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コーヒー屋をやっていて大変だったこと5つ

コーヒー屋をやっているのは、好きだからで、基本的にずっと楽しいんですが、もちろんしんどかったなと思うことはあります。

今日は僕が8年コーヒー屋をやっていて大変だったことを思い返してみて書いてみたいと思います。

いつかコーヒー屋をやってみたいと思っている人の参考になれば、他にもコーヒー屋ってこんな感じの仕事もあるのかーっていう風に見てもらえたらと思います。


1. 資金集め

一番最初の課題です。これは僕の計画不足というか、勢いが余って動いてしまったからの部分なのですが、最初の開業資金を集めること自体が初挑戦だったので、慌てました。

おそらくコーヒー屋をはじめとする飲食店をオープンする時の資金集めの方法は主に3つくらいあると思います。
1つが自己資金。他の仕事で貯金したお金を使って開業する、最もノーリスクな方法です。2つ目が融資での資金調達。融資というと借金という言葉のイメージで少し怖いとか不安に思う方もいるかもしれませんが、開業の資金集めでは一般的で、事業計画があればある程度の額は集めることができます。返済期間も5年くらいと考えるとちゃんと売上が作れたら問題ないはずです。3つ目がクラウドファンディング。どちらかというと開業後の商品や体験の先売りみたいな感じですね。

僕がお店を始めた8年前は、クラウドファンディングは今ほど普及していなくて、そして当時僕は大学生だったので貯金もあるはずがなく、ほとんどの資金を融資で調達することになりました。

東京の西側の少し穏やかな場所でコーヒー屋をやりたいと思い、吉祥寺をメインに物件屋さんに通って6ヶ月くらい。たまたま良い物件が見つかったので、急に資金を集めることになりました。事業計画を作ったり、お金の数字の表を作ることに慣れていなかったのと、どこにどんな申請をして、どんな感触なのかとかもわかっていなかったので、大変だった記憶があります。

結果的に融資もおりて、わずかな自己資金とともに物件契約から1ヶ月で(これもDIYの工事日程に無茶しかないのですが)、オープンすることができました。

早いタイミングから融資の選択肢を考えて、信金や公庫などに相談して書類や条件などを進めておいたり、事業計画を早めからつくっていたらよかったなと思いました。コーヒー屋を始めたい!!っていう思いの時って、実際売上やコストのイメージとか、年ごとにどんなふうに伸びていくのかのイメージって湧きづらいし、それを表にまとめていくまでパワーが回らなかったりしますよね。でも事業計画と資金の管理こそお店作りで大事なところなんだって勉強になりました。


2. 質を上げること

コーヒー屋なのでもちろん、美味しいコーヒーをつくることは大切な手段です。美味しいに越したことはないので、コーヒー大好きな僕は時間さえあれば仲間と焙煎や抽出の検証を繰り返していたんですが、それでもオープン当初に「美味しい」と評価していた当時の味と、今の美味しさを比較してみると、全然違ったなというか、どんどん自分の美味しさの上限が上がっていったなと感じます。

これは苦労したわけでも、大変で難しかったというわけでももしかしたらないのかもしれないですし、僕は最大限「美味しい」とその時感じた状態でお店を始めたので全然良いのかもしれないのですが、どれだけ自分の美味しさの上限を上げた状態で、質においての高い目標のもとにお店を始められるかって、絶対にお客さんに伝わることだし、勢いを持って続いていくためにも大切なことだと思います。

美味しいとか、良いものを出しているとかって、お店を出してみて初めて人から評価されることだし、その評価自体もその場で点数がつけられるわけでも絶対的な基準があるわけでもなく、じわじわとお客さんが増えていくスピードとか、来続けてもらえるかどうかという長期の売り上げに現れてくるものだったりします。そして、お店を出すまでは、自分の主観で判断しているだけの自己評価や自信でしかなかったりします。

だからこそ、どれだけ自分の目標を高く設定し続けられるかとか、「美味しい」とか「良いもの」の経験を増やして自分のゴールを上に上に持っていき続けられるかどうかが大事だと思いました。


3. 組織づくり

コーヒー屋は人の仕事です。お客さんがありがたいことに増えてきたり、活動の幅を広げようと思うと、新しいメンバーを採用して、個人だった動きがチームの動きになっていきます。

ある意味コーヒー屋自体も、生き物みたいなものなんだと感じます。中身は人で、それぞれがどう思いやったり、支え合ったり、意識を高め合っていい動きをしていけるか、循環していけるか。

僕は会社運営も、組織づくりも初めてだったので、ふとしたところでコミュニケーション不足が起きていたり、伝わっているように感じていることでも伝わっていなかったり、みんなが同じ熱量で同じ方向を向いていく環境を作っていくのに苦労しました。

もちろんみんなでやっていくからコーヒー屋は楽しかったりもします。組織づくりは、自分が叶えたいことを仲間を巻き込んで、もっと楽しくもっと強くやっていくために、必要なことで、友達のように仲良くなることとも、指示を出すこととも違います。

個人ではなくて、有機的なチームとして噛み合っていくには、また違った力が必要なんだと感じました。今はこうやって組織を作っていくことや、組織としてお客さんに良い動きができること自体とっても楽しいです。メンバーが楽しそうに働いているところを見るのが一番嬉しい瞬間でもあります!


