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独り者のススメにパイシート 朝ごはん part.400

一人暮らしに優しい時間がほしいならば、冷凍パイシートがおすすめだ。
私は今実家暮らしだ。朝ごはんに、ネットで買い置きした冷凍パイシートを多用している。

朝ごはんに冷凍パイシートを使いのは、贅沢だ。お金の話ではない。以前計算してみたらNIPPNの冷凍パイシートは一枚100円ちょっとだった。挟む具材を考えると、人気のパン屋のクロワッサンとかかるお金はどっこいかもしれない。

この日は冷凍パイシートを2枚使用。トマトとクリームチーズ、大根とアボカドのチーズソースサラダの2種類。朝摘みミントティーではモノ足らず、コーヒー一杯追加。大根も庭で取れたものだが、お菓子のチーザ追加で恐らく400円はかかっているチーズまみれのシンプルながら、私にしては豪華な朝食。

パイシートがあれば好きな具材を挟むのに、調理時間は秒で済む。生地をクッキングシートに挟んで綿棒で延ばしても、オーブンの扉が閉まるまで数分だ。

しかし、オーブンから焼き立てのパイが出てくるまで数十分かかる。朝ごはんにパイを焼くことは独身でなければ出来ない贅沢かもしれない。

家族がいれば、朝はオーブンレンジをパイで占拠できないだろう。朝ごはんに夕食の残りをレンチン。子どものお弁当に冷凍食品をレンチン。赤ん坊を抱えたお母さんはミルクをレンチンし、家族を介護している人もその家族のために朝ごはんをレンチンする。

家に誰もいない一人暮らしにオーブンレンジはこの上ない贅沢品だ。少し早起きしてパイが焼ける間にコーヒーを飲んだり朝の時間を自分のために使うことが出来る。

私が一人暮らしをはじめた大学生の時、家電はレンジと冷蔵庫だけだった。一浪して他県に進学し、同年の同級生も少なく、知り合いもおらず、テレビを見る習慣もなく、漫画雑誌や小説をどっさり買い込んでもすぐに読み終わる寂しい生活だった。電子書籍がちょうど登場した頃でかかった書籍代に驚いて、テレビで時間潰しが必要だと気付いたのは数ヶ月後だった。月◯万円の書籍費。私はこの愚行を新卒の頃も数年続けた。
テレビを買ったら、秋には部屋のカビに悩みクーラーを買った。クーラーを買ったらタガが外れて、台所用品を買い出して自炊が増えた。コンビニはアパートの真下で、一人なら買っても大した額ではなかったが、書籍代の代わりに食費を減らして、学食も利用しなくなり、2年に上がる前にサークルを辞めて、授業の合間に同級生と少し話すだけの引きこもりになった。

あの頃は自分を引きこもりと思っていなかった。しかし、週一しか買い物にも出かけないのは立派な引きこもりだろう。私は20歳くらいから、多分、ずっと引きこもりで、自覚がないだけだった。

趣味もなく大人になり、独身で贅沢に時間を持て余している。不眠かショートスリーパーで1日がほぼ20時間ある。きちんと寝る人の人生が3分の2起きている時間なら、私は6分の5起きている。長生きなんてするもんじゃない。怠惰な私はきっとウンザリして人生終えるだろう。

失礼を承知して申し上げるとそんなウンザリ人生の独り身は世の中に私だけではない。
私にも、10代、20代の時があった。
今30代で、40代目前。
もう人生を折り返しているか、すぐ折り返す。

私が朝ごはんの記録をはじめたのは、朝ごはんを食べて1日にメリハリをつけたかったからだ。しっかり起きて1日を少しでも充実したものにしたい。
いつも仕事や家事などたくさんのする事に追われている人からすれば、本当に贅沢な悩みだ。
しかし、そんな贅沢な悩みを少なくとも、10代、20代の時にお子さんが経験するかもしれない。

彼氏や友人やサークル仲間や同僚がいても、朝は大抵は一人。一人じゃないと落ち着かないけれど、一人暮らしの部屋を出るまでなんとなく寂しい。寂しいけれど、なんとなく部屋を出たくない気がする。

そんな日に、冷凍パイシートを焼いてみるのはどうだろう。
一人暮らしの贅沢な朝をパイで満喫したい。

朝6時。好きなチーズや野菜や果物を冷蔵庫から取り出して、パイシートに包む。
焼き上がりまで30分。
オーブンレンジがブンブン動く音が気にならないように過ごそう。

ベランダの植物に水を上げる。ペットのごはんを用意する。
若い人なら、まずスケジュール帳のチェック。ラジオでニュースや語学講座を聞く。
資格の勉強で机に向かう。試験勉強かもしれない。読書も悪くないが、QOLは上がらないかめしれない。

机に向かう前に好きな飲み物を用意しよう。
カルキ臭い水道水を無造作にコップに注いでもいい。
お気に入りの喫茶店の豆でコーヒーを淹れるのもいい。その場合、パイが焼けるまでにコーヒーを飲み干さないようにしなければならない。
ホットミルクを足してかさ増ししてもいい。
スムージーかサラダを作ろうか。
洗濯して庭やベランダに干そう。朝日を見る生活は朝ごはんがないと出来そうもない。

二度寝する間にもパイは焼ける。焼き上がりのチンと鳴る音が目覚ましがわりだ。

前回は薄くのばしてくるくる生地を巻いたから、今回は半分に切って四つ角を折ってみたら可愛くなって朝から気分が上がった。

パイシート二つは多かった。半分をクッキングシートに包んでお昼ごはんにとっておく。お昼ごはんなら、野菜とチーズだけでなく、ソーセージやハムで腹持ちの良いものを作っても良かった。次回はそうしよう。
いや、その前にクリームシチューの皿をパイ生地で包むやつをやってみたい。パイ包のパイをサクサク崩してシチューの中に落としたら楽しそう。
よし、夜はシチューを作ろうっと。作る気になれなかったら、スーパーでレトルトを買おう。
そして、残りを朝ごはんのパイ包にするのだ。

一日の計は朝ごはんにあり。
今日もいい日になりますように。
優しい朝を明日も明後日も迎えられますように。
おはようございます。

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