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中国の若者は猫のしもべです

始めたのはいいものの、あまりにも向いていないことって、辞め時が難しいですよね。
趣味で中国語の学習を始めたのですが、あまりにも学習が進まないので、楽しくなくなってきて、すっかり頓挫しています。

モチベーションを上げようと、今の中国文化が知れるような本を2冊買ってみました。

私は中国の文化に憧れて中国語学習し始めたわけではありません。中国が世界の覇権を握っているので、今の国際状況を取り巻く環境を考えると、世の中を知る(ニュースを理解する)には中国語学習すると楽しいかなと思ったのです。

でも、だめですね。記憶力も良くないですし、性格が素直じゃないので、与えられた情報に対して猜疑心を持ってしまいます。

聴く中国語 中国大接近: 理解を深めるリスニング

謝辰 著

中国の若者は猫のしもべ

感染症の流行した2020年代、おうち時間が増えたのは日本人だけではありません。世界中でペットブームが起こりました。日本は必ずしも犬猫の飼育頭数が増えたわけではありませんが、ペットの飼育にかける支出が増えたため、ペットケア用品の市場は、犬の飼育頭数やドッグフードの市場が縮小しているにもかかわらず、売り上げは横ばいとなっています。

最近、農業とか日本の食料品事業について調べるのが趣味になっているので、日本のペットフードの半分以上が輸入品であることは知っていました。我が家の猫のペットフードの原産国を見ると、タイだったり、チェコだったりします。しかし数ヶ月前から飼っている三毛猫にアレルギーの疑惑が出たので、なるべく国産のペットフードを買うようになりました。ペットフードの多くには、豆類や穀類が使われていて、肉食の猫はそういったものの消化が得意ではないとネットで読んだからです。

日本では、独身の20代から、30代の女性が最もペットを飼わないようです。しかし中国では1990年代後半以降生まれの若者にペットとして猫が大変人気だそうです。
この本によると、ネコノミクス(猫に関連する産業)が、感染症の流行でも打撃を受けず、むしろ盛況になったのだそうです。

ただ、その状況については、私は本で書いてある通りの理由だけではないんじゃないかと言う気もしました。なぜなら、外出禁止令が出ていた中国の都市部では、犬の散歩をすることも難しかったのではないかと思うからです。そうすると、必然的に散歩の必要のない猫を飼う人が増えたのではないでしょうか。また犬と猫は相性が悪いわけではないので、先に飼っていた犬の遊び相手として猫が望まれることもあるでしょう。もちろん、これら2つの理由は私の憶測ですが。

中国の2021年ペット業界白書によれば、中国の都市部の家庭で飼育されているペットの家猫が5806万匹で、犬が5429万匹となり、中国の都市部における飼育数最多のペットに猫が踊り出ました。日本では、猫の飼育数は800万程度なので、中国の都市部だけで日本の7倍から8倍も猫を飼っていることになりますね。

ネットで調べたところ、日本では同様の流れもありますが、例えば昨年度から感染症の流行が落ち着いてきたこともあって、新たに買うペットとしては、猫は減少したものの、犬が増加したそうです。とはいえ、日本でも犬より猫が飼私れている現場は変わりありません。

ただし、日本のペットフード協会の調査によると、日本では、犬と猫を飼育する生涯費用には圧倒的な差があります。犬の方が体が大きいからかなと思ったのですが、飼育するのに平均して、最もお金がかかるのは、超小型犬らしいので、たいていの家では、最も飼育の費用でかかるのは食費ですが、さらに費用がかさむ理由はフードではなく、ケア用品なのかもしれません。

中国の若者は、犬より猫の飼育にお金をかけるそうです。若い人が犬より猫を好んで飼う理由には賃貸の狭い部屋では、犬を飼うのは向かないということがあげられます。一方で、ネット上では「自分は食べなくても、猫には必ず良いものを食べさせてやりたい」などの声もあるそうです。キャットフードや猫砂といった最低限の備品以外にも、猫缶にキャットタワー、猫じゃらし、児童給水機、自動給餌器、スマートカメラ、ウォシュレットなどを買い揃え、それらの機器の独自性や機能性や見た目を重視し、「ご主人様」に最高の暮らしを提供しようと努力されています。

まぁ、確かに、私も私に飼われたから猫が不幸になったというようなことにはしたくないとは思っています。確かに日本でも、自分は猫の下僕だという飼い主さんがいっぱいいらっしゃって、私も冗談で自分の飼い猫のことを「猫様」などと呼んでいます。

しかし、日本の統計によると、猫と犬では、生涯飼育に犬の方が100万円以上のお金がかかるということです。中国では、その差を埋めるどころが超えるくらいにまだそれほどの収入のない若者が猫にお金を費やしているなんて。その献身的な姿勢には驚くばかりです。到底真似できません。

疫病流行で日本と中国は助け合った

感染症流行の影響が心配されていましたが、中国と日本の貿易額が拡大した事はニュースを通して知っていました。しかし、感染症対策のための医療用品を日本が中国に提供していたなんていう事は、この本を読んで初めて知りました。

この本によれば、中国と日本には領土問題など、頭が痛い問題も横たわっているものの、災害などの時は常にお互いに助け合ってきた関係なのだそうです。

感染症が流行した折、日本が中国に医療物資を送ったところ、中国もすぐにお返しに日本に大量の医療用物資を届けたそうです。中国と日本という隣人同士はいざという時に、助け合える「真の友達」と言えると書いてありました。

一部にはそういう人もいるでしょう。もしかしたら政府間の関係は良好なのかもしれません。しかし、国民感情の中には、隣人であればこそ、いつお互いに戦争し合う関係になるかわからないという危機感を持っていると思います。

私も日本語訳された中国の歴史小説や空想小説を読んだ事はあります。また、日本人の多くが中国について学び、中国の歴史について物語を書いています。それは日中国交回復、以前からの流れでした。1978年8月日本と中国は日中平和友好条約を締結しました。中国の副総理が来日し、中国の国家首相の初来日となり、「日中友好は子々孫々続いていくだろう」と発言したそうです。

実際に今も日本と中国の交流は続いています。しかし何をもって友好国と言えるのか、私には理解が難しいです。2001年に中国が世界貿易機関に加盟すると、日本の企業の間では対中投資ブームが起こりました。中国経済は成長が著しくなり、2010年にはGDPで日本追い越し世界2位の経済大国となりました。中国の人口規模を考えれば、それは必然的な流れだったでしょう。「中国が日本を必要としていた時代」から「日本が中国を必要とする時代」変化したという評論家がいるそうですが、まさにその通りかもしれません。

しかし、一方で、私は思うのです。いざという時に適切な距離をとれず、お互いに声をかけられない関係は、本当に友人だと言えるのだろうかと。お互いに苦言を呈し、お互いに切磋琢磨してより良い国づくりができる関係が理想ではないでしょうか。時には、日本と中国がお互いを必要としなくなる自立した関係になることも必要ではないかという気がします。

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