見出し画像

それだけで日本の香りがするハーブ

海外に在住している人が、ふと、懐かしく日本を思い浮かべる植物は何でしょうか?
見るなら桜かもしれません。
香りなら金木犀かもしれません。
では味なら何でしょうか?

例えば、イタリアンのパスタに、これが入っているだけで、日本食感が出るものは何か考えてみました。

いやいや、それってアジア共通じゃないのって思うかもしれませんが、なにぶん、私は海外に在住した事は無いのでただの想像です。

味を想像させるハーブって何と思われるでしょうか?
私が思うに、「薬味」です。
日本人は酢漬けにするかそのまま添える薬味が大好きと言ったら、日本人には分かってもらえるのではないでしょうか。

あるいはいつか中国に行ったら、「日本人は薬味が大好きなんだ」って説明してみたいですね。

"ふりかけ"も熊本発祥らしいので、おそらく日本の文化ですよね?いつか食べるラー油と言うのが流行りましたが、あれも日本独特の流行だったのかなと今になって思うのです。

薬味は、ご飯のお供に使われるものも多いですね。

和ハーブ(薬味)パスタ5種

基本のペペロンチーノを作って小分けにして、薬味をのせました。ポン酢醤油もかけました。醤油を使ったら薬味を載せなくても、和風パスタじゃないの?と思われるかもしれません。私もこれを書きながら、結局日本の味らしさは出汁と醤油にあるんじゃないか?と身も蓋もないことに気づきました。
しかし、せっかく思いついたネタなので、このまま書き進めます。
和風パスタによく見られる食材の納豆、明太子、キノコを使いませんでした!痛恨!いや、あえてです。

手前が海苔で、右がアオサです。左の海苔の下にすりおろし生姜がたくさん入っています。

紫蘇

5種の中で一番香ると思います。この香りだけで日本らしさが感じられます。繊維が強く、独特の噛み応えです。
紫蘇は中国大陸原産です。生薬になるのは、主に紫色の赤紫蘇です。紫色の思想は、梅干しや紫蘇ジュースの他、家庭では紫蘇ビネガーなどにも利用されます。
スーパーに売られている大葉は、青紫蘇の別称で同じものです。

種子播きは本州以南であれば3月中旬ごろにおこないます。北海道は5月上旬ごろです。

しかし、大抵の庭のあるご家庭の場合にはいちど植えたら、夏や秋頃の花が咲くまで放っておけば毎年勝手に生えてくるようになるでしょう。

生薬として利用する場合には、収穫は出歩生までの精油含有量が多い8月中旬から9月上旬までに行うのがお勧めです。

紫蘇は、利用部位によって薬効が違います。
葉っぱは発汗、解熱、鎮咳に効果があるとされます。紫蘇の実は便秘によく効き、茎の部分は気分を回復させたり、消化不良に効果があるとされています。

薬草は、肌からも吸収できると言われるので、ハーブバスに使っても良いと思います。漢方では実際に神秘湯に使われます。
山椒のように、たくさん煎じると気分が悪くなるということもありません。適当な量を干してお茶にしたり、薬用酒にするのも良いですね。

生姜

今年植えて、生薬として利用しようと思っていたのですが、諸事情あり…例の如く、父が掘り返してしまい叶いませんでした。

日本の薬味と言うと、海外の人は「ワサビ」を思い浮かべる人が多いかもしれません。やはり寿司のイメージが強いからでしょう。しかし、私個人の見解では、そばや寿司を食べる時ぐらいにしかワサビを使わないので、生姜の方が日本人の生活に根付いているかなと思います。アメリカ人は日本の照り焼きが好きだというのをYouTubeで見ました。
信憑性は分かりませんが、照り焼きよりも生姜焼きのほうが日本人にはなじみ深い気がしますね。

体を温めるにはショウガが良いと言われます。
生薬は、利用法によって薬効が変わってきます生薬は、利用法によって薬効が変わってきます。
漢方では、確かに新陳代謝機能促進するためにショウガを用います。
しかし、ショウガの根茎を湯通しし、または蒸して、乾燥したものを「乾姜」と言って使い分けています。
乾姜は体を温める作用が強くなると言われています。手足の冷え、腹痛、腰痛などに用います。

日本では、民間薬として風邪予防にショウガを擦りおろした汁に砂糖や蜂蜜を加え、更に風邪をひいた後も、咳や喘息を抑えるのに利用されてきました。実際パスタを食べた後、少し喉の調子が良いような気がしました。

海苔

ある日、テレビ番組で「ラーメンの付け合わせになくてはならない食材」というアンケート調査で、ランキング上位に海苔が入っていました。個人的には、ラーメンは海苔なくても成立すると思うのですが、海苔があった方が中華そばと比べてより日本のラーメンらしいかもしれないと思いました。ここ数年来、韓国海苔がブームなので、海苔の利用は大陸の方でも多いのかもしれません。

実は私は、胃腸が弱いので、消化しにくい海藻はあまり食べることがありません。
食べてもおむすびに使うくらいの1枚程度です。

久々に海苔を食べましたが、案外香りがしないなと思いました。味も海藻ですので、パスタにとてもよく合うのですが、見た目の黒さは日本らしいけれども、味は案外、これで魚介を入れたら、日本らしさは1番薄いかもしれないなと思いました。しかし和風パスタと言えば、明太子やキノコや海苔は欠かせない気もします。

山椒

薬味として採る5月下旬から6月下旬と思われます。我が家では、まだ実がが緑なので、そのまま利用していますが、葉っぱは硬いです。生薬を目的とする場合は、7月中旬ごろに果実が黄色を帯びたものを採ります。

薬効は、健胃、鎮痛などです。
消化不良。食欲不振には、果実の皮を1日量2、3グラムを300ミリリットルの水で煎じて半分まで煮詰め、3回に分けて飲みます。
我が家では、父が何を思ったのか、味も、葉っぱも丸ごとやかんに放り込んで、大量に煮詰めたことがありました。そうすると、強烈な匂いがして、到底の飲めたものではありません。

葱(ねぎ)

最近は、西洋葱としてチャイブもホームセンターで売られているのをよく見かけるようになりました。しかし、まだスーパーで直接売られるほど一般的ではないでしょう。
我が家でも一度種をまいてみましたが、芽が出なかったので、味が分からないままです。もしかしたら、普通のネギと間違えて収穫しているかもしれません。真相は謎ですが、その場合は、日本の葱とあまり味が変わらないんだと思うことにします。


実は葱は食感は1番強かったですが、改めて比べてみると、紫蘇ほどは香らず、山椒ほど強い味がしないという気がしました。
山椒は実をちょっと上に置いておくだけで、パスタに味も香りも移ってしまいました。利用する量に注意が必要だなと改めて思いました。

比べて葱は、ネギ焼きなどあるくらいで日本人は、麺類など麺が見えなくなるくらいネギを乗せるのが好きな人がいるイメージがあります。それは、ネギがしそや山椒ほど味に癖がなく、摂り過ぎるとお腹を壊すというような副作用の少ない食材だからかもしれません。

しかし、一方ではそれだけ身体に摂取して大丈夫とすると、薬効はどれくらいあるのだろうと気になるところではあります。確かに、民間療法として風邪をひいたら首にネギを巻くというのが知られていますが、実際にやった人はあまり聞かないので、信憑性のほどはわからないままです。

総括

香りの強さなら紫蘇、味の強さなら山椒、見た目のインパクトなら海苔、風邪予防によく利用されているとすればショウガでしょう。案外、葱は印象が薄いと思いましたが、それがかえって利用しやすさにつながっているのかもしれません。
健康に良いと思って、薬味を利用するのに、摂りすぎて体調を悪くしたら元も子もありませんよね。そもそも生薬は薬効が保障されているものでは無いのですから。

和ハーブは日本の生活文化に根付いた日本人らしさを演出するもの、あるいは、健康法とまでは言えないものの日本人らしい美容法?です。摂取した時に満足感が上がるのが薬味の良さかなと思いました。

西日本の中心は近畿か九州か

ハーブの話をしていたのに、なぜ経済に話が止まるのかと思われるでしょう。食のことを調べたら、経済につながっていったのです。
個人的に興味深かったので、noteに記録させてください。

結論を言えば、西日本の中心は近畿です。近畿と言う名称は、日本の都が長らく置かれていたことにちなみます。律令制における行政区画「機内」とその近隣地域と言う意味です。現代語に置き換えると「首都圏に近い」という意味らしいです。当たり前の話ですみません。

面積は九州の方が多いんだぞと威張ってみたところで、九州地方(沖縄を含む)の人口は1,400万人、近畿が22,00万人と圧倒的な差があります。
GDPは2016年で見ると、近畿が84兆円、九州が50兆円です。
九州は温泉地が多いから、観光ならと思ってみても、近畿には日本の国宝や重要文化財の6割が集中しています。国土面積は日本の7%ですから、圧倒的な所有率と言って良いでしょう。
よって観光も2018年で見てみたところ、近畿が8,628万人泊。九州が5869万人泊でした。個人的に都道府県別で意外だったのは、九州の順位でした。宿泊数の順位で見ると、福岡が1位で2位は鹿児島でした。政令指令都市の熊本は3位、4位は大分県でした。
交通の便が良い都会が有利と言うだけでなく、やはり観光地としての魅力も関係するのでしょう。また、鹿児島を経由して沖縄に行く人が多いのも宿泊数が多い理由かもしれません。

都道府県は7ブロックに分けたとき、本来は関西は近畿の中に入りますが、関西が7ブロックの一つだと小学生の時の私は考えていました。だから学校で習った時は、小学生の時の私は考えていました。だから学校で習った時は、「関西って近畿の中に入る位の規模なのね」と自分の思い込みが払拭されて新鮮な気分でした。

九州は、地方で見たとき最も経済規模が大きくなりますが、それでも所詮3大大都市圏に次ぐ4位でしかないのです。

もはや、九州は近畿に勝るところは無いのか。工業生産額も負けており、遺跡や出土品が多くてもなかなか観光誘致にはつながりません。

いえいえ、先に書いた通り、九州は広いのです。面積が広いという事は、耕地面積も広いと言うことです。九州は北海道に並ぶ、「日本の食糧基地」です。

農業生産額が2022年度近畿が4572億円であるのに比べて、九州は1兆7905億円です。九州は漁業も盛んで、漁業産出額の1位が北海道で、2位が長崎県です。
特に、フグ、ヒラメ、クロマグロは、全国シェアの50%以上が九州です。鰻や海苔は言うまでもなく、大分の関さば関あじもよく知られており、鯵の漁獲量が多いです。

10年以上前私が東京で働いていた時、実際、スーパーで九州産の野菜を多く見かけました。もしかしたら、魚や肉も多かったのかもしれません。

一般に、東日本と西日本で調味料によって味付けが大幅に変わると言われます。しかし、それでも九州の飲食店がおいしいと言われるのは、メインの食材の味に東日本の人も慣れ親しんだものが多いというのが理由の1つではないかと、個人的に予想します。

つまり、日本の食糧基地である九州の味は日本の味なのです。半ば強引な理論ですが、上記の薬味を日本の味と称するのは、九州人である私の独りよがりだという意見を払拭する1つの根拠になるのではないかと考えます。

東日本の人だって、九州でとれた薬味を食べてるんですよ。多分。
本当は、南部の方が、園芸植物やハーブの出荷額が多いのではないかと思って調べ始めたのですが、ネットでうまく調べられませんでした。政府の統計がないのでしょうか。

日本全国で知られている花園は、おそらく九州以上に本州に多いと思います。だから、ハーブや花苗の出荷額がわかって、それが九州が近畿を上回っていれば、「九州は園芸王国だ」「九州産ハーブが日本のハーブ」と言える根拠になるかと思ったのです。

上記の薬味を日本の味らしさにしたのも、九州人だからじゃないかという疑問が出てくるかもしれません。個々の食材の生産量は分かりませんが、九州は農業が盛んなので、九州の味がある程度日本の味と言っていいんじゃないかと個人的には思っています。

和風パスタから、九州パスタに昇格させるには?

九州の味が日本の味と言えるとすると(私が勝手に決めただけ)、和風パスタを九州パスタにすることもできそうです。

例えば、野菜や果樹には、ブランドと言うのか、九州特産物があります。例えば、熊本の塩トマト、菊池のごぼう。鹿児島の桜島の小みかんや大根などです。
熊本の塩トマトは八代(やつしろ)市のものが有名です。八代は外に蜜柑などの柑橘や生姜なども有名であり、それらを使ってパスタを作れば九州パスタならぬ熊本パスタ、いや八代パスタができるじゃないか!と思ったのですが、我が家の庭に売りたいほどトマトが生っているので、わざわざ八代のトマトを買うには及びません。生姜も生もチューブもたくさんあります。

大分のかぼすを使って、夏の九州詰め合わせパスタなんて楽しそうですよね。

しかし、実際は、買ってくるのがめんどくさいので、マグロの漁獲量が九州で多いなら、ツナ缶だって、九州の味と言えるだろうなんて適当な言い訳を自分にして、トマトと生姜とツナで普通のパスタを「九州パスタ」と勝手に名付けて思い込んで食べました。

そもそも私は料理上手じゃなかったので、九州パスタなんてそう簡単に開発できる訳がなかったのです。

ちなみに、この記事は、6月にネタを思いついて、7月から下書きを始めたのですが、7月の大雨で、ネットの回線が切れて、3千字ほど文字が消えてしまいました。

下書きに保存されていれば、この記事は倍の長さになっていたでしょう。その時は、2時間の労力が無駄になり、頭を抱えましたが、かえって記事が短くなってよかったかもしれません。

よろしければサポートお願いします。いただいたものはクリエーター活動の費用にさせていただきます。