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LIGHT UP COFFEEの味づくり

コーヒーの味づくり。お店ごとにいろんなアプローチがあるよね。

今日は僕がLIGHT UP COFFEEで考えているコーヒーの味のアプローチについてお話ししてみようと思う。


僕が目指したいコーヒー

「非日常的に美味しいのに、日常的に馴染むコーヒー」

こんなコーヒー体験を僕は一番届けたい。

豆ごとの個性があって、いろんなフルーツの味がして楽しいけど、バランスよくて冷めても甘くて、最後の一口飲んで明日も飲みたいって思えるコーヒー。


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個性のトゲと、バランスの丸さ。

ある意味矛盾したふたつを同時に叶えようと、焙煎と抽出は毎日ギリギリの挑戦をしている。


「えっ、ほんとにイチゴの味がする!!」

みたいな感じで、コーヒーの概念が覆って、苦いから苦手と思ってた人も、コーヒーが飲めないと思ってた人も、一気にコーヒーが楽しくなる、そんなフルーティでワクワクするコーヒー体験を届けたい。僕自身苦いコーヒーが飲めなかったけど、レモンティーみたいなエチオピアのコーヒーを飲んで衝撃を受けて一気にコーヒーが大好きになった。


本当にフルーツの味がするんだよ。焦がしてないから苦くもなくて、紅茶みたいに飲みやすいんだよ。

たくさんの人に、僕が感じたコーヒーの感動を届けたいんだけど、その個性だけを尖らせてしまうと、ただの「びっくりドリンク」になってしまう。


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ワクワクするコーヒーを日常的に楽しんでほしい。

朝飲んだコーヒーが美味しいだけで、1日がちょっと明るく見える。

美味しいコーヒーを通して、1日1日を「ライトアップ」して、人生を楽しくすることが、僕たちLIGHT UP COFFEEのミッション。


だからこそ、飲みやすくないといけない。最後の一口までおいしくないといけない。もうちょっと飲みたいなっていう量と軽やかさで、毎日に溶け込んでほしいんだ。

でもバランスを求めすぎると豆ごとの個性が薄れてしまう。ワクワクするコーヒーの感動も減ってしまう。


そんな、シーソーのような、個性とバランスの瀬戸際で、両方が最大化するポイントを目指す。チーム全員でこの課題に挑戦して、毎日味の研究をしている。

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味づくりのプロセス

豆選び→焙煎→カッピング→焙煎調整→テイスティング→抽出

こんな流れで、僕たちがつくりたい味をつくっている。

厳密にいうと味をつくってるのは、あくまで生産国の農家さんで、僕たちはその素材の良さを整えてるだけなんだけど、ここでは便宜上「味づくり」とする。


まずLIGHT UP COFFEEでは、豆ごとのキャラクターの振り幅が面白くなるように、「甘さ」「フルーティ」「華やか」「ジューシー」といったカテゴリーを裏で設けていて、それぞれのコンセプトに合ったコーヒーを選んで並べている。

コーヒー豆は農作物なので、収穫してからの鮮度が大事。同じカテゴリーで、新しい豆が見つかったら都度入れ替えて、長く続いても1つの豆は2-3ヶ月くらいで次の新しいコーヒーに切り替わる感じ。

たとえばフルーティ枠だと、今はぶどうとかラズベリーの味がするブルンジのコーヒーを用意してるけど、来月からはレーズンやりんごっぽい同じようにフルーティなベトナムのコーヒーに切り替わる。


お客様もバリスタも、新鮮なコーヒーがどんどん届いて飽きない。楽しい。


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コーヒーでいうバランスがいいとは、甘いということ。

焙煎では、しっかり甘く、でも苦味で個性が隠れないように、個性とバランスのギリギリを狙ってる。浅煎りのコーヒーロースターの中では甘さ強い方だと思う。でも苦くなっちゃうとどのコーヒーも同じ苦いコーヒーで、ワクワクする違いがわかりづらくなっちゃうので、苦くないように、一般的には浅めのローストになっている。


毎週テイスティングの日を決めて、「カッピング」という、粉にお湯を注いで4分待って上澄みをスプーンですくうというやり方で、同じ条件で抽出して、毎週100カップ以上のコーヒーを焙煎データを見ながらテイスティングしている。

時間や温度をもっとこうした方がいい、もっと個性出せる、もっと甘くバランス取れるとかを議論しながら、ロースターチームで微妙な焙煎データの調整をして、目指したい焙煎を突き詰める。


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そしてバッチリ焙煎が決まったコーヒー豆が各店舗に届いて、バリスタはそれを毎朝カッピング。

焙煎日からの日数経過「エイジング」によって微妙に変わっていくその日の味を見ながら、ドリップレシピを論理的に組み立て、個性があるけど飲みやすいコーヒーを液体にして提供する。

どんな抽出論理があるのかは、書き始めると難しい話になっちゃうから省略。


最後はバリスタの意志

コーヒー豆ごとの味を切り取ってどうお客様に伝えるかというのがバリスタの仕事。

「おもしろい」個性を「飲みやすい」味のバランスで、どう飲んでもらうか。

決められたレシピ通りに抽出するやり方もあるかもしれないけど、LIGHT UP COFFEEではレシピは毎日バリスタに考えて自由に決めてもらっている。

粉の挽き目や量、時間や注ぎ方まで人それぞれ。

レシピ通りにつくったコーヒーなんてつまらない。バリスタなりの解釈で、1杯1杯意思を入れて、コーヒーの魅力が楽しく臨場感を持ってお客様に伝わるように。

最後はその人なりの「おもしろさ」と「飲みやすさ」の両立を直接プレゼンテーションする。


こんな風にして、僕たちは、僕たちが信じる「美味しい」を日々追求している。


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信じる美味しさ、考え方、アプローチ、いろんなやり方があるから面白いコーヒーの世界ではあるけど、これはあくまで僕たちのやり方。


コンセプトを決めて、焙煎や抽出の数字をもとに論理的に改善を繰り返して、

たくさんの人の心に響き、毎日に溶け込む、新しいコーヒーの世界を届けようと思っている。



川野優馬


さいごに

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LIGHT UP COFFEEでは一緒にコーヒーを伝えていくバリスタも募集してるよ。


僕がお店を始めたストーリーはこちら。


1杯のコーヒーができるまでのお話はこちらも読んでみてください。


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