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耳鳴りで病院に行った話

それは2023年1月のことだった。
以前から耳鳴りが気になっていた私は
思い切って休みを取って耳鼻咽喉科に行くことにした。
ついでに左鼻が通りにくいのも
診てもらおっと。

予約した駅近くの耳鼻咽喉科に着き
受付を済ませる。
保険証に初めてマイナンバーカードを使ってみたが、暗証番号を忘れたので顔認証にしてみる。
私のカードの写真は
自分で言うのもなんだが超絶ブサイクだ。
この写真と本体一致するかな。

すんなり認証された。

昼休み前の病院は患者もほとんどいない。
受付の方ものんびりモードだ。
私と同時くらいに来た患者が、先に呼ばれて
同行者と車椅子で診察室に入って行った。

待合室でテレビを観ながら座っていると
名前を呼ばれた。
診察室で、若めのメガネ医師と対面する。

「今日は耳鳴りがするんですね」
「ハイ」
「どんな感じの」

説明が難しい。
ミンミンゼミが鳴くミを長く伸ばして
ちょっと薄めた感じ、なのだが
それは最近気付いたことなので
とりあえず、高めの金属音みたいな、と答える。

「じゃー耳の中診てみますねぇ」

特に変わったことはないようだ。
右耳からゴソゴソ。左耳もゴソゴソ。
頭の中にゴソゴソ音が響く。
「大きい耳垢取れましたよ!!」
と医師が嬉しそうに見せてくれた。
そうか、それは大きいのか。
たまにそのくらいの耳垢綿棒につくけどな。
(私の耳垢はウェットタイプ)

続いて、電話ボックスみたいな小部屋に入り
ヘッドホンを着けて、聴力の検査をする。
看護師さんが言う。
聴こえたらこのボタン押してくださいね。
意識を耳に集中する。

ぴー ぴぴ ぴぴ
ぶー ぶー ぶー

時折聴こえない音がある
えマジで、ヤバ。
ライブとか絶対ダメとか言われたらどうしよ。
ちょっと不安になる。

結果は出た。
「右耳の聴力が落ちていますね。
でも年齢と共に聴こえ辛くはなるので
これくらいならしょうがないですね。
耳鳴りも年齢の事があるので
生活に支障がないなら特に何もする必要はないですよ。」

平然と医師は言った。
大したことないのか。
最近なんでも年齢のせいにされるなぁ。

「ハイ、じゃあこれで」

もうランチタイムにしたいのか、
とっとと終わろうとするので私は急いで言う。
「先生、鼻も診てほしいんですけどっ」

医師は左鼻に器具を入れて言った。
「キレイな鼻ですよ。ちょっと狭いとこあるけど」

結局なんともなく診察は終わった。
支払いを済ませ、私は病院を出た。
明るい日差しが駐車場に降り注いでいた。

美味しいパン買って帰ろかな。

と言う訳でミンミンゼミのミは
今も私の耳で鳴いている。

(了)













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