4. 管理

コーヒー屋って、小さく見えても、意外と管理するものが多いんです。例えば資材だけでみても、コップ、蓋、袋、パッケージ、商品ラベル、ショップカード、配送の箱、、、さらには消耗品から、商品となる豆自体まで。

在庫管理から発注、そして商品の受注や発送業務など、かなーり細かい管理が必要で、やっていくに従って、コーヒーを淹れている時間よりも管理する時間が増えていきます。

最初はこの管理が物理的に大変でした。しょっちゅう確認が漏れてて商品を切らしたり、コーヒー屋なのに豆が全然ない時期があったり、牛乳の発注を忘れていてラテが出せなかったり、、そんなことが何度もありました。メンバーも増えて管理を徹底するようになってきた今でさえ時々ものが急遽足りなくなって困ったりします。

こうしたものの管理をどうやってやるかからはじまり、管理業務の分担となると上で書いたような組織づくりにもつながっていきます。人が足りないとか、メンバーのモチベーションがという話だって人事的な管理の業務です。

そして、一番大事なところとしてお金の管理も入ってきます。このままのペースの売上で続いていけるのか、固定費や人件費はもちろん税金や社保の支払いも問題なくやっていけるのか。季節によって売り上げは変わっていきます。雨が降ったら客足は一気に減ります。コロナのような、未知の外部変化もあったりします。

その中で、カフェをやりたい人、これからコーヒーショップを開きたいと思っている人は最低限、「キャッシュフロー表」だけは管理できるようにして始めた方がいいと思います。売上の予測と支出の表で、ここで仕入れをしたら資金切れを起こすとか、このくらい売り上げは作らないと回らないとか。

モノ、ヒト、お金の管理。事業が続いていく中心になると思うので、管理する体制はとっても大事だと、いろんな痛みを味わいながら感じました。


5. オープン時の集客

結局一番苦労したのが、最初の集客です。

僕がお店を始めた時は、大学生のころで、当時コーヒー好きグループみたいな感じでお店を貸し切ってイベントをやったり、ラテアートの大会で優勝したりと、コーヒー屋やコーヒー好きの中では少し繋がりがある状態でした。

なので、オープンしてからの1~2ヶ月くらいは、知り合いがたくさん、「オープンおめでとう!」と、本当にありがたいことにお祝いに来店してくれました。コーヒー好きな人は、何やら新しい店ができたらしい、、?と覗きに来てくれました。

ただ、3ヶ月目くらいからは、地元の方に来てもらって成り立つはずなのですが、本来来て欲しいその場所の人を全然呼び込めずにいました。知り合いの来店も無くなって、キツい日は僕ともう1人の2人で10時間営業して、2人のお客さんしか来ないという日もありました。さすがにカウンターの中にしゃがみ込みました。

でもそれって、当たり前のことができていなかったんだと思います。それから、店の看板にメニューを書いてわかりやすくしたり、SNSをちゃんと運用していったり、道で試飲を配ったりして、道ゆく人に少しずつお店のことが伝わっていきました。そして来てくれた方がコーヒー美味しかったと、友達を連れてきてくれて、またその方が知り合いを連れてきて、、、という形で徐々にお客さんが増えていき、街の常連さんもついてくるようになりました。

初めての挑戦だったので、この最初の流れに乗るまではとてもドキドキしました。一番の悩みの種だったと思います。

店構え、外や入り口での案内や掲示、プレスリリース、オープンイベントなど、お店としてお客さんが来てくれるための当たり前のことをちゃんと考えてやり切ること。今やSNSでお店の魅力はすぐに広まります。長く業界にいたら、ついにあの人が独立、、という形で最初のインパクトも増えます。特にInstagramですが、これだけ広まっている今は、最初に来てくれた人がSNSに載せてくれたりと、最初の認知も増やしやすい土壌にあると思います。


こんな5つのことが、苦労したところかなーと思います。ふと振り返ってみたのでまとめてみました。

そもそもやりたいことをやるためにコーヒー屋を始めたので、どれも乗り切れることだっただし、やりたいことをやるのに全部完璧に準備して、修行して、、というのも時間がかかり過ぎてしまったりモチベーションが変わったりするので、まずやってみるの精神で僕はいいのかなと思いますし、そんな思いで僕自身やってみたのですが、いつかお店をやろうと思っている方の参考になったらいいなと思います。


ベースはずっと楽しいので、ぜひやりたいことをやっていきましょう。そしてそれが続く形になるようにしていきましょう!



川野優馬


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