ればいい。
コーヒーだってワインだって、詳しくなくても、わからなくても、ただ楽しんじゃえばいいんだよ。
「なんか美味しい」こそ、日常的な気持ちで、心で楽しめる、一番心地いい飲食の消費だなーと思う今日この頃。
飲食だって、買い物だって、人間関係さえも、「なんかいい」って思えたらそれで十分。
いろんな情報がありふれて、いろんな価値判断がある今だからこそ、
"Don't think, feel."
でいきましょう。
川野優馬
さいごに
